2006年10月

2006年10月31日

先週、事情があって木更津にある国際暁星学園の田川茂校長に会いに行った。田川校長は九段下にある暁星学園の校長を私が幼稚園から小学校にいる間に勤めておられて、その後田川校長は国際暁星を設立して木更津に移っていった。九段の暁星と木更津の国際暁星はその後いろいろもめて、結局別個の法人格として分かれていったが、九段の暁星は今までの伝統を重んじ、他方、田川校長の木更津国際暁星は新しいアイディアを積極的に取り入れていった。革新的なアイディアは田川校長の個人的性格に由来するもので、新しい考えを積極的に取り入れて教育改革を推し進める、神父とは思えないバイタリティーと行動力は、他方でそのような改革を快く思わない一部のOBからの批判を買ったり雑誌でいろいろ叩かれたりしていた。ほとんどが根拠薄弱な扇動的な記事であり、「改革者」が多くの場合受けるバッシングと同様の性質のものだったと思う。田川校長は80歳をこえた今でも、相変わらず昔どおりのパワフルさを保っておられた。そして新しい教育の試みとして文部科学省とともに、時間割を設定しない学校教育部門を導入してみたりしていて非常に面白かった。神父として、私利私欲を追求することなく、他人のために一生懸命いろいろやってみる態度には本当に脱帽する。

ロンデート


(18:12)

2006年10月23日

親戚の会社で労働紛争が勃発している。いろいろアドバイスしていたが、最終的には労働審判を申し立てた。私も何とか理由をくっつけて審判に出席することが出来て面白かった。非常に優しそうな裁判官が真ん中にいて労働審判員が左右に1人づつすわり、ラウンドテーブルに座って議論を始めることになった。最初、私の親戚側の労働契約の不備をギャーギャー2人の労働審判員が指摘して非難しまくった。確かに不備だらけの契約書であったが、だからと言って賃金債権が存在する根拠にはつながらないとしか言わざるを得ない事項だった。後で考えてみると、2人の労働審判員は適当に攻め立てられる事項を取り上げてギャーギャー騒ぎ、相手方をギューと心理的に圧迫した上で和解に持ってゆきやすいようにがんばっていたようだった。かなり政治的な誘導で論理的ではなかったが、労使間の問題はきっぱり割り切ることが難しい事柄が多いので、普通よりもより和解でまとまると裁判官も楽なのであろうと思った。

ロンデート

(17:44)

2006年10月17日

さて、現在はロンデート株式会社という有料職業紹介事業・人材派遣事業の会社をスタートするに至ったわけだけれども、会社設立準備等の開業準備でいろいろ面白い体験をした。例えば、会社設立するに際し、消費税を2年間払わなくて良い設計をすることにした。法人は原則として消費税の納税義務者となるが、当期の前々事業年度(基準期間)の課税売上げが1,000万円以下の法人は当期の消費税の納税が免除される。つまり、当期が課税事業者か免税事業者かの判定は、当期の課税売上で判定するのではなく、2期前の課税売上で判定するということになる。そうだとすると、新規に設立した法人は2期前の課税売上はないので消費税の納税義務が免除されることになる。しかし、事業年度開始の日における資本金が1,000万円以上の法人については、消費税法で上記の基本原則を曲げて税収確保の為に消費税の納税義務を免除しないこととしている。

そこで、当初会社を設立する場合は資本金1,000万円以下の有限会社を作っておけば消費税の免税事業者になり、「株式会社」という名称を使いたければ会社法施行後に株式会社に商号変更してやればいいことになる。但し、そうすると人材派遣業の許可を取得する段階で問題が発生する。というのは、人材派遣業の許可基準として会社財産に1,000万円ないといけないことになっているからである。そこで考えたのは、有限会社の出資1口の金額を5万円としておきながら、払込金額を、払込剰余金1万円を加えた6万円とし、資本金900万円、資本準備金180万円として資本金は1,000万円以下として消費税の免税事業者としておきながら人材派遣業の許可基準を満たすようにした。

