2005年09月

2005年09月26日

前回からのつづき

3. ではEDINETで電子提出された書類以外の書類はどのように取得したらよいのでしょうか。それは、東京証券取引所で入手できるもの以外は金融庁に実際に赴き、2階にある資料の閲覧室で検索するしかありません。金融庁の資料の閲覧室では女性の方が受け付けで検索の方法を教えてくれます。取得したい書類の名称、提出会社または発行体の名称、金融庁が割振った番号の特定を、受付におかれた小冊子で確かめて申込書に必要事項を記載します。裁判資料の閲覧の場合のような、判子や印紙は不要です。申込書を提出すると、情報がコンピュータに入力済みの場合は部屋に置かれているいくつかのコンピュータの内のひとつを指定されますので、そのコンピュータを使って、EDINETと同じように検索します。入力されていない文書の場合は受付の方が資料を出してくれますので、閲覧したりコピーを依頼したりすることができます。なお、EDINETから大量保有報告書やその他の書類が即日閲覧できるように10月からなります。

4. EDINETで取得できる情報は公開会社等の規模の大きな会社が中心とならざるを得ません。非公開の会社情報は帝国データバンク等の有料情報提供会社を通じて情報入手することが可能です。帝国データバンクですと、簡単な会社情報はウェッブサイトからクレジットカード決済の方法ですぐに入手可能です。価格も500円以下ですが、詳しい会社情報は会員登録が必要になってしまいます。


(15:23)
2.  有価証券報告書等の提出書類から副次的な情報を入手することができます。それは目次の上のタブに「添付書類」と書いてあるものがありますので、そのタブをクリックすると、株主総会召集通知、定款や委任状などが入っていいることがあります。その中でも定款は一般の公衆縦覧に供されるものではありませんので、その会社が自分のウェッブ・サイトで公開していない限り、原始定款を登記所で謄写する以外の取得方法がありません。そこで、定款が添付されている場合は貴重な情報源になります。

つづく

(15:18)
企業の情報は金融庁のウェッブ・サイトからEDINETに行くことによって一般に開示されている情報のうち電子提出された書類に限りを取得することができます。大株主や持ち株比率に関する情報が取得できるだけでなく、様々な情報が満載されています。基本的には有価証券報告書、半期報告書および臨時報告書が一般的な情報収集の柱になります。

1. まず、右下の「各種情報検索サービス」という部分をクリックし「EDINET」をクリックした上で「EDINETで提出された有価証券報告書等の閲覧」をクリックします。検索画面に到達しましたら、「内国法人」や「外国法人」の別を選択し、会社名がわかる場合はその頭文字となる字を入力して一覧表から会社を選びます。もし会社に金融庁が割当てた番号(銘柄番号ではない)がわかる場合はその番号を直接入力して検索すると早く情報に到達できます。

探している会社に関連する提出文書の一覧まで到達しましたら、その会社の提出した文書の一覧から有価証券報告書を選んでクリックしてみましょう。すると、左側に目次が現れ、右側の大きな画面に表紙が現れます。目次で見たい情報部分をクリックしてその箇所を印刷することもできます。しかし、全部印刷する場合はちょっと注意が必要です。何故なら、一括して印刷することができないからです。そこで、目次の項目をクリックしながら本文を印刷してゆきます。ただ、目次をクリックしてすぐにタスク・バーに印刷をクリックすると、目次が印刷されてしまい後でもう一度印刷しなければならない羽目にあうことがありますので、本文の画面を一度クリックしてから印刷してください。また、目次の項目を順にクリックしてゆくと、前の項目ですでに印刷してある項目が含まれることがあるので、本文の文章も目で追ってゆき、どこまでの項目がカバーされているかを確認しながら印刷しなければなりません。更に、面倒なのは、財務情報などの部分で本文が長い場合は、画面の一番下の左端に小さく「次へ」と青字で書かれている場合があり、その場合はそれをクリックして本文を印刷しないと、一定の部分が抜け落ちてしまうことがあります。有価証券報告書を全部印刷する場合は、このように非常に面倒くさい作業になってしまいますので注意が必要です。金融庁の職員によると、このような不便さを改善するよう検討しているそうです。

つづく

(11:53)

2005年09月21日

民法の実務で迷った点があります。

アメリカのハゲタカ投資会社の為に不良債権のサービシングをしていたときのことです。ある債務者が死亡しましたが保証人がいました。歯医者さんの親子でお父さんがバブル期にいろいろ投資に手を出しバブル崩壊で不良債権化してしまった事案です。主債務者であるお父さんと保証人であるその子供の両者とも歯医者さんで法人ではなく個人です。ある程度の回収が見込まれたのですが、主債務者であるお父さんが高齢のためなくなりました。そこで、保証人である子供の歯医者さんに弁済を請求できるかです。

考え方としては、主債務者が死亡して全員相続放棄がなされたので、主債務は権利義務の帰属主体がなくなり消滅。よって保証債務も付従性により消滅。よって請求不可。

もうひとつの考え方としては、保証制度そのものの存在意義から主債務者が死亡したような場合のために保証人を設定するのだから主債務者が死亡しても保証債務は別個独立に存続しつづける、というものでしょうか。

前者の方が理論的にすっきりするようにも思えますが、債権者としては後者が当然と考えます。法人の場合の似たようなケースで判例か裁判例があったかと思いますが、どう考えるべきでしょうか。

(12:39)

