ti-映画「絆」

今日・4月27日は「絆の日」
人と人との「
」(語源)を大切にと兵庫県神戸市の株式会社アートファーマーが制定。「絆」は社会を支える上での基本的なものとして、その重要性を広く社会にアピールするのが目的だとか。
日付は絆を忘れないようにと
勿忘草の月である4月と27を絆の「つな」と読む語呂合わせから。 詳しくは知らないが、(株)アートファーマー(※1)は、神戸の・イベントプロデュース業務やまちづくり関連事業コンサルタントを業務としている会社のようである。
"哀しみが絆を生み、愛がその絆を深め、そして、憎しみが絆を思いがけない方向に押し流す。人は誰もが
運命の絆に翻弄されて、生と死の挟間を漂っている。不安定な現代の中で”絆”は人間の光と影を鮮やかに照らし出し、心を揺さぶるキーワードと言える。
愛する人を守る方法は、たったひとつー、10年の時を隔てて放たれた2発の銃弾。”絆”を巡る運命のドラマが幕を開ける。・・・事件の鍵を握る男・伊勢(
役所広司 )、事件を追う警部・佐古(渡辺謙 )、ふたりの男の現在が交差するとき、伊勢の悲しいまでに運命的な過去が浮かびあがる"・・・根岸吉太郎監督作品映画「絆ーきずなー」(1998年日本映画。冒頭画像、コレクションの同映画チラシより)。映画ストーリーは参考※2参照。

「絆」と言えば、あの
ダークダックスの名曲「絆」と言う歌を思い出す。

♪ 糸へんに半分と書いて 絆と読みます。お互いに半分ずつの 糸を結び合うからです
糸の太さは人それぞれ 顔の違いと同じです 
かたいか ゆるいか ほどほどか その結び目が大事です。
♪ にんべんに半分と書いて 伴うと読みます。人はみな半人前が 二人道連れだからです
一人でできることといえば 互いにたかが知れてます
一人の旅より 二人旅 触れ合う肩が 語り合う

1981年(昭和56年)、ダークダックス30周年記念曲として発表された曲で、当時
三井生命のCM曲としても 使用されていた。本当に、「絆」と言うものを的確に表している名曲だと思う。
漢字の(
糸部【べきぶ】)の「糸」字は、細い絹糸を意味しており、古字は2つの丸い束が連なった形であり、よりまとめられた糸の形に象る。なお「糸」の字音はベキであり、常用漢字の「」は「絲」(音はシ、絹糸の意)の略字で。『説文解字』に「糸は細い絲」とあるようだ。
その【糸】とは、天然繊維や化学繊維を引き揃えて、撚(よ)りをかけた物のこと。【撚る】とは、糸状のものをひねる。また、ひねってからみ合わせることである(※ 3参照)。
人は成長期には学業を修め、なにかの
あって人と人とが出会い、そこでの絆が深まり、純な気持ちでが結ばれると、結婚の約束を交わし、結納を納めて、一緒になるが、時には破綻することも・・。
それぞれ、
紆余曲折の人生を送り、最後には臨終を迎えることになるのだが、これらの中に糸偏の字がいくつ出てくるだろう。
漢字の【絆(きずな)】には、家族・友人などの結びつきを、離れがたくつなぎとめているもの。動物などをつなぎとめておく綱の意味があり、
ほだし【絆(ほだ)し】といった場合には、もっと強く、人情にひかされて物事を行う妨げとなるもの。自由を束縛するものとしても使われている。また、ほだされる【絆される】と言う場合には、情にひかされて自分の考えにない行動をとる。人情にからまれる。 ・・などといった意味に使われる。
人と人を緊密に結びつける糸のような存在の「絆」にも、逃げ出したくて逃げようとしても、切っても切れない糸のようなどうしようもない因縁めいた絆もあり、それも、”人間の絆”というものではないだろうか。
イギリスの小説家、劇作家・
サマセット・モームの作品に『Of Human Bondage(人間の絆)』(1915年刊)がある(※4参照)。
幼くして両親を失い,不自由な足ゆえに劣等感に苛まれ続ける主人公フィリップに、自らの精神形成を託して書かれた人生遍歴の物語であるが、同名の映画は、1934年と、1964年の2度映画化されている。1934年の映画化では、
レスリー・ハワード演じる主人公のフィリップと、ベティ・デイヴィス演じる魔性の女性ミルドレッドとのラブ・ストーリーに焦点を絞ったものになっているが、映画のタイトルは、原題の「人間の絆」ではなく、「痴人の愛」(原題: Of Human Bondage)の邦題で放映されている(goo-映画参照)。
これは、
谷崎潤一郎の人気小説『痴人の愛』(1924年3月から大阪朝日新聞に連載。後半は「女性」に掲載されたという。同名での映画化は、1949年木村恵吾監督による。)に因んだものか・・・。又、1964年のものは、ローレンス・ハーヴェイがフィリップを、ミルドレッドはキム・ノヴァクが演じている(goo-映画1964年参照)。
この映画で、フィリップは、ミルドレッドに翻弄されるが、彼女に求婚し振られた後、医者になる。そんなフィリップのもとに不治の性病に冒された彼女が運び込まれるが、彼女は頑として彼の治療に応じず、死んで行く。それを見て、フィリップはサリーとの結婚を望まれたが、彼女をも不幸にしてしまいそうな気がして、彼は汽車でほかの町へ旅立った。その車中、ふと気がつくと、サリーが傍らに立って微笑を浮べて立っていた。
・・・が、前作「痴人の愛」では、同じ様に翻弄されたフィリップが大学士となり、そして豪州航路線の船長となり、赴任しようとするとき、ミルドレッドは施療病院で淋しく死ぬ。初めて彼女から開放された気持ちになったフィリップは船長を勤め、サリーと結婚し晴れやかに人生のスタートを始める。・・・といったようにどちらもミルドレッドの悲劇的な運命が強調されているが、ストーリーの展開は大分異なる(※5参照)。
この小説のタイトル「Of Human Bondage」の「Bondage」は「緊縛、隷属性」と言う意味であり、直訳的には「人間の絆」というより、先の漢字の説明でも書いた「人間の絆(ほだ)し」の方が近いようだ。
内容的にもそう思う。この映画のような男と女の絆は別として、絆には、夫婦や、家族、そして友だとしての友情の絆などがあるが、将来結ばれるべき男女は、小指と小指を(見えない)
運命の赤い糸で結ばれているという伝説がある。
これは中国の『
太平広記』にある「定婚店」(※6)という話に由来するものだとか・・・。由来は、以下参考に記載の※7:「中国故事街・故事成語」のお話の月下老 / 赤縄を結ぶを読むと良い。
結婚した二人の男女を結びつける絆には、他の人間関係には決して見られない特別な意味があるようだ。それを維持してゆくことも解消することも個々人の自由な選択にゆだねられるべきものではないだろう。
「人生は糾(あざな)える縄の如し」(正しくは「禍福は糾える縄の如し」
Wiktionary参照)とよく言うが、人生にそれ程深い意味があるわけでもない。人の世を生きていれば辛いことや悲しいこともあるが、それはそれで、その人の人生をより深い幅のあるものに広げてゆくことだろう。
一人の男と一人の女が互いに自分を与え合うことを誓ったとき、そこから新たに夫婦の絆はつくられてゆくものなのだが・・・。