結果的にすべて思い通りになったのだけれども、会社設立段階で登記所の相談で、上記のような有限会社のプレミアム出資のような先例はないから無理だといわれ最初からつまずいた。しかし、条文を確かめても禁止されなければならない合理的理由は見出されなかったので、江頭教授の教科書と条文を示しながら登記所をねじ伏せた。また、人材派遣業の許可の窓口である東京都の労働局も、そんな設計の先例はなく、条文上の要求ではないが資本金は1,000万円にしろ!といって拒否されたので、これまた理論的根拠を示しながら順次、ねじ伏せて回った。東京都労働局との交渉で特に感じたのだけれども、官僚という人たちは、先例がなくイレギュラーなケースをなるべく門前払いにして自分の責任にならないようにしている。特に東京都労働局のような下部の末端の官僚の知識レベルは低く、杓子定規な思考回路に徹していた。東京都労働局の官僚は私の理論的説得工作に音をあげて、上部の担当行政機関である厚生労働省と直接交渉するよう言ってきた。厚生労働省の官僚はさすが上級官僚だけあって、私の理論構成を理解する能力はあったが、なにやらいろいろ条件をつけてきたが、結局折れた。

この過程で、官僚の思考回路を今まで以上に理解することができて面白かった。

ロンデート


(13:47)

2006年10月11日

現在、英国を代表する大手法律事務所の日本支社でリーガル・セクリタリーを急募しています。募集条件は以下のとおりです。

A leading UK law firm is looking for a legal secretary for its Tokyo office. The ideal candidate will have at least 3 years experience as a secretary or PA (preferably experience of working in law firms). Also, preferably, the candidate will meet the following requirements:
- Good typing skills - at least 65wpm. Ability to do audio typing is advantageous
- Business level oral and written English and Japanese language skills
- Effective teamwork and high desire to contribute and to learn
- Effective communication skills
- Being able to work pro-actively and under time pressure
- Being able to undertake a variety of work
- Being able to approach problems in a logical, organised manner and find effective solutions
- Flexible attitude and openness to change
Key responsibilities include: producing documents, effective filing of documents, diary and telephone management, maintaining accurate client information, filing systems, billing administration, scheduling and making meeting and travel arrangements as well as supporting other administrative team members.

If you are interested in the position, please send your resume to:
info@londate.co.jp
or visit

ロンデート
. Thank you.


(18:08)

2006年10月05日

こんなにいい体験をさせてもらったのでちょっとスキャデンには長居をしてしまった。本当は、実務を垣間見ながらロースクールに行って弁護士になることを考えていたのだけれども、あさひ狛法律事務所とスキャデン・アープス外国法事務弁護士事務所で様々な実務体験をしているうちに、もともと経済や社会の動きに興味があったこともあって、私の興味の中心は法律そのものから少しずつずれていった。また、経済や社会制度の大きな変革の中で、日本の法律事務所のあり方が変わってゆくのを着実に感じ取ることが出来た。経済は国境を無視して突き進んでゆくように、限度はあるが、日本の法律事務所も世界との結びつきをより強固にして先進国のロー・ファームのように規模の拡大が必要になり、それに伴い様々な変革を迫られることにならざるを得ない。そして、先進国のロー・ファームを取り巻く状況と同じような状況が日本でも起こってゆくのだと思った。アメリカでは法律や法律事務所をターゲットにしたビジネスが盛んであるが、日本でも同じような需要が拡大すると確信した。私自身、あさひ狛法律事務所から転職を考えたときに外資系のヘッドハンティング会社にコンタクトをとっていくつか会社を紹介してもらって面接をしたことがあったが、弁護士のヘッドハンティングに特化した日本の人材紹介会社はアメリカのように多くないと思った。そして個人的な事情だが、私の父が元々人材ビジネスを手がけていたので、特に人材ビジネスに興味を持つようになった。このような私を取巻く状況から次第に、せっかく勉強した法律と法律事務所での実務体験をあわせて利用できるビジネスを自分ではじめられないかと漠然と考えるようになった。全く身近にないことを初めてはじめると失敗する危険があるので、身近な父の人材ビジネスと私の知識・体験を合体させて弁護士のヘッドハンティングとサポートスタッフの人材派遣・紹介事業をはじることにした。実際に実行に移したのは昨年からだったが、有給休暇をちょっとずつとりながら会社設立と有料職業紹介事業・人材派遣業の許可取得手続きをゆっくりはじめていった。片手間に手続きを行ったので、かなり時間がかかってしまったが、一応の目安ができたのでスキャデンを、本年2006年8月をもって退職することにした。そして9月からは開業準備に向けて雑務を行っていたが、ウェッブ・サイト作成にちょっと時間がかかってしまった。とはいえ、簡単なサイトだけれどもやっと出来上がった。