2005年09月20日

前回のつづき

破産事件は財団にお金が溜まってしまうと、破産廃止にできず配当をしなければなりません。以前、大型の破産事件の手伝いをしたことがあり、その事件では破産財団に60億円も溜まってしまいました。配当をする準備をしたのですが、当初の破産債権者は、ほぼすべて債権を不良債権として外資などの投資会社に売却しており、大体において長ったらしい名前をつけられた会社が新債権者になっていました。そこで破産債権者の地位が承継されたことをすべて確認する必要があり、問題点があれば直させます。60億円も財団にお金があると数パーセントの配当でも数億、数千万の金額の配当となりますので、何十回も計算しなおしました。また、金額を確定してからなるべく早く配当しないと、銀行利息の金額が多額なので、再度の配当の必要性が出る危険もあります。

以上のような破産事件の処理は債務者サイドの視点でしたが、外国の投資会社の代理人弁護士事務所として不良債権のポートフォリオの購入手続やサービシングまでもかかわりました。この場合は抵当権者として任意売却を債務者と不動産会社に取りまとめさせる側でしたので気楽でした。

破産や不良債権の処理をすることにより、法律実務のよい勉強になりました。ただ、法律家を目指す人だけでなくても、将来起業しようとする人も、このような破産手続を現実に見ることは大変人生経験になるのではないかと思います。そのような視点からすると、法律事務所のパラリーガルだけでなく、公認会計士事務所のアシスタントもやってみる価値はありそうです。もしかすると、粉飾のテクニックを教えてくれるかも・・・・・・・・・・


(18:47)
前回のつづき

バブル期の融資が焦げ付いたようなケースでは売却益の全額をもってしても第1抵当権者の被担保債権を完済するに至らないのが普通です。このような無剰余のケースであっても後順位抵当権者が任意売却に応じるかどうかは自由なので、「無剰余だから抵当権をただではずせ」といっても激怒されるだけです。そこで、売買代金から、通常、100万円を承諾料として分配します。これを「ハンコ代」といったりします。以上を前提にどの当事者にいくら分配するかを記載した分配案を作ります。

この分配案づくりで失敗してしまったことがあります。大手都市銀行が3番と4番抵当権を設定していたのですが、当事者は1人だからこの都市銀行への分配額を100万円と設定して分配案をまとめて、その他の当事者のすべての承諾がとれました。ところが、4番抵当権は破産会社の債権を担保するためではなく他の会社の債権を担保する為の物上保証でした。しかも、その債権も不良債権化し、当初の債権者である都市銀行から不良債権のバルクセールの一環としてとしてリーマンの子会社が買っていました。しかも、4番抵当権で無剰余だったので、その新債権者は抵当権の移転仮登記すらやっておらず、新債権者が誰なのか登記簿上はわかりませんでした。さらに、破産会社が債務者ではないので、破産債権の届出もありません。クロージング直前に当初の債権者である都市銀行のひとから債権譲渡の事実を聞かされ、青ざめましたがもはや何もできませんでした。クロージングは延期となり、管財人の取り分を100万円減らしてこのステルス債権者に100万円払うことで後日クロージングの運びとなりました。

つづく


(18:38)
以前日本の法律事務所にいたときに破産事件の処理を手伝ったことがあります。破産事件は弁護士が好きなときに受任できるわけではなく、破産管財人の職務を希望する旨の登録をしてから数年すると小さな破産事件を割り当てられるようになります。

破産の事務処理に関して、パラリーガルクラブからでている本が実務について詳しく書いてあり便利ですし、パラリーガルクラブ主催のセミナーに出席して、小額管財事件のフォームが入ったフロッピーをもらって大変重宝しましたことがありました。アソシエートの弁護士もパラリーガルクラブの本は参照したりしていました。

破産事件は銀行融資の裏返しみたいなもので、銀行の支店に勤務する若い銀行員が債権者集会に顔を見せることがよくあります。破産事件の処理で非常に勉強になったことのひとつ不動産の売却がありました。破産会社所有の不動産には1番抵当権から5番抵当権くらいまでついていたりします。それだけでなく不払いの租税債権がある場合は税務署等の差し押さえが入っていることもあります。その物件を任意売却して売却代金の数パーセントを破産財団に組み入れてもらうよう承諾をとります(ここで承諾がとれなければ任意売却のアレンジなどはせずに破産財団から放棄します)。その為には、買い手を見つけた上で売買価格を一応確定する必要があります。そしてその代金をどのように分配するかという分配案を考える必要があり、債権者の取りこぼしがないようにしなければなりません。租税債権は本来、無剰余であれば税法上差し押さえが許されないことになっていますが、無剰余であるかは売ってみなければわからないので、とりあえず差し押さえをかけてきます。


(18:34)

2005年09月15日

パラリーガルとは関係ありませんが、昨日最高裁で久々の違憲判決がでました。判決を読んでいませんが国家賠償法を使ってのアプローチは昔から佐藤幸治教授の教科書で詳しく書いてある方法で三権分立との微妙なバランスを保つ方法と記憶しています。司法積極主義や司法消極主義など様々な問題点などが議論されるでしょうし、レンキスト最高裁判事がお亡くなりになったこともあわせて感慨深いところです。

(10:36)

2005年09月14日

今朝、事務所についてコンピュータをスタートさせたが立ち上がりませんでした。コンピュータが立ち上がらなければ全く仕事にならないので早急に問題点を解決する必要がありましたが、太平洋地域のPC専門担当者が普通は東京オフィスにいるのですが今日はたまたま姿が見えません。そこでニューヨーク本部事務所のコンピュータ技術部門に電話してコンピュータに問題があることを伝えました。その後30分くらいかかりましたがコンピュータはなおりました。

