2006年01月

2006年01月31日

昨年、ある大手保険会社がRepresentations & Warranties Insurance(表明保証保険)のプレゼンテーションをやりに来た。プレゼンテーションを行ったのは保険会社に勤めるアメリカの弁護士だった。表明保証保険は、M&Aにおける株式譲渡契約、営業譲渡契約などの様々な取引に関して行われる契約書の表明保証条項違反による経済的損害を補填する保険です。被買収企業に関する表明保証が不正確であったことに起因する損害や、買主が保険契約を結んだ場合は、売主の悪意による表明保証違反に起因する損害もカバーの対象となります。

実際には/用力の低い売主からの買収、銀行管理下の事業の買収、PEファンドが投資した事業の買収、げ鮖兇予定されているファンドからの事業買収などに利用され、敵対的買収には利用され得ません。

プレゼンテーションを行ったのは保険会社に勤めるアメリカ人弁護士で、日本も法曹人口が増大すると、企業の法務部が弁護士で構成されるように変わってくるだけでなく、業種によっては弁護士資格を有する人の営業も多くなるかもしれません。

(00:24)

2006年01月28日

私のいるアメリカ系の弁護士事務所では、パラリーガルをずっと続けていこうと思っている人はあまりいません。法律事務所の様子を仕事を体験しながら見てゆき、将来の進路を決めるステップと考えている場合がほとんどです。一番多いのはロースクールに行く前段階としての「体験」と位置づけるケースです。

私の今いるアメリカ系の大手法律事務所にかつて働いていたパラリーガルの人たちは、アメリカのロースクールに行って弁護士になって帰ってきたり、日本の法科大学院で勉強中のひとなどがいます。日本の法科大学院に行ったひとは、東大を出たあと外資系の企業の法務部で仕事をし、そのあと、体験として私のいるアメリカ系の法律事務所でパラリーガルを1年やっていました。彼はこの法律事務所のクライアントであったアメリカの投資銀行から誘いを受けていましたが、それを断って法科大学院に進んでゆきました。

また、昨年の司法試験に合格した人が現在アルバイトで働いています。基礎がしっかりあるだけにいろいろなことをお願いできるので大変助かっています。

このように、現在弁護士として働いている人もパラリーガルとして働いた経験を持つ人はアメリカではかなりいるし、日本でもアメリカ流のロースクールシステムを採用したので、同じようなパターンは増えてゆくのではないでしょうか。また、ロースクールに行かなくても、証券会社や投資銀行などに転職してゆく可能性もあります。大学の法学部を出た後、ロースクールに行く前に1〜2年ぐらいパラリーガルとして働く選択も将来増えることと思います。



(23:28)
日本の弁護士にゲイが多いかどうかはよく知らない。しかし、アメリカの弁護士には結構オープンなゲイが多いかもしれない。少なくとも私のいるアメリカの弁護士事務所には多い。東京オフィスにもゲイが途絶えたことはない。平等精神からかゲイが法律家になることを選択することが多いのかもしれない。今までずっといたアメリカの弁護士がゲイであることを最近知った。また、隣に座っていたパラリーガルはあからさまなゲイだった。細身の体にレザーのズボンを着て頭はピカピカのブロンドに染めていたうえ、レインボーカラーの傘をもっていかにもゲイというしぐさをしていた。ハーバード・ロースクール出身の弁護士がそのパラリーガルのことを He is soooo gay!といったときはみんなが爆笑していた。また、かつてはレズもいたそうだ。いろんな人がいて面白い。

(14:49)

2006年01月27日

国会改革の提言として議員バッジの廃止を太田氏が主張しているそうだ。「バッジをつけている国会議員は日本と韓国ぐらい。バッジをつけていばるのは品位がない」そうだ。そういえばほかにも不必要にでっかいバッジをつける職業がある。裁判所で便利とか何とか抗弁するのだろうが、たいしたメリットはない。バーに飲みに行く時だけつける弁護士もいる。

(10:55)

2006年01月26日

ライブドアでは監査役の弁護士が監査法人に「適法」とする意見書を書いていたそうだ。また、社長逮捕の場合に取締役会の定足数が満たされたいなかったが、死亡の場合と同視して適法に定足数を満たしたいると弁護士が意見を出していたそうだ。これらの人はどうなるのだろう。

今回の事件で監査役、会計基準、弁護士の責任が問題にされていくと思われます。ウォールストリート・ジャーナルによると、エンロンやワールドコム事件の後には、徹底的な会計基準の改善が迅速に行われたが、日本でも会計基準のアップ・グレードが必要と指摘している。この事件を契機に証券取引等監視委員会の権限強化や会計基準の強化も迅速になされるかもしれない。ただ、継続開示の費用や手間はかなりのものになっているので、企業の負担も増えることになる。どうなるでしょう。

