2006年06月

2006年06月30日

昨日、私の所属する法律事務所で、日本事務所で働く人たちがより自分の事務所を理解するためにわざわざニューヨークからアドミニストレーションを担当する人たちが3人も来てレクチャーをした。日本事務所で働く人たち全員が自分の事務所のことをより理解するために、事務所設立の歴史などをいろいろ喋っていったが、そのためだけにわざわざニューヨークから3人も来るなんてなんともリッチな話だ。その3人はニューヨークのオフィスで働きだしてから25年前後経っているベテランの人たちだった。事務所に所属する弁護士の数は1,700から1,800人で、サイズ的に一番大きいわけではないけれどもニューヨーク事務所のカラーを世界の他の事務所でも維持し、仕事の内容・方法等を全事務所で統一するために外国の既存の法律事務所と合併したりすることはないそうだ。企業活動が全世界に及ぶようになっているので、クライアントがニューヨークで受けたサービスが他の国の支社では受けられなかったり、雰囲気があまりに違いすぎることのないようにとの趣旨で合併する手段はとらないそうだ。そしてどこの国でも有能であれば人種、性別、その他の性向に関わらず採用しオープンな雰囲気を維持しているとのこと。そんなこともあってか、結構ゲイやレズが多いということを聞いたことがある。合併を手段とせずにここまで大きくなったのは結構珍しいほうだと思う。レクチャーの最後には事務所のロゴの入ったカバンや文房具類をお土産にもらった。こうゆうお土産類はよくロースクールの学生にも配って、いい人材確保のための宣伝活動の一環としていたりする。

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(10:13)

2006年06月29日

日本の大手律事務所では入所して数年するとアメリカのロースクール(LL.M)に留学して、その後アメリカの法律事務所に1年くらい出向させてくれるところが多い。日本にある外資系の法律事務所では場合によるが、大体において実務経験がありニューヨーク・バーもすでに通っているひとを引き抜くことが多かった。私のいるアメリカの法律事務所も例外ではなかったが、最近は事務所を拡大するため人材をひきつける必要があるからか、日本の大手法律事務所のように若手アソシエートに留学のチャンスを与えるようになった。事実、事務所のある弁護士は明日を仕事の最後の日として、7月からアメリカに行くことになっている。留学する弁護士は人生のモラトリアムを謳歌しようと、うきうきして楽しそうだ。羨ましいかぎりだ。

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(12:21)

2006年06月26日

私の所属する外資系弁護士事務所ではすでに弁護士の採用拡大を行ってきたが、今年の秋には事務所のスペースも広げる計画なので、一層の採用拡大が予定されている。今まではある程度経験のある即戦力となり得る弁護士しか採用してこなかったけれども、最近では非常に若手の弁護士の採用もするようになってきている。また、弁護士の採用のみならずパラリーガルや秘書等も採用を拡大する方向のようで、事務所全体の業容拡大により一層日本の法曹市場への参入を確かなものにする腹づもりのようだ。ロースクールへの進学を考えている人などは1年ぐらいパラリーガルをやって外資系弁護士事務所の実務を垣間見るチャンスが広がると思う。かつてパラリーガルとして一生懸命働いた後にロースクールに進学した人がいたが、その人が辞めるときには、パートナーから「弁護士になったら是非うちの事務所に戻って来い!」と声をかけられていた。将来の就職を見据えてパラリーガルを1年やっておくのもいいかもしれない。

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(11:19)

2006年06月23日

金融庁や関東財務局に書類を提出することが多いが、その為に財務省の裏にある第4合同庁舎によく行くことがある。この合同庁舎に入るには、門の脇にある守衛室で氏名や訪問先などを紙に記入してから建物に入る。先日この合同庁舎に赴いたときに、門のそばに立っている年配の警備員の人に英語で何処に行くのか聞かれた。結構年配の警備員なのに最近ではある程度のことを英語で質問できるように訓練されているようだ。金融庁には外国人の訪問も多いので門番の警備員でも少しは英語が話せるようにしよう、ということだと思う。私は半分ガイジンなので日本人に見えなかったらしいが、日本語で丁重に質問に答えると、なんだか安心したような、恥ずかしいような顔をしていた。ただ、むしろ英語でゆっくり話してあげた方が相手に達成感を味わってもらえたかもしれない。どうすればよいかよく迷う。