こんなこと1つとっても世界的なネットワークのある巨大法律事務所はすごいと実感してしまいました。ニューヨークは夜中でしたが、コンピュータ技術者は常に24時間体制で待機しています。コンピュータ以外にも24時間体制の部門はたくさんあり、例えばニューヨークの文書作成部門がその1つです。文章の打ち込み作業や図表の作成など、判断を伴わない定型的な作業は24時間体制で受け付けており、自分でやる時間がない場合などにニューヨークにメールで送付すると、ニューヨークが真夜中でも数十分ぐらいで文書が作成され送り返されてきます。

英語と日本語の翻訳をする場合に時間がなければ、ニューヨークにいるヴィズィティング・アットーニーといわれる日本人の弁護士に、日本時間の夕方ぐらいにメールで依頼することがあります。日本時間の夕方に依頼しておけば、日本時間の次の朝事務所に出所するときまでには翻訳ができあがっています。ヴィズィティング・アットーニーとはどのような人かというと、日本の法律事務所では3年くらいアソシエートとしてこき使われると、アメリカにLLM課程に留学してニューヨーク州弁護士資格を「飾り」として取得しに行かせてもらえます。その合格した日本の法律事務所の弁護士をアメリカのローファームが1年くらい引き受けてあげて実務を体験させることが一般的に行われています。

このようなネットワーク体制ができていると、クライアントに直接会わなければならない事情がなければ、事務所にでてくる必要さえなくなってしまいます。子供が熱を出して出所できないときなども柔軟に対応し自宅で仕事をすることができますし、実際に弁護士の方々はそうしています。

就業体制の多様化や国境の存在意義の低下など、いろいろ感じることが多いです。


(18:18)
詳しい情報

アメリカで有価証券等の募集や売出を行う場合、原則として証券法(1933年)に基づく登録が必要になります。登録をするには発行会社が登録届出書をSECに提出し、次にそれに対するSECの効力発生宣言をもらう手順になります。SECは申請がなされると担当者が決まりその担当者と事前相談を行いながら最終的な効力の発生へと進んでゆきます。事前相談では、非会計情報の各種開示項目や登録届出書記載の財務情報を確認してゆきます。この事前相談手続はかなりの負担になるので、多くの外国企業は登録義務の適用除外に該当するよう、証券の発行スキームを企画します。

適用除外規定は一般に「セーフハーバー・ルール」と呼ばれ、証券法のルール144Aがそのひとつにあたります。セーフハーバー・ルールとは、要求される一定の手続に従っていれば原則として規制の対象からはずされる、という内容の条項のことを言います。

ルール144Aに基づく募集では、発行会社がまず、私募免除を規定する証券法4条(2)号に基づき、1社または数社の証券会社に株式を売りつけます。証券法4条(2)号では、「公募を伴わない発行者による取引」は登録を要しないと定めており、発行会社が1社または数社の証券会社に証券を売りつけることは公募を含まないと考えられています。この証券を購入した証券会社はある程度多数の適格機関投資家に株式を転売することができます。ルール144Aが適用されれば、この転売のためにSECへ登録をすることは不要になります。

適格機関投資家とは、自己の資金又は他の適格機関投資家から一任された資金を集め、総額1億ドル(証券ディーラーの場合は1千万ドル)以上、非関連会社の証券(アメリカ政府が発行する、又は、保証する証券を含む)に投資し、裁量で運用している機関(投資会社、年金基金、保険会社等)をいいます。

次に、もうひとつのセーフハーバー・ルールとしてレギュレーションSがあります。日本企業の多くは、144Aに基づく米国内の募集と同時に、日本国内、ヨーロッパおよびアジアの機関投資家を対象とした募集を行う場合があります。米国以外でのオフショア取引に適用されるレギュレーションSは他の免除規定と競合的に適用されうるもので、一般にnon-exclusiveなセーフハーバー・ルールといわれています。多くの日本企業は米国市場に対する実質的な関心はなく、米国に向けて直接販売活動を行わない限り、セーフハーバー・ルールの適用要件を満たせる場合が多いでしょう。



(12:59)
EDGAE (the Electronic Data Gathering, Analysis, and Retrieval system)の使い方

1. SECのホームページに行くと、青色の標題をひとつのブロックとする目次のような10前後のセクションが表示されます(SECのホームページは随時新しくなりますので、現時点の表示方法と異なる場合があります。)。その中の、“Filings and Forms (EDGAR)”をクリックしてください。するとまたいくつかの項目が現れますので、“Companies and Other Filers”をクリックしてみましょう。今度は、対象となる会社の情報記入ボックスが現れますので、会社名を記入してみて下さい。

この“Companies and Other Filers”を使うことにより、会社の正式名称、住所、電話番号、会社を設立した州、そして会計年度情報などの一般的な情報を取得することができます。そして、その一般的な情報の下に、SECに提出された書類のリストが列挙されます。試しに、有名な公開会社の名前を入力したうえで、いちばん一般的な10K(アニュアル・リポートの内容に相当)をクリックしてみましょう。ただクリックしてもすぐにアニュアル・リポートの本文が出てくるわけではありません。まずは基本情報(「ヘッダー・インフォメーション」といいます)本文は〈TEXT〉と書いてある部分の下の、例えば、“Document 1 – file: d10k.htm”と青い字で書かれた部分をクリックすると本文がリンクされて出てきます。そうしましたら、目次を見て関心のある情報が書かれている部分を見てみましょう。