今の時代、結婚をせず、1人での生活をしている人、結婚はしても子供を生もうともしない人達、結婚しても、直ぐに離婚をしてしまう人達が後を絶たないと聞く。

♪なぜ めぐり逢うのかを 私たちは なにも知らない
 いつ めぐり逢うのかを 私たちは いつも知らない
・ ・・・・・・中略・・・・・・
縦の糸はあなた 横の糸は私 
 逢うべき糸に 出逢えることを 人は 仕合わせと呼びます♪

互いの心を結ぶことを糸に例えた 
中島 みゆきの「糸」と言う歌だ(歌詞→ここ参照)。
中島みゆきの名曲中の名曲『糸』は、多くのアーティストにカバーされている。

名曲・中島みゆき『糸』の素晴らしいカバー動画【3選】

 彼女は本当に良い歌をつくるね~。ラストにあるようにせっかくの絆で出会えた仕合わせを忘れないで欲しい。
そして、それぞれの人が、
夫婦としての、親子としての、家族としての絆を大切にし、それぞれの家庭が金銭面ではなく精神面で豊かに、そして明るくなってゆくことが、今の世の中を明るくし、ひいては、日本の将来の繁栄にも繋がるのだろうと思うのだが・・・。

先日(4月24日)このブログ「植物学の日」[記念日)でも書いたのだが、
少子高齢化の進んでいる日本の総人口は、平成27(2015)年10月1日現在、1億2,711万人いるのだが、長期の人口減少過程に入っており、2026年に人口1億2,000万人を下回った後も減少を続け、2048年には1億人を割って9,913万人となり、2060年には、8674万人になっていると推計されているそうだ(※8参照)。
広告収入を得たいマスコミなどは、テレビを見ている人たちのことを
忖度してか、結婚する気もない人たちを、独身貴族と呼び、結婚しても、直ぐに離婚をしてしまう人達のことをバツイチだのバツニだのと、結婚する気もなく子供を産んで仕方なく結婚することを出来ちゃった婚」などと呼び、これを流行語に仕立てあげ、そんな人達を喜ばせているのだが、少子高齢化が進むと、「どうしてこうなったのだろう?」などと、自分たちが、そのような社会に誘導したことも忘れて、これを話題にし、また、そんな、「出来ちゃった婚」の人たちが、欲しくもない勝手に生まれた(自分たちがただ性欲を満たしたいためにできちゃっただけ)邪魔な存在の幼い児童を虐待し、ひいては殺してしまうといったニュースを、流して飯を食っている。
いやな社会になったものだ。
戦前に生まれ、敗戦で、食べたい盛りの子供時代に、イモや薄い薄い
(かゆ)を分け合い、親子兄弟、家族全員で助け合い、支え合って、仲よく育ってきた私たちには、そんな貧しい中でも特に不満を感じることもなく、幸せを感じて生きてきた。
今のような時代を、
仏教界では、「末世」(末法思想も参照)などと呼んでいるが、幸いなことに私たちは、あと数年でこの世(社会)からお先に失礼できそうだ。
有難や、有難や・・・。
南無!・・。
 
(冒頭の画像は、コレクションの映画「絆」のチラシ)

参考:
※1:
株式会社アートファーマー

※2:絆 -きずな(1998) - goo 映画

※ 3 :糸の基礎知識

※4 : マイケルとサマセット・モーム

※5:人間の絆 (Of Human Bondage)

※6:定婚店

※7:
中国故事街・故事成語のお話

※8:1 高齢化の現状と将来像|平成28年版高齢社会白書(全体版) - 内閣府