アバドは、2002年6月をもってベルリンフィル(BPO)の音楽監督の職を辞した後、2004年の6月に再びBPOの指揮台に立つことになる。
この後彼は、毎年一回だけ、5月または6月にBPOを指揮している。
このコンサートは、彼の死の前の年(2013年)まで続けられた。

さて、この公演は、BPOの数あるコンサートの中でも特に人気のあるコンサートとなり、チケットの入手は困難を極めた。筆者も、このコンサートのチケットのために苦労した思い出がある。

なにしろ、前の監督(カラヤンやフルトヴェングラー)は、監督を辞することが、そのまま彼らの死となったため、前のシェフが再びベルリンフィル指揮することがなかった。
そのため、このコンサートがベルリンの聴衆の注目の的になったのである。

さて、今回LPされたものは、その最後のもので、アバドとベルリンフィルの「お別れコンサート」となったものである。
プログラムは、「真夏の夜の夢」と「幻想交響曲」。

私は、これまでも彼の指揮するこの2曲を何回か実際に聴くことができた。
特に、「幻想交響曲」は私のアバド初体験である、1983年のロンドン交響楽団の来日公演だったはずだ。

この頃の彼を知っている人にとっては、それから30年後のこの「幻想」は、ちょっと聴くと、あまりにも内省的で、物足りない演奏に感じられるもしれない。
しかしながら、さらにもう一歩踏み込んで聴くと、そこには、以前の彼からは聴こえなかった、深淵な世界が見え隠れすることがわかる。

今回LP化された演奏に対して、 

「アバドは妖精の世界を見ることができる」
と評されたらしい。

私も同感だ!

ベルリンフィルの演奏も彼の指揮に応え、いつもよりいっそう、一音一音を大切にした、また、彼と一緒に音楽するのが実に幸福なひと時のように見えてくるかのような演奏に心打たれた。

私は、以前からこのコンサートのCDを愛聴してきたが、今回到着したLPで聴くと、ベルリンフィルホールのコンサート時の空気感まで感じることができ、以前にもましてこの演奏の素晴らしさがわかったような気がした。

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