2. 次に“Filings and Forms (EDGAR)”をクリックして“Latest Filings”をクリックした場合を見てみましょう。これは、会社だけでなく個人も含んた主体が提出した直近の文書(紙による提出文書および電子提出文書)が時系列で表示されます。もし何らかの文書が提出されるという情報をつかんだときは、毎朝、まずはこの“Latest Filings”を確認するのもよい方法でしょう。

3. 次に“Filings and Forms (EDGER)”をクリックして“Historical EDGER Archives”をクリックした場合を見てみましょう。情報入力ボックスにキーワードまたはフレーズを入力してサーチすると、住所を含むヘッダー・インフォメーションが表示されます。

4. 情報をサーチする場合に便利なものとしてCIK番号があります。CIKとはCentral Index Keyの省略語で、SECが提出会社に付けた通し番号です。日本の金融庁でも同じような番号割当て制度を採用していますが、会社情報検索に便利です。一般に株価などを調べるときにTicker Symbolとよばれるローマ字五つまでのシンボルが米国証券市場では検索用に使用されていますが(日本では4けたのコード)、同じような機能を果たしています。同じような名前の会社がいくつかある場合、このような番号を知っていると手間が省けるうえ、情報の混同をさけることができます。また、SIC code (Standard Industrial Classification)と呼ばれるものもあります。これは、会社の業種コードです。

5. 最後に、EDGARを使った情報収集では様々な副次的な情報を取得することができます。例えば、契約書や委任状などが別紙として添付されている場合、そのような文書をサンプル・フォームとして参考にすることができます。提出書類の本来の目的だけでなく、サンプルとして実際に使われている文書を入手できるのは大きな利点です。具体的な例としてFireness Opinion(何らかの価格提示がある場合に、その価格が客観的に妥当かどうかを調べた意見書等で、この書面を事前に取得することにより取締役の忠実義務が果たされた根拠のひとつとなりうる)をM&Aプロジェクトのサンプルとして取得したい場合、“Filings and Forms (EDGAR)”をクリックして“Latest Filings”をクリックするとキーワード入力ボックスが現れます。そこでProxy materials およびInformation statementsのひとつである“DEFM14A”と入力しますと、DEFM14Aを提出した様々な会社が現れます。そういたしましたら、ひとつの会社をクリックするとDEFINITIVE PROXY STATEMENT – MERGERがありますので、そのリンクをクリックするとProxy関連の書類がでてきます。その書類の添付資料としてFireness Opinionがついていることがあります。

但し、いいこと尽くめであるわけではなく、注意も必要です。例えば、SECに提出された文書のすべてがEDGARを通じて閲覧することができるわけではありません。日本の金融庁でも序序にEDINETで閲覧できる文書の範囲が広がっていますが、電子提出ではない紙の書面が提出された場合のように、まだ閲覧できない文書がありますが、同じように米国でさえも閲覧できないものがあるのです。



(12:50)
1. アメリカの証券取引法にあたる法律では、一定の証券をSEC(Securities and Exchange Commission)に登録することを要求し、いったん証券を登録すると、発行者は定期的にSECに報告書を提出しなければならない制度を採用しています。証券の登録をしなければならない会社は、上場会社(listed company)、店頭取引会社(over-the-counter company)および一定規模以上の会社であり、また、証券の募集または売出しのために登録届出書を提出した発行者も同様な義務を負うことがあります。

2. 上記のような発行者は、日本の有価証券報告書、半期報告書、臨時報告書などと同じように、フォーム10Kによる年次報告書(annual report)、フォーム10Qによる四半期報告書(quarterly report)、およびフォーム8Kによる臨時報告書(current report)をSECに提出しなければなりません。また、日本企業などの外国企業がニューヨーク証券取引所に上場する場合は、新規申請時にフォームF1を提出し、以後の継続開示として、フォーム20Fによる有価証券報告書を、また簡素なフォーム6Kによる中間報告書の提出をすることになります。一般に、年次報告書などの書類をフォーム番号で呼んだりしますので、主要な10Kや10Qなどは覚えておくとよいでしょう。

M&Aやさまざまなスキームを考案したり、法律事務所がマーケティングの一環としてピッチ・レターを準備する場合などにさまざまな会社情報を入手する必要がありますが、そのひとつの手段として、アニュアル・リポート等を入手するよう依頼されることがあります。そのようなときに、有料サイトもありますが、アメリカのSECの無料ウエッブ・サイトにいって、エドガー・システム(EDGAR system)を利用するのがよいでしょう。


(12:42)

2005年09月13日

外為法に基づいて対内直接投資等に関する報告書を作成し、東京の日銀に提出してきました。提出する場所は日銀新館の2階50番窓口です。日銀の建物の所在する界隈は証券会社や短資会社など金融・証券の雰囲気が漂っています。区画も大きい四角で地型がよく、重厚な建物が多いような気がします。日銀には車が入る検問所のようなところに地面から自動でせり上がってくるバリケートがあり要塞のような感じがしますし、内部も天井が高く、せこせこした感じがないのがいいところです。