(19:23)

2006年01月25日

ライブドアの資産で買えるものがないかどうかのリサーチがいろんなところで実際に進んでいる。

それにしても、この問題に関する論点はかなりムチャクチャになってきている。昨年の選挙への批判に利用されたり(今更どうしようもない実益のない議論と思う)、ある新聞では時間外取引を見逃した金融庁や証券取引所の認識の甘さを指摘していたりしている。しかし、例えばライブドアの時間外取引を認めていなければ、ライブドアの時間外取引の直前にフジテレビも時間外取引を利用して株式を買い増していたのであってフジテレビも困ったことになっていた。問題提起と称して適当なことを書くと一見、まともでかっこよく見えるが、ポイントが外れている。むしろ上場会社でのコーポレートガバナンスとして社外取締役などの第三者的な見張り役の機能がうまくいかないことや情報開示の充実などが議論されるべきことのように思われる。

(17:11)

2006年01月24日

ホリエモン逮捕を報道する各局のアナウンサー達はどことなく楽しそうに見える。嫌疑をかけられている問題点よりも被疑者が合コンに参加しているシーンとか内部の集会での映像など、被疑者でない人が当事者であったとしても、恥ずかしくてたまらないような映像を出して被疑者に社会的制裁を与えているように写る。

そういえばかつて被疑者は外国人記者クラブで新聞はなくなるだとか、フジテレビを買収しようとしたりしていたので、既存のマスメディアにとっては反乱軍の大将であり、その大将が大敗した場面は楽しくてしょうがないのだろう。しかし、IT企業による買収が仕掛けられたとき、確か既存メディアは報道の公共性という崇高な理念をぶちまけていたと思うのに、逮捕を有罪判決のように捉えてセンセーショナルに逮捕とその前後の映像を興味をそそるような体裁で報道している。一応被疑者は被告人の前段階であるし、無罪の推定を受けている。裁判で無罪となる可能性もあるのに、このセンセーショナルな報道姿勢と、報道の公共性をまじめな顔をしてのたまわったのとのギャップが面白い。

メディアも株式会社であり、商法上株式会社は利潤の追求が存立の基盤だ。視聴率や発行部数を伸ばさなければ株式会社は破産して出直さなければならない。メディアの公共性と商法上の本質である利潤の追求とのバランスだが、法律上の基礎は利潤の追求であるから、メディアが情緒的でセンセーショナルなのはその本質であることを視聴者や読者は冷静に理解しておく必要がある。とりあえず一般人としてはメディアの本質を当然の前提と理解した上で、一歩引いて、時間を置いてから冷静な情報をゆっくりと見ていくのが良い様に思われます。

(00:02)

2006年01月23日

新聞でもテレビでもライブドアが株式分割等を駆使して虚構の金を作り続けていたストーリーを展開している。インタビューには昨年春に負けた当事者がいかにも嬉しそうに色々言っていた。あのときの恨みを晴らせて本当にすがすがしい顔をしていたし、負けたほうに法律意見書を書いた教授もとっても楽しそうだった。

ライブドアは株式分割を100分割と称して何度かやってきたが、今度はライブドアそのものが分割され解体さてれゆくかもしれない。あまりにも投資家が多いことなども含め、東証も管理ポスト後に整理ポストに入れる時期が何かと難しそうなので、株価が相当安くなったところで第三者が買収すると面白い。営業譲渡で切売りしてゆくかもしれないし、想定外の結果が待っているかもしれないので、ゆっくりと状況を見てゆこうと思う。このブログサイトはどうなるかも楽しみだ。

幕末に土佐藩出身の岡田以蔵が数年の間、人切り以蔵と恐れられ、もてはやされたが最後は斬首されたのをふと思い出した。しかし、岡田以蔵とライブドアの社長を同列に評するのはちょっと酷かもしれない。


(20:30)

2006年01月22日

新聞でもテレビでもライブドアが株式分割等を駆使して虚構の金を作り続けていたストーリーを展開している。インタビューには昨年春に負けた当事者がいかにも嬉しそうに色々言っていた。あのときの恨みを晴らせて本当にすがすがしい顔をしていたし、負けたほうに法律意見書を書いた教授もとっても楽しそうだった。

ライブドアは株式分割を100分割と称して何度かやってきたが、今度はライブドアそのものが分割され解体さてれゆくかもしれない。あまりにも投資家が多いことなども含め、東証も管理ポスト後に整理ポストに入れる時期が何かと難しそうなので、株価が相当安くなったところで第三者が買収すると面白い。営業譲渡で切売りしてゆくかもしれないし、想定外の結果が待っているかもしれないので、ゆっくりと状況を見てゆこうと思う。このブログサイトはどうなるかも楽しみだ。