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(10:22)

2006年06月21日

クライアントの会計年度の区切りの時期に監査法人から弁護士事務所に対して「訴訟事件等に関する確認の件」と題する手紙が出されることが通常だ。そのクライアントに関して訴訟事件等があれば書面で報告してほしいという内容だが、締め切り期日をめちゃくちゃすぐに設定してあることが多い。日本の弁護士事務所だったら担当弁護士がちょっと確認してすぐに返事を出すことが多いので何とかなる場合が多いのかもしれないけれど、外国法事務弁護士事務所だと、外国の事務所の弁護士も関わっていることが通常なので、確認が取れるまでに時差の違いもあり時間がかかる。こういったオーディット・レターを担当する公認会計士は通常は新人のようなので、あまり事情を理解する能力がない。しかもせっかく送ったオーディット・レターを公認会計士になくされたこともある。もっと時間の余裕をとってしっかりやってくれよと苛立つこともしばしばある。面白くもない手続きなのでこんなものに時間をとられたくないのが本心ですね。

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(10:40)

2006年06月19日

村上ファンドは結局、話題づくりをした上で鞘抜きをしていたが、最近日本に進出してきたコールバーグ・クラビス・ロバーツ・アンド・カンパニーLP(通称KKR)は単なる鞘抜き屋さんではないというようなことが新聞に書いてあったと思う。KKRは、1976年に創業されて、マネジメント・バイアウトを専門とする世界で最も古く経験豊富なパブリック及びプライベート・エクイティへの投資企業であり、ニューヨーク、ロンドン及びメンローパークに事務所を置いているそうだ。KKRによると今後は再生型ではなく発展型の買収を手がけるとか。また、KKRには買収だけでなく様々な資産運用会社がある。

例えば、KKRフィナンシャル・アドバイザーズII, LLCはCLOの運用を行っているそうだが、その会社は、デラウェア州有限責任会社であるKKRフィナンシャルLLC(以下「KFL」)(KKRとKFLの創業者により所有されている)の完全所有子会社として2005年1月に設立されたそうだ。また、KFLは、債務及びプライベート・エクイティへの投資の管理を目的に2004年に設立された会社だそうだ。KFLは、関連会社を通じて、KKRフィナンシャル・コーポレーション(以下「KFN」)との間の契約に基づいて、KFNの資産及び業務の管理に関するサービス及び活動(全ての投資決定の実行を含む)を行っていたりする。KFNは、レバレッジを用いて複数の資産クラス((i)住宅用モーゲージ及びモーゲージ証券、(ii)法人ローン及び債務証券、(iii)商用不動産ローン及び債務証券、(iv)資産担保証券、(v)エクイティ証券等)に投資するファイナンス会社だそうだ。KFNは、2004年にメリーランド州で設立され営業を開始したそうで、その株式は、ニューヨーク証券取引所において「KFN」の株式略称で売買されているとのこと。インベストメント・エンティティーとマネジメント・エンティティーが複雑に絡み合っているようです。とにかく、村上ファンドとは規模と格が違うみたいです。

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(11:43)

2006年06月16日

投資顧問業といえば村上ファンドが日本での投資顧問業を廃業してシンガポールにいってしまったが、最近では外国会社でファンドを管理する会社が日本に支店を設立して投資顧問業の登録をする例が増えているようだ。投資顧問業は顧客の投資判断の助言をするビジネスだが、これだけにとどまらず、ゆくゆくは投資一任の認可を取得することを予定しているのがほとんどだ。日本でのアセット・マネジメントビジネスは今後より盛んになる、とのもくろみのようだ。最近はじゅうたん爆撃のように金融庁等の検査が片っ端から行われているが、最初からコンプライアンスをしっかりしておけば特に怖いものではなく、今後アセット・マネジメントビジネスがある程度盛んになるのは間違いないと考える人が多い。