日銀以外にも立ち寄るところがあったのでいくつか用事をすませタクシーで事務所に戻りました。帰りのタクシーの中で気が付いたのですが、最高裁判所の前に銅像があります。それは3人のヌードのおばさんです。区役所や市役所などの前にも同じように銅像があることが多いのですが、それは多くの場合、ヌードのおばさんで、たまに裸で遊んでいる子供がくっついていたりします。不自然です。前から気になっていたのですが、何故、公共機関の建物の前にはヌードのおばさんが多いのでしょうか。あのような彫刻を作っているのは60代くらいのおじさんの彫刻家が多いのではないかと独断で思っています。お母さんと子供が裸で不自然に遊んでいる様子を「ほほえましい」と勘違いしているのではないかと勝手に思っています。また、あのような彫刻を設置することを誰がどのような手続で決めるのでしょうか。地方議会のおやじさんたちが決議するのか、入札するのか。適正な手続がとられているのか興味深いところです。


(17:32)

2005年09月12日

最近、アメリカの会社が日本にある非公開会社を許認可目当てで取得するケースがありました。許認可はデリケートな場合がありますので事前に監督官庁に確認する必要がありますが、それ以外の点では次のような流れでした。

日本の非公開会社の経営状態が良くないのでそれを売却してしまおうと考えたターゲット会社の株主(売主)が、日本での業務拡大をもくろむアメリカの企業にその持株すべてを譲渡することにしました。買主の会社は日本に現地法人を持っていましたがターゲット会社が赤字であったために合併ができなかったので、とりあえずターゲット会社の株式をアメリカ籍の会社が譲受ける、という方法をとりました。そして後日合併するために、ターゲット会社に対する債権を第三者から数億円分譲り受けておき当該債権を現物出資する方法で新株発行をしました。いわゆるデット・エクイティー・スワップです。

その過程でターゲット会社の取締役および監査役をすべて入れ替える手続をしましたが、小さな登記実務上の問題にでくわしました。まず、ターゲット会社の全株式をアメリカの会社が取得したので、旧経営陣の「解任」と新経営陣の「選任」の為の臨時株主総会をアメリカで開催しようとしました。しかし、現行商法上、「開催地」は定款に別段の記載がなければ本店所在地周辺で開催しなければなりません(商法233条)。そこで焦って定款を確認したら運良く外国での開催を許容する記載になっていました。この商法の規定は新会社法ではなくなっていますので、将来のM&Aの案件では気にする必要がなくなるようです。

次に、旧経営陣に何ら事務的な負担をかけないようにするために、彼らを全員「解任」する形式をとることにし、唯一の株主であるアメリカ法人が議長に就任して総会を開催することにしましたが、新経営陣は全員日本にいるので総会に出席しません。唯一の一人株主が議長に就任して議長として議事録に署名するような先例はなかったので登記所の人は頭を抱えていましたが、特に法規に違反しなかったのでOKでした。

最後に新経営陣を選任する総会後の取締役会議事録について面倒だったのは、旧経営陣が一人も残らなかったので、新経営陣全員が実印を議事録に押印し、印鑑証明書を登記の為に添付しなければならなかった点でした。新経営陣は日本国籍ではなかったので、実印押印のかわりにサインをし、当該取締役の国籍国による公証人の認証文言入りのサイン証明(大使館で取得)を添付しなければなりませんでした。

ここでちょっとした裏技を発見したのですが、経営陣総入替えの場合の取締役会議事録にはすべての取締役が出席しなければならないわけではないので、定足数を満たす限り、例えば外国人取締役を欠席させればその人の分のサイン証明を用意する必要がありません。これは印鑑証明書及びサイン証明書はあくまでも取締役会議事録の添付資料であり、就任承諾書には実印の押印と印鑑証明書及びサイン証明の添付は要求されていないからで、取締役会に欠席すれば、「出席したる取締役」にはあたらなくなるからです。

いろいろかわったディールを体験できたり、先例のない事例に遭遇することが外国のローファームであはあります。


(16:25)

2005年09月09日


パラリーガル(Paralegal)とは何かについて説明していなかったので簡単に説明しておきます。英米法辞典の定義によると、「弁護士資格はないが基礎的な法的技術を有し、弁護士の監督のもとあるいは法の定めるしかたで事務を処理する者」だそうです。アメリカで発達した呼び名で、医療補助職であるパラメディカル(Paramedical)に由来するそうです。

日本の法律事務所は小規模のものが多いので、パラリーガルの役割を秘書がかねている場合が多いのではないかと思います。日本では大学の法学部を出て秘書になってしまう人も多いようなので、潜在的能力の点では秘書のレベルが日本では高いと思います。アメリカでは、そもそも弁護士の数が多く能力にバラツキがあるし、以前以下のブログでかいたように

http://blog.livedoor.jp/llanelly/archives/50033737.html

パラリーガルのレベルも様々です。また、大学を出てまでして秘書になる人はアメリカ等では少なく、せめて大学を出た後にロースクールに進むかを判断するためにパラリーガルになってみる場合のほうが一般的かもしれません。

日本の法律事務所も前にブログで書いたように変化の時期を迎えていますが、

http://blog.livedoor.jp/llanelly/archives/50029311.html

日本でも事務所の規模が大きくなると、秘書としてではなくパラリーガルとして働く機会が多くなるのではないかと思います。

現在のアメリカでは、ウォール・ストリートにある「大きい」ローファームと言えば、弁護士数は1500人から2000人の規模のことを指すようです。しかし、放送大学の授業でアメリカ人弁護士がかつてインタヴューに答えていたように、ここまで大規模化したのはここ15年くらいのことで、その前は、日本ほど小さくはないものの、数百人の弁護士がいれば「大きい」ローファームだったそうです。

