2015年12月

2015年12月30日

ねこエッセイ…半世紀前そして今、この先のネコとヒトを巡る

詩人 長田弘氏のねこエッセイ「ねこに未来はない」、薄い文庫本にしては、読み終えた余韻が長く深かった。
image


本の描かれた当時は、昭和生まれの私でも生まれていない頃の昭和前期の話。

猫と暮らす日常には、今と異なり、室内飼育も繁殖抑制もなく、飼猫は出入り自由の飼い方…産まれては育ちやがて姿を消す、そんな失い続ける猫達への想いが綴られいた。

image

更に、某放送センター建設時の猫狩りの噂や、実験動物の猫提供を謝礼つきで呼びかける大学チラシなど、当時の世相が重ねられ、半世紀も遠くない過去に、日本社会における猫の扱いを知る資料としても、又今の時代にこの飼い方を続ける高齢者飼育ペットの問題のあり様を、考慮する上でも、大変興味深い物語だった。

何故、高齢者になっても、子猫を飼おうとするのか?
その方の心中に、どんな境遇が影響しているのだろうか?
プロローグにその答えが込められていた。
image



今は、何処の動物自治体相談も、高齢飼主の死亡、又は病気に起因する飼育困難で行き場のないペットの相談が多く、と言うより殆どを占める。

その対応については、行政ばかりではなく民間でも、もし1人の高齢者のペットを支える事になった場合、その高齢者が積み重ねてきたもの全てを受け入れ、地域で支えられる体制が必要となり、生半可な動物の知識だけでなく、高齢者福祉にも知識と経験を要するもの…

そして、もしもの時は認知の歪みを、本人が認識できないまま先走る行動を予断なく、介入支援が適切にサポートされなければ、代替存在への共依存を高めるだけで、より事態を悪化させ、更に劣悪な事象を招く危険がある。

先ずは、対応者に高齢者の認知行動を予見して作業を進める、社会福祉としての専門性が必要であり、案に高齢者多頭飼育崩壊を防ぐ為の動物専門家の派遣では、やはり効果を得られるとは言えないのが現実である。

この本の最後のあとがき解説に、なだいなだ氏が以下に記している。

『「ねこに未来はない」かも知れぬ。だが、ねこの物語には、未来が、まだしも残されている…だが、人間の物語には未来はない。このままでは、ない』

この言葉に、現代の動物問題にそのあり様が透けて…
まさに頷いて苦笑してしまった。

皆様、本年は大変お世話になりました。
大晦日の今宵、良いお年をお迎えくださいませ。



livedoorenter at 01:28|PermalinkComments(0)TrackBack(0) Share on Tumblr なぜ? 

2015年12月28日

多頭飼育崩壊やアニマルホーダーなど社会課題がテーマの新年研修会情報

【 都所管研修会情報のお知らせ 】
平成27年1月13日(水)午前1時半〜午後4時まで、都議会議事堂都民ホールにて、東京都動物愛護推進員研修会が開催されます。

今回は、現在問題視される高齢者や業者の多頭飼育崩壊など、アニマルホーダーによる動物虐待が研修テーマで、「障害保健福祉研究情報システム」など社会福祉学を専門とする、首都大学東京都市教養学部室田信一准教授が講師としてご登壇下さいます。
首都大学東京准教授
室田信一氏ブログ
https://t.co/rqpHIH2DNs
参考資料
シリーズ未来をひらく2  - NHK クローズアップ現代
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3448.html
ソーシャルインクルージョン - 障害保健福祉研究情報システム
http://www.dinf.ne.jp/…/japa…/glossary/Social_Inclusion.html
実は、この東京都福祉保健局主催の研修は、動物虐待と地域社会の役割をテーマとした第三回荒川区地域猫セミナーに足を運んで下さったセンター獣医師が、「ソーシャルインクルージョン」など所管枠組みを超えた連携の必要性を行動で示し実現した、「社会福祉学から見たアニマルホーダー」(借題)室田准教授ご講演と伺っております。
更に主催の意向で、行政職員や地元社協や地域包括センターの方々にも、ご参加頂きたいとの指示を受け、当方で別紙研修参加希望票をお預かりしております。
※ 研修対象者:東京都動物愛護推進員以外にも、行政や福祉の現場に携わる方、社会福祉学の関係者などの対象者は、参加希望票の明記fax申込みで、この貴重な場にご参加頂けます。
ご興味ある対象者の方は、舘山宛にご一報頂ければ、主催預かりのfax用申込み書面をお届け、又はDM添付対応を致します。
よろしくお願い申し上げます。

livedoorenter at 09:22|PermalinkComments(0)TrackBack(0) Share on Tumblr 動物行政