ところで投資顧問業の登録申請には取締役の履歴書を添付しなければならない。あるアメリカのファンド系の会社の取締役の履歴を見ていて気づいたのだが、アメリカの弁護士が弁護士としてしばらく働いた後、投資ファンドに転職して働いていたようだ。アメリカでは法曹人口が日本に比べて非常に多いので、弁護士資格を取ったからといって一生弁護士をやろうと考えている人ばかりではなく、さまざまな業種に移っていっていたりする。日本も法曹人口が増大すると、投資銀行やファンドに移ってゆく人も今以上に多く出るのではないでしょうか。逆に、私のいる事務所には、アメリカ人弁護士ではあるが、法律とは関係のない仕事をゴールドマン・サックスでやった後になって法律事務所に転職してきた人がいる。色々ですね。

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(12:44)

2006年06月14日

日本に比べるとアメリカは仕事の仕方などがアグレッシブだとよく言われるのを耳にする。同じ職場の中でも同僚の仕事を奪い取ったりして「自分以外は全員敵」といった感じだとの指摘があったり、事実そんなこともあるのだろう。ただ、実際にはアメリカと名が付けば全てそういうわけではなく、社風、業種、各人の性格によって千差万別であり、ひとつのカテゴリーに押し込むことは難しいと思う。そうであるにもかかわらず、アメリカ系の会社で働くアメリカで勉強した生粋の日本人の中には、アグレッシブにすることがアメリカ流の「正しい」やり方であると盲目的に信じ込み、不必要にアグレッシブな態度をとる近寄りがたい人がいたりする。こんな人に限って自己中心的に無意味に日曜日にミーティングをしようとすることもある。こういう人には、具体的状況下では臨機応変に別の手段をとるべき、と理論的に説明しても宗教のように信じきっているので道理が通じない。まるで、ダヴィンチ・コードに出てくるシラスのような感じだ。だだ、会社側から見ればどんな手段であれ収益につながればいいのだからどっちでもいいのかもしれない。しかし、こんな人が収益も生まない場合はみんなに八つ裂きにされることになるかもしれない。

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(10:14)

2006年06月12日

弁護士費用は、通常、大手の法律事務所では弁護士の働いた時間単位で請求金額を決める。例えば、パートナーだと1時間600ドルという具合にレートを定めて、それに実際に仕事をした時間をかけることになる。請求書には関わった弁護士のレートと仕事にかかった時間を記載し、その明細としてかかった時間に何をしたのかを、入力した時間ごとに書いておく。請求書にこのような記載をする必要上、多くの事務所では、弁護士やパラリーガルが何時に事務所に来て、何時から何時までは何をしたかという記録を帰る時間まで整合的に記録をつけておく。この作業は非常に面倒くさく、プレッシャーにもなる。経営者サイドの視点からすると、働いている人がサボりにくくなるのでいいようだ。クライアントの中には、請求書の仕事内容の明細を見ていろいろ文句を言って請求金額を値切ってくる場合もある。入札のためのデューデリをした場合に、クライアントがその入札で負けてしまうと、弁護士費用や会計士の費用は全てキャッシュフローにつながらない費用になるので、ずいぶんと値切ってくるクライアントもいるようだ。

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(16:30)

2006年06月10日

金曜日に久しぶりに財務省の裏にある合同第四庁舎内の証券閲覧室に行った。かつては大量保有報告書はEDINETで見れなかったのでここに来て資料をよく集めた。しかし、今では多くの資料がEDINETで見れるし、PDFでのダウンロードも出来るようになったので、証券閲覧室に行くことはめったになくなった。私のいる事務所ではコンピュータのセキュリティーが厳重すぎるためか、よくEDINETが文字化けしたり様々なトラブルが発生することがあり、先週も問題があったので、わざわざ証券閲覧室に行った。久しぶりに行ってみると、だれも閲覧室にはいなかった。ライブドア・日本放送事件のときにはごった返していたのに、全くひとがおらずガラーンとしていい感じだった。

(16:22)