現在日本の法律事務所では合併等による規模の拡大傾向が続いていますが、その過程はアメリカに似ている部分があります。しかし、日本の場合は英語を母国語としていない点および英米法の共通の基盤がない点で、アメリカやイギリスの事務所が比較的簡単に規模を拡大したのと違うともいえなくはないかもしれません。そうはいっても、日本の公認会計士事務所はプライス・ウォーターハウスのように欧米と一体化していっていますし経済は国境を無視してゆきますので、今後どうなるかが面白いところです。


(12:31)

2005年09月08日

金融庁の証券閲覧室にゆき、資料収集をすることがよくあります。最近証券閲覧室に行った理由は、新規上場の手続に関する資料を取得するためでした。新規上場する場合は、東京証券取引所等と事前に様々な協議や面談をしながら上場準備が進んでゆくわけですが、証券の募集・売出をするので、財務局にも有価証券届出所の提出が必要になります。現在では電子申請が義務づけられEDINETからの閲覧が可能ですが、平成16年6月より前は紙媒体による提出が認められており、その場合にはEDINETでの閲覧ができません。

そこでEDINETを見ても予想された書面がない場合には中央合同庁舎第4号館の2階にある証券閲覧室に出向いていって、PDFにされた紙による申請書およびその添付書類を設置されたコンピュータの端末を使って探し出すことになるのです。大量保有報告書などは今でも紙媒体での提出が比較的多く、証券閲覧室で調査が必要なことが多いです。

例えば、村上ファンドが大量保有報告書を提出するという噂が流れると、証券閲覧室は記者の人たちでごった返します。ライブドアとフジテレビの戦いの時も村上ファンドの大量保有報告書提出の噂が流れ証券閲覧室がごった返したことがよくありました。そして証券閲覧室は午後5時には入室ができなくなってしまいます。ライブドア・バトルの時は、ある記者の人が午後5時で終了することを知らずに遅れてきて、金融庁の職員に入室を懇願していたりしました。村上ファンドも証券閲覧室が閉まる午後5時ぎりぎりに大量保有報告書を、意図的なのかわかりませんが提出していました。

証券閲覧室にはいままではちょっと年配のおばさんが職員として働いていて、証券閲覧室をしきっていました。しかし、最近姿を見なくなってしまいました。説明の仕方がちょっときつかったりして、怖い、と言う人もいましたが、私は結構よくしてもらっていましたので、少しさびしい気分もします。ライブドア・バトルのときに証券閲覧室が注目の的になったので、いろいろ批判でも受けて他の部署に移されてしまったのでしょうか。

大きなローファームのパラリーガルをやっていると、世間に知られた案件に携わることも多いのでいい経験になります。


(18:15)

2005年09月07日

パラリーガルのレベル

パラリーガルはアメリカでつけられた名称でその他の国では一般の人々の認知度は低いと思います。また、アメリカではパラリーガルの能力もかなりばらつきがあります。法律に興味があって将来弁護士になりたいと思っている人や実務経験を積んで特定の分野に弁護士以上に精通している人もいます。しかし、そうではなく、将来別の自分の目標に進みたいが収入は必要なのでたまたまパラリーガルになるひともいます。私のいるアメリカ系の法律事務所のニューヨークの本店では、昼間働いているパラリーガルは法律に関する能力がある程度高いけれども、夜間担当のパラリーガルは、例えば本業は芸術家だけれども収入確保の為にパラリーガルをやっているという具合であったりもします。

そもそもアメリカでは弁護士の合格者数が多いので、能力があると弁護士になってしまい、パラリーガルのレベルが常に高いという傾向にはなりにくいのではないのでしょうか。

以上に対して、私のいるアメリカ系の法律事務所のロンドン・オフィスにいるパラリーガルはアメリカとは異なっています。彼らは法律知識がふんだんにあります。これは弁護士制度の違いに由来しているようです。イギリスでは事務弁護士(ソリシター)になるためには、大きく分けると、二つの段階を踏む必要があります。それは、Law degreeの取得(accademic training)と⊆駄碍盈(vocational training)の終了です。そしてロンドン・オフィスで働いているパラリーガルは,涼奮を終了しており、現在△涼奮として実務訓練をして働いているのであって、必要期間を終了し要件を充足すると弁護士(ソリシター)になれてしまうのです。日本に置き換えて考えてみると、司法修習生がパラリーガルとして働いているようなものです。

今後日本がどのようになるかはわかりませんが、弁護士になるかどうかを判断する為にパラリーガルで1〜2年働くということも増えるのではないでしょうか。また、弁護士ほど責任を負いたくないが法律に携わりたいのでパラリーガルになる、という人もでるでしょう。大体において日本はアメリカ一辺倒ですからアメリカの事例が参考にはなるでしょう。しかし、世界トップのマジックサークルにはイギリスの弁護士事務所がひしめいているので、アメリカ一辺倒なのはどうかとも思います。


(16:50)

2005年09月06日


アメリカではロースクールの学生は夏休みなどの期間中、ローファームに履歴書を送って採用されればサマーアソシエイトとして働く。私のいるアメリカのローファームにはハーバード・ロースクールやコロンビア大学の学生がよくサマーアソシエイトとして毎年やってくる。多くは、かつて日本に住んだことがあったり、日本で働いたことのあるひとで日本語もよく話せる。翻訳を頼むと見事な翻訳をしてくれるので大変重宝している。

