2005年11月11日

予期理論やラカン

●予期を生む<否定性>

 対幻想への否定性が共同幻想を生成していく過程は、
たとえば、宮台真司さんの『権力の予期理論』が明晰に描き切っています。

 相互に全面肯定されるハズであるという認識=時点ゼロの双数性=対幻想に、
一方への否定が生じると、それをキッカケに他方の優位化(権威権力化)というベクトルが生じます。

 それは以下のような機序が生じる....

   劣位者の対幻想の共同幻想化
   対象(優位者)の象徴化
   象徴にともなうシステム化

....と考えられます。


●〔<母=子>⇔父〕以前の認識

 ラカンはこれを主体からみた父性(優位者)との関係として、そこに象徴界の生成(システム化)を見い出そうとしているようです。

 ラカンが誤解されやすいところは、対他認識が2つの個体(あるいは主体と対象の)=2者間で行使されることを無視して父性=第三項を暴力的に介在させていること。
 逆にいえば暴力=力を顕在化させるには母=子に対して父を登場させることが条件の最適化ですが、そのことによって〔<母=子>⇔父〕以前の認識や論理に関しては不可知にならざるを得ないという陥穽があります。

 その不可知な領域を現実界として顕在化させたならば、
それはラカンのアクロバットな知恵かもしれませんが、そのことが〜以前=EXCE^{'}Sの状態として不問に付されることのイイワケにはならないでしょう。
 「原初的不調和」という認識を提出しても、それ以上の探究が免除されるわけではないハズです。
 このように過剰な論理性に依拠する理論こそがラカンの本質なのかもしれないしれません。だからこそラカン自身による「フロイトへ帰れ」という言葉がスローガン化しうるワケでもあるのかもしれません。


●<純粋疎外>概念の可能性

 過剰な論理性は必ずゲーデルの定理のような論理そのものの限界に致ります。でも、その限界にこそ、ブレークスルーを生むものとしての心的現象論の可能性を見出すこともできるハズです。たとえば<純粋疎外>はそういった可能性を秘めた概念であり論理です。










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