幕末に土佐藩出身の岡田以蔵が数年の間、人切り以蔵と恐れられ、もてはやされたが最後は斬首されたのをふと思い出した。しかし、岡田以蔵とライブドアの社長を同列に評するのはちょっと酷かもしれない。

(00:08)

2006年01月15日

コーンフレークを買ったらディズニー・マジック・イングリッシュ・オンラインの宣伝用のDVDがおまけでついていた。コンピュータに入れた見てみたが子供には結構面白そうな内容だった。契約するとオンラインで子供が受講できるシステムになっていた。現在はまだコンピュータとテレビが一体化した機種が多くないが、操作が簡単になった一体型の機種ができると、大きな画面でインターネットからダウンロードした教材をテレビ画面で楽しく子供が見ることができるようになるので、コンピュータとテレビの一体型タイプが増えるといいと思う。

ハードウェアも一体化し、番組配信もコンピュータとテレビと双方から取り込めれればいっそう便利になっていい。今後は急展開でハードもソフトも変わってゆきそうなので、ちょっと様子を見てからデジタル用のテレビを買おうと思うし、業界再編もM&Aも含めて楽しみだ。

(22:57)
最近は憲法改正の議論がテレビや新聞に書かれることが多い。皇室典範の改正にも賛否両論がある。女帝や第一子優先の議論に対しては、今まで受け継がれた伝統が破壊されるとの反対論がある。ただ、伝統を重視するのであれば、女性が平等に天皇になる制度は受け入れられることは考えにくい。冷静に考えれば、女性の人権がまともに認められるようになったのは第二次大戦後のことであり、それ以前の人間の歴史と伝統を重視すれば女性天皇は認められるはずはないからだ。伝統を重視するということは、女性は前面にでるな、ということにならざるを得ない。

憲法改正と言えば、大抵自衛隊や戦争の話になり、新しい人権の話などはあまり新聞は書かない。様々な議論をテレビで見ていると世代の違いをものすごく感じる。中曽根元首相の前文などは、若い世代から見ると、「あっちゃー、今更何をごちゃごちゃ唖然とする精神論をぶちまけているのか」と違和感を感じる。舛添さんも大変だね。

「人間を大切にする」という人権論に立脚すると、苦しんでいるのが日本人だろうと外国人だろうと救出するのが筋で、必要があれば自衛隊の派遣も合理的だ。そもそも国内の治安維持の為に警察官はピストルをもっているのに、国内より更に治安の悪い公海や外国の内乱地帯の治安維持に軍事力を持って行ってはいけない、というのは常識的な発想ではない。また、自国や外国の主権を尊重するという考え方は、そもそも人権論と緊張関係にある。団体としての主権を守るために、内部の個人の人権を犠牲にするのは、団体を優位に、人権を劣位においている。そもそも主権と言う概念は中世ヨーロッパで権力を強化しようとする国王が神聖ローマ帝国や法王の権力介入を阻止し、自分のわがままを貫き通すために編み出された道具理論だ。これに対しては違う主権概念を持ち出して議論をして議論がかみ合わないことが多い。主権概念は多義的で、大学院生が「主権」を研究対象として選択すると大抵玉砕する。それぞれの時代環境の中で、主張する当事者の立場を擁護するために様々な主権概念が展開されたからだ。このような道具として利用されてきた主権概念をあまりに崇高なものとして設定するのは大いに疑問で、現代社会では「自治」程度の意味合いに緩めて使うのがグローバル社会ではいい。ただ、もう少し国家間の経済的な結びつきや人・情報の流通が世界のどんなところでも容易になっている環境ができることが前提となる。

まあ、いずれにせよ、イデオロギー的な主張ではなく結果の妥当性から逆算して選択された機能的で冷静な主張が多くなればいいと思う。

(17:16)

2006年01月13日

銀行業務や証券業務ではコンプライアンス体制の確立が重要になっており、金融法務事情やその他の雑誌で様々な論点が紹介されたりしている。日本の会社がアメリカの会社に出資するケースに関してちょっとリサーチをしたが、アメリカではオンラインで銀行業等に従事している人向けの為のコンプライアンス情報サイトが結構あった。BankersOnline.comや Banker's Academyのサイトがその例だが、コンプライアンスに関する教育教材やオンライン・サービスの提供など、規制の細かい分野ではこのような周辺ビジネスが成り立っているようだ。

(16:03)
外国投資法人に関する届出(投資信託及び投資法人に関する法律220条)を定期的にやっている。作成方法は英文のOffering Memorundumのなかから法律上要求される情報を抜き出してまとめるというものだが、原文が英語なので、まず英語で抜き出してから日本語にかえてゆくことにならざるを得ない。また、届出書の提出直前に変更が入り、例えば法人債がクラスA、クラスB、クラスCまでしかなかったのがクラスD、クラスE、クラスFといった具合に倍増してしまうこともよくあって、翻訳の必要もあるので大変なことになる。