このサマーアソシエイトは待遇がものすごくいい。アメリカから日本までの旅費や滞在費はすべてローファームが支払い、給料もかなりいい。うらやましい限りだ。


(17:16)

今年、関連する法規の改正及び施行により外国法事務弁護士事務所の体制に変化が生じた。今までは日本のBengoshiと「特定共同事業」というパートナーシップを結ぶことによって外国のローファームは日本で活動できたが、外国のローファームが今年から日本のBengoshiを直接雇うことができるようになった。また、司法試験制度もアメリカ流のものに変わり、合格者数も増えていっている。正に法律事務所激動の時代だ。

日本の大きな弁護士事務所も規模を一生懸命大きくしているようだ。しかし、世界レベルの弁護士事務所はイギリスとアメリカの事務所がほとんどで、日本最大の弁護士事務所の規模の約10倍だ。規模のメリットはどんなところにあるのだろうか。

私のいるアメリカの事務所での日常業務から肌で感じるのは、世界的なネットワークを持っているかどうかという点だ。例えば、私のいる事務所はM&Aの案件を専門的にやっているので、デューデリをすることが多い。そして合併する会社がアメリカやヨーロッパの会社であっても、多くの場合日本に現地法人を設立しているので当該法人のデューデリを行う必要がある。朝起きて事務所に出所してメール・チェックをすると、会ったこともないニューヨークの弁護士からターゲット会社の子会社の会社情報を収集してくれ、との指示を受けることがよくある。基本的な情報を英語で要約してレポートすると、それをきっかけに芋ずる式に次から次へとリサーチ依頼が毎朝きていたりする。

また、クライアントである会社の代表者が世界中を移動しているときに、その代表者個人が署名したり公証したりしなければならない事項があったとする。その場合移動するたびに、移動先の同じ弁護士事務所の支店に仕事がリレーのように受け継がれながら処理することもある。例えば、投資の案件でパナマで特別目的会社を作っていてその会社の為にパナマ領事館で書類の公証をしてフェデックスでその書面を送付しなければならない事態が発生し、代表者がたまたま日本をとおったので日本でその手続をした。このときはロンドンのオフィスから朝メールが入っていて、日本に滞在しているクライアントと連絡をとって事務処理をしてほしいとの依頼であった。

このような会ったこともない世界各地の同じ事務所の人からメールが送られてきて事務を処理することは日本の弁護士事務所では考えられないだろう。日本の法律事務所が規模を拡大していったところで、M&Aや金融関連の案件では太刀打ちできないであろうと思う。M&Aや金融といった領域は国境を無視して経済活動が展開していく。

毎日の業務でこのようなダイナミックな案件に携わることができるのはいい経験だと思う。大学を卒業し、ロースクールにすぐ入学するのではなく、いったんパラリーガルとして世界規模のローファームの日常を味わうのも悪くはないのでは。アメリカの弁護士の多くは大学卒業後に会社に就職したりパラリーガルになってからロースクールに入学する人も多い。日本の方々もどうでしょうか。


(16:59)
2からのつづき

この他にも、特許電子図書館を使って様々な検索ができます。例えば、キーワードから特許と実用新案を検索する場合です。具体的には、「公報テキスト検索」で検索できます。公報種別を公開特許公報または公開実用新案公報とし、検索項目を「要約+請求の範囲」として、検索キーワード欄に調べたいキーワードを入力するとキーワードが含まれるものがヒットします。その他にも様々な方法が考えられますが、詳しくは特許庁のウェッブサイトにいって練習してみてください。

(10:39)
1からのつづき

なお、検索をすると特許の番号に関連して「公開」、「公表」といった記載がありますが、これは公報の種別です。「公開」とは「公開公報」のことです。特許は出願から1年6ヶ月を経過すると原則としてすべての出願が公開されます。この公開された出願が掲載されるのが「公開特許公報」です(従って、以後に審査請求をしていなければ特許として成立していないものも含まれています。出願されたものが登録になっているかは「最終処分照会」で調べることができ、公開番号で照会すると登録になっていれば、公告番号や登録番号が表示されます)。また、「公表」とは「公表公報」のことをさします。海外から日本の特許庁へ、特許協力条約に基づく国際出願(PCT出願といいます)をした際に、日本国内で発行される公報です。国内出願の「公開公報」の役割を果たしています。この他、「再公表」がありますが、これは日本を指定国にして日本の特許庁へ、日本語で特許協力条約に基づく国際出願をした際に、日本国内で発行されます。また、「訂正公報」は、公報に掲載された内容を修正する場合に発行されるものであり、「異議決定公報」は、登録後異議申立があり、その異議審判の結果を公開したものです。

(10:37)
知的財産権

私人の権利を定める基本的な法制としては民法がありますが、知的創造物の特性に応じた権利内容の定めや保護が不可欠であることから知的財産に関する法制が整備され、特許法、実用新案法、意匠法、著作権法などが現在施行されています。その中で、一般に権利が特許庁のウェッブサイトで公表されているものが、特許、実用新案権、意匠権および商標です。デューデリジェンスでは、例えば、ターゲット会社の所有する特許に第三者の専用使用権が設定されていないかを確認したりします。いちばん簡単な検索方法は、特許庁のウェッブサイトから特許電子図書館をクリックしてそのサイトに行き、「初心者向け検索へ」を検索してターゲット会社の正しい名称を入力してみることでしょう。そこで、一覧表示をしてみて特許の簡易表示画面で内容を簡単に確認します。詳細表示画面を見ることもできますが、「書誌」以上の具体的内容は科学などの専門的な内容になるので、深入りする必要のあるときだけ見ることになるでしょう。

