以下の文章は、3月3日発売のステレオサウンド誌の当店のPRページ、「オーディファイルのためのLPガイド」の記事です。

オーディオファイルのためのLPガイド

最近の話題から
金子 学

その1:クリーングマシン

私もここでの「LPケア法」で何回も書いてきたが、
「LPクリーングには、単なる“ノイズ除去”効果だけではなく、“音質向上”にも大きな貢献がある」
と言うより、LPをクリーニングすることは、音楽をよりいい音で、感動的に聴くためには絶対に必要なことである。

その意味では、クリーニングのためのツールは、私にとっては、単に音質向上ためのアクセサリーと言うよりは重要なコンポーネントのひとつであるといっていいだろう。
さて、このレコードクリーニングのためのツールであるが、ベストの一つとしては、「バキューム式」のマシンがあげられる。
この原理はいたって簡単で、レコード表面に洗浄用のクリーニング液をふりかけ、それをブラシでこすりながら、レコード面の汚れなどを浮き立たせる。それを、掃除機と同じ原理で即座にクリーング液と汚れを一緒に吸い取ってしまうということである。
このマシンでクリーングされたLPは外見上でも見違えるようにきれいになり、実際に聴いてみると、チリなどによるノイズがほとんど気にならなく効果のほか、再生音も生き生きとなり、音楽のディテールがどんどんわかるようになる。
この方式のクリーニングマシンは、かなり前から発売されており、私も1970年代の後半には使った記憶がある。

一方、その効果の半面、いくつかの欠点がある。大きく分けて、「騒音」と「価格」である。
さきほど紹介したように、このマシンのバキュームの原理は「掃除機」そのものあるため、かなりの騒音が発生する。(オーディオファイルの私の友人は、あまりにもマシンからの騒音が大きいため、ご家族に夜間のクリーリングを禁止されたそうである。)
また、今話したような機構のため、どうしても構造が複雑になるため、一般に考えられるレコードクリーナーよりもかなり割高(効果から考え、コンポーネントの一員ととらえれば、さほど高価とは思えないが・・・)となってしまう。
しかしここ数年は、各メーカーから新しい発想の、リーズナブルな価格のクリーナーが発売されてきて、私もこれらのなかからいくつかを使ってきたが、昨年末についに決定版というべきマシンが誕生した。

それが、今回紹介する、「Clean Mate NEO」である。実は、このマシン、数年前に誕生した「クリーンメイト」(現在は製造中止)の後続機でクリーニングマシンにしては珍しい国産(新潟・燕三条より)である。

写真1


予備1

予備2

実は前機種の「クリーンメイト」も素晴らしいマシンであった。吸引力もトップクラスで、価格も非常にリーズナブルであった。私も、さっそくこれを二台購入して、プライベートと店舗用にずっと使用してきた。
さてここで、新しいマシンの紹介をちょっと。
写真のように、デザインも前回の「メイト」とくらべるとかなりスマートとなった。(デザインは、当店でも販売しているレコードラックなどを設計した倉田裕之氏が担当)
さて、実際に使ってみると、吸引力はかなりアップしていることがすぐにわかる。(約2割の向上)そして吸引後は、ノズルから乾燥用の風が放出されて、クリーング後はすぐにLPをターンテーブルに乗せて聴くことができるようになる。また、マシンのターンテーブルには和紙マットが標準装備され、除電効果も期待できる。
気になる騒音であるが、吸引モーター音は90㏈から65㏈まで静かになった。
私もまだまだ使い始めたばかりで、このマシンの魅力を伝えきることは、ちょっと難しいが、随時当店のホームページなどで紹介していきたい。

https://www.lpshop-b-platte.com/SHOP/CleanMateNEO.html

価格はオープンであるが、当店では150,000円(税込み)で取り扱っています。(ベーレンプラッテオリジナル特典付。詳しくはホームページをご覧ください。)


その2:バッハの「無伴奏」のLP
クラシックファン、そしてオーディオファイルの皆様には、バッハの
「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」
「無伴奏チェロ組曲」
の二大名曲をひときわ愛されている方も多いと思う。
実際この2曲は、ヴァイオリン・チェロ奏者にとっては、一種の「聖書」的な名曲であり、リスナーのなかにもこれらの名盤をせっせと集めている方も多いと聞く。
アナログLPの世界でも、マルツィやシェリングらの名盤中の名盤のオリジナル(初版)は、入手は困難を極め、市場に出回っても、天文学的な価格がつくことは珍しくない。
実際、数年前に発売された、イザベル・ファウストの新録音は、当店でも予約だけで売り切れてしまった。

そんななか、2008年録音のユリア・フィッシャー録音が先日発売されて、さっそくわたしも試聴した。
のびやかな音色をたっぷりと鳴らした、正統的な解釈の演奏は、実に好ましく、バッハの世界に安心して浸れる素晴らしい演奏だった。教会の綺麗に消えていく長い残響を見事にとらえた録音も実に見事!(実は数年前にもこの録音は3枚セットで発売され、すぐに売り切れてしまったが、今回は6枚組に新たにプレスされた。そのため、以前よりさらに余裕ある音で、さらに感動的にこの名曲を味わえるようになって、とてもうれしい。)

https://www.lpshop-b-platte.com/SHOP/KKC1181.html


KKC1181




さっき、ちょっと触れたが、バッハの「無伴奏」の名盤はなかなか入手が難しく、当店でも入荷のあることはめったにない。そのかわりとってはちょっと御幣があるかもしれないが、まずは「復刻LP」を聴いてみるのも一案かもしれない。(最近では、シゲティシュタルケルらの「復刻盤」の出来がなかなかだった。)


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ベーレンプラッテ店主