2006年06月07日

先日、優先株を発行して20億円程度のエクイティー・ファイナンスをする一連の手続きをした。新会社法施行に伴う定款変更もあわせて行い、発行して増資する分について登記の申請手続きをした。20億円すべてを資本増加とすると大変な登録免許税となってしまうので、半分を準備金に組み入れることにした。しかしそれでも資本増加分を課税標準として1000分の7をかけた金額が登録免許税となる。10億円の資本増加だと700万円の登録免許税となるし、仮に20億円全部資本に組み入れていたら1400万円の登録免許税となる。登記だけのためにこんなに税金がかかるなんてあまり考えていなかった。それに種類株に関する記載を登記簿に載せる記載方法を登記所と事前に相談したが、すぐに決まらずに本庁に相談内容があげられてしまい、結構面倒な手続きだった。

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(12:22)
タバコ大国日本にもようやく常識的な規制がちょっとだけ増えてきたようだ。JR東が新幹線と特急電車の車内を全面禁煙にするそうだ。いままで喫煙車を通り抜けるときはまるで毒ガスエリアを通り抜けるようだったし、タバコ臭さが隣の車両にも流れてきていたので当然の禁止措置だと思う。そもそもタバコは周りにいる人たちを不快にさせながら自分だけリラックスする類の代物なので、吸うなら周りに全く人がいないか、伏流煙も含めて煙を全部飲み込むなら吸うのも許容されてもいいかも知れない。それがムリなら、他人の健康を害し、不快にさせながら自分だけいい気持ちになるなんて、常識的な道徳観念に照らして許されるはずがない。日本たばこ産業は「真に遺憾」とのコメントを発表したそうだが、将来、なにかしらの方法で訴訟を起こしてみたい。

タバコとリーガルマインド




(10:53)

2006年06月04日

世界各地でダヴィンチ・コードが公開されて議論を呼んでいる地域もあると新聞に書いてあった。日本では、世界史で大学受験をしている場合、300年から400年にかけてコンスタンティヌス帝がミラノ勅令を出してキリスト教を公認したあと、キリストの神性を否定するアリウス派とキリストを神の子とするアタナシウス派の神学上対立を二ケーアの公会議で解決し、異端とされたアリウス派は北方のゲルマンの間に広まったことは誰でも勉強して知っているはずだ。その後もキリストの人間としての位置を認めるネストリウス派もエフェソスの公会議で異端とされ東に伝わって唐代には景教と呼ばれていたことは客観的事実として勉強している。日本は西洋の立場から見た世界史観を一般的に採用していると思われるが、キリスト教については結構あっさり客観的事実をしっかり教えているのはいいところだと思う。欧米のキリスト教国ではキリスト教の発達の客観的事実は教えにくいのであまり教えていないのかもしれない。
原始キリスト教は全信者平等の精神で人の心を救おうとしたようなので、憲法13条や14条の個人の尊厳を確保し平等に個人を扱う精神に通じるものがありそうなので個人的には気に入っている。ただ宗教として組織が固まってゆき布教をしなければならない場合にはその手段として教義を作りそれを統一する現実的(・政治的)必要があるのだろう。そうだとすると「教義」は人の心を救うという目的達成の為の手段なのだから、具体的状況によってはそんなに細かいことに神経質にならなくてもいいような気がする。教義を理由に他人を傷つけるようなことは本末転倒な結果だろう。こんな風に考えられれば宗派の違いだけでなく宗教の違いにも寛容になれるのではないかと思う。よく西洋かぶれした日本人が、「日本人はクリスマスに教会に行き、正月には寺や神社に行くけど、これって変だよね」なんて自嘲することがあるけれども、むしろそんな宗教的な寛容さは誇りに思って外国に考え方を輸出すべきではないかとも思う。
ところで、コンスタンティヌス帝はキリスト教を政治的理由からにせよ統一しただけでなく、ローマ法の編纂も行っており大陸法系等に大きな影響を与えたパワフルな人物だったようです。現代にも影響を与えているし、西ローマ領をも回復したようだし、すごいですね。


(23:31)