つづく

(10:36)
2からのつづき

そして買収対象会社が上場会社や店頭登録会社であれば、上場廃止基準等に該当し整理ポストに移された上で上場廃止になったり、店頭登録が取り消されたりします。従いまして、スキームを進める前の妥当な時期に東京証券取引所等の買収対象会社の担当者と十分な事前相談をする必要があります。匿名の電話であれこれ聞いてみようとしても、自分がどこの誰かを言わないと取次いでくれませんので、妥当な時期を選んで、正式に事前相談をすることになります。

以上のような手続の中で、ストラクチャーによっては以下のような契約書やその他の文書の準備が必要になってきます。

株主間契約
株式買取契約
株式譲渡担保設定契約
金銭消費貸借契約
債権の優先劣後に関する契約
公開買付代理ならびに事務取扱契約
公開買付代理ならびに事務取扱契約譲渡担保契約
代表取締役の証明書
取締役会議事録
株主総会議事録
法律意見書


(10:34)
1からのつづき

事前に準備した株式会社が株式を取得する場合、公開買付を行う必要がある可能性があります。そして対象会社の株式を全株取得できないことが多いので、特別多数(66.7%)を取得したら株主総会を開いて株式交換により親会社を設立することを決議します。そうすると対象会社のかつての株主は親会社の株主になり、対象会社は親会社を唯一の株主とする完全子会社になります。そこで次に子会社の株式を事前に準備した他の株式会社に譲渡します。また、同時に解散決議も行い、株式の売却代金を株主に分配して清算し親会社を消滅させます。このような手続により、買収に反対する少数株主を排除することができます。このようなことを一般にスクイーズ・アウトともいいます。但し、対象会社の株主が親会社の株主になっても対象会社に対する株主代表訴訟ができるように将来なりますので、適法な要件充足が今後重要になります。Fairness Opinionの取得も対応策のひとつとなりえるかもしれません。

(10:33)
MBO・MEBOについて 1

MBO(Management Buy Out)やMEBO(Management and Employee Buy Out)とは、一般に対象会社役員等の経営陣(および社員)と金融投資家が、共同で対象会社の支配株式を買い取る取引をさします。具体的なスキームの内容は様々でありノンリコース・ローンなどを使う場合もありますが、簡単な例として次のようなスキームも考えられます。

買収対象会社の株式を、別個の当該スキームの為だけに用いる株式会社を準備して取得します。株式会社を選ぶ理由は、最後に買収対象会社と事前に準備した株式会社が合併するので、その商法上の手続の便宜のためです。また、準備する株式会社は新設してもよいですが、休眠会社を買ってくるのもひとつの方法です。但し、消費税の問題、保証債務などの簿外債務や未払い税金があるなどのリスクを伴いますので、設立後一度も活動していない会社を買うのが無難なときもあります。最近では行政書士が会社を設立してそのままにし、インターネットでその売却を宣伝していることもあります。

つづく

(10:31)
前回からのつづき

2. 閲覧をしようとする事件の事件番号がはわからない場合は、東京であれば地裁の事件係に電話をして、原告と被告の名称を告げると電話でも調べてくれます。コンピュータ・データベース化の対象となっていない古い事件の場合は検索できないので実際に地裁の事件係に出向いていって、事件の情報が記載されたカードを端から見ていくことにならざるを得ないでしょう。また、地裁に係属していたものでも上訴されると一件記録は高等裁判所に行ってしまっている場合もありますので、詰めを甘くしないで調べる必要があります。東京の場合、地裁と高裁とでは記録の閲覧する場所が異なります。高裁の閲覧室は地裁に比べてかなり狭くなっています。1日に閲覧できる時間は以外に短いので、もし終わらなければ次の日に継続して閲覧することもできます。

(10:21)
ブログをはじめて利用するので、まだ試行錯誤ですが、話題はいくらでもあるので、どんどん書いてアップロードしてみます。

裁判所記録の閲覧

1. 民事裁判の訴訟記録は公開されるので閲覧が可能です。但し、仮処分事件などの本案事件でない場合には、訴訟記録の閲覧どころかその事件の存在すら明らかにされません。しかし民事の本案事件であれば、事件番号等がわかっていれば、地方裁判所や高等裁判所に電話し、記録係につないでもらって訴訟記録が閲覧できる状態かどうか確認します。裁判官が訴訟記録を使用中であったり、担当の書記官が記録を整理中だったりすると、すぐに閲覧ができない場合がありますので、その場合はいつ頃から閲覧できるか聞いておくことになります。もし閲覧ができる状態であれば、早速裁判所に出向いて資料をみることになりますが、その為には、150円分の印紙と認印、それに身分を証する書面(免許証、パスポート等)が必要になります。閲覧の種類には事件の関係者としての閲覧と第三者としての閲覧の2種類があります。前者は謄写(コピー)することもできますが、後者はメモをとることのみ許されています。従いまして、メモをとる、といっておきながら端から端まで手書きで書き取ろうとすると、場合によっては途中で閲覧を制止されることがあります。ここで表現の自由だとか裁判の公開だとかを持ち出して騒いでみてもどうしようもありません。

つづく

(10:11)

2005年09月05日

パラリーガル(paralegal)の実務情報を提供し、法科大学院に進学するかどうかの判断材料を提供したり、現にパラリーガルとして働いている人への情報提供をすることを目的としてブログを開設します。

(23:30)