更に、発行者がケイマンなどの外国のエンティティーなので、添付書類の定款や法律意見書なども英文だが、翻訳をつけなければならないので大変な作業になる。ケイマンの会社の定款を翻訳したことがあるが、大変な時間と労力が必要だった。ただ、一度できれば次回からは修正するだけで対応できることが多いし翻訳会社も上手な会社が多くなっている。

それにしても、国際化したこの世の中で、添付書類ぐらい英文での提出を許容するべきではないか。杓子定規に重要度の低いものまで何でもかんでも翻訳を要求すると、クロージングが翻訳の為に伸びることもあり得るし費用も馬鹿高くなるので、金融庁も柔軟になるべきだと思う。


(12:36)
日本でも、法律の出版社系列の会社などが、「判例秘書」などの法律関連のリサーチ商品やウェッブ・サイトでのサービスをやっているが、LexisNexisやWestlawも日本に進出しており、時折、外資系の法律事務所にLexisNexisやWestlawの人が来てプレゼンテーションをやってまわっている。外国人向けのプレゼンテーションなのでわざわざ香港から弁護士資格をもった人が来て説明をして帰る。Westlawの香港から来る人はいつも、ちょっとホモっぽいひとで面白い。

米国でM&Aの案件をやる場合はSECのウエッブ・サイトだけでなく、LIVEDGAR, 10KWizard, DealLawyers.comなどもよく使い、事務所で加入契約をして各自にパスワード等が与えられる。有料なので、使うときは、クライアントとマターの番号を打ち込んでからリサーチを始め、使用料を集計して後日クライアントに請求するシステムになっている。様々なサンプル書式も購入可能でそれぞれ便利なサイトだが個人で加入するには料金負担が重すぎて躊躇してしまう。M&Aで便利なのはDealLawyers.comで、以下のような紹介がウェッブ・サイトに載っている。

DealLawyers.com is an educational service that provides practical guidance on legal issues involving public and private mergers and acquisitions, joint ventures, private equity, restructurings – and anything else that acquisitive minds want to know.


(12:00)

2006年01月11日

アメリカのクライアントから、合併における会計処理方法としてのパーチェス法と持分プーリング法についての質問があったので、レポートを作ることになった。パーチェス法とは、被結合企業の資産・負債を時価で引き継ぐとともに、その取得原価を、対価として交付する現金および株式等の公正価値とする会計処理方法だ。それに対して、持分プーリング法とは、すべての結合当事企業の資産、負債および資本を、それぞれの適切な帳簿価額で引き継ぐ会計処理方法である。商法上重視されるのは資本充実の原則から時価以下主義であったが、純資産の増加についてはそれ以外特に規制がなかったので、純資産が時価以下でありさえすれば、一部を時価で、一部を帳簿価格で受け入れるという恣意的な会計処理が可能であるとの批判があった。そこで、企業結合を経済的実態に即して確認できるように、新しい首尾一貫した会計基準として企業結合会計を設定し、それが平成18年(2006年)4月1日開始事業年度から適用されることになっている。アメリカ人のクライアントの発想では当然パーチェス法が一般的と思っていたようなので、一定の要件で採用が可能な持分プーリング法を説明しなければならなかった。

弁護士になるにせよ会社の経営者になるにせよ、社会で活動してゆく場合、ある程度の法律・会計・税務の知識は不可欠だ。最近では分かりやすい解説書も多いので、大学生やロースクール時代に一通り読んでおく必要があると思う。イメージをつかむ為に小説仕立てにした法律、会計の本も多くなっているのでそのようなとっつきやすいものから読んでゆくのがいいのかもしれない。


(15:51)

2006年01月09日

昨年末から今年にかけて、新聞ではメディアとインターネットの融合に関する記事が多かった。USENでも無料番組配信をはじめており、昨日は沈黙の聖戦とかいう映画を見てみたが、PCとテレビの垣根が崩れていくのをひしひしと感じた。アメリカでは大手ではない個人の作った番組で公序良俗に反しないものを配信するサービスがはじまったそうだ。かつて芦部のぶよし教授の憲法の教科書の中で現代社会の現状として「情報の送り手と受け手が分離している」といった説明があったが、ここ数年、コンピュータのブロードバンド化のおかげで状況が大きく様変わりしつつある。「マスメディアからマイメディアへ」というそうだ。個人が情報配信をしやくすなると、例えば外国の人が英語で番組を流すと日本語の字幕がつかないことになるので、英語を理解できるほうが情報収集の面で圧倒的に有利になる。情報を持つものと持たざるものとの格差が広がり、持つものが圧倒的に有利なのは明らかだから、英語の習得は今にもまして重要になるかもしれない。

(22:24)