ロンデートへ

このような経緯で当初のロースクール進学という考えから大きくずれて、結局起業をする道を選び動き出すこととなった。ひとまずは以上のような事情のご報告をします。また、新会社のウェッブサイトに何か誤字脱字があったらコメントをいただければ助かります。


(11:39)

2006年10月04日

スキャデンは当初は溜池山王のATTビル本館に入っていた。そのころはまだ組織も今ほど確立していなかったので、世界的に見れば1,700人以上の弁護士がいる世界最高の収益獲得グループなのに非常にアットホームな雰囲気だった。仕事も不動産の証券化の案件が異常な件数あった他は、まだ特にコーポレートサイドは敵対的買収防衛策の採用を日本企業に売り込んだりしている段階で、今ほどM&Aの案件が持ち込まれることはなかった。しかし程なくして次々に新聞紙面を沸かせるようなM&A関連の案件が持ち込まれて事務所全体が沸き立った。公知の案件しか書けないが、それだけでも三井住友フィナンシャル・グループによるUFJグループの買収準備、ライブドアによる日本放送の新株予約権発行の差止め、楽天によるTBSへの統合提案、東芝によるウェスチングハウス社株式取得、トランスコスモスによるウェブクルーの第三者割当増資の差止め、王子製紙による北越製紙への統合提案準備など、日本のM&A時代を象徴するような案件ばかりをすべて集めたような感じだった。なんとも私はラッキーだったと言うほかない。こんなめったにない案件に偶然にもスキャデンにいて実務を垣間見ることができたのは非常に良い体験だった。また、神谷先生のような一流の弁護士の仕事ぶりを拝見させてもらえるチャンスにめぐり合えたのは幸運だった。

(16:16)

2006年10月03日

あさひを辞めてスキャデンに転職することとなったが、あさひではフェアウェルの飲み会をしてくれたりしたので、申し訳ない気分になったが決まった以上進むしかなかった。そしてスキャデンに入ってみて、いろいろ日本の法律事務所と違う点を垣間見ることができたので非常に面白かった。まず小さいことだけれども、日本の法律事務所では弁護士のことを「先生」と呼ぶ。これは実際問題として、名前を忘れても「先生」と言っておけば失礼にならないので結構便利ではあった。けれども、スキャデンでは秘書がパートナーでさえファーストネームで呼んでいた。私は日本の法律事務所にいたので、これに慣れるまでちょっと時間がかかった。メールにパートナーのファーストネームを呼び捨てにして書いていいものか、業務に関係ないところでいろいろ躊躇してしまった。私が入所した当時は日本人の弁護士が少なかったのでファーストネームで呼ぶことは慣れれば問題なかったが、その後、スキャデンの日本事務所の拡大に伴い日本人の弁護士も続々と入ってきたので、その人たちをどのように呼ぶべきかかなり迷った。苗字に先生をつけて呼ぶと、アメリカ人のパートナーはファーストネームで呼び捨てにしていることとのバランス感覚に失する。そうは言っても、日本人の弁護士のファーストネームを呼び捨てにするには、日本に長くいる私としては躊躇を感ぜざるを得ない。結局、落としどころとしては、弁護士を「先生」ではなく「さん」をつけて呼んで、そのときの流れでファーストネームに「さん」をつけたり、苗字に「さん」をつけたりして呼ぶようになった。



(12:04)