2009年04月

2009年04月22日

今回の買収でOracle Corp.の代理人弁護士事務所はLatham & Watkinsのサンフランシスコのコーポレート・チームと、ボストンにあるIPのM&Aを専門とするGTC Law Groupとのことです。以前はDavis Polk & Wardwellが代理していたそうですが、独禁法問題で功績のあったLatham & Watkinsを今回は選んだとのことです。Sun Microsystemsの代理はWilson Sonsini Goodrich & Rosatiです。

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(12:05)

2009年04月15日

インドのハイデラバッドに拠点を有するSatyam Computer Servicesは粉飾決算で最近話題になりましたが、先週Satyamの創業者及び2人のプライスウォーターハウスクーパーズの社外監査役等が偽造及び詐欺の疑いで捜査当局から司法手続きに移されたそうです。そして、Satyamの会社の持分の51%はインドの通信会社であるTech Mahindraが取得することになったと今週Satyamが発表いたしました。

巨額の詐欺事件以降、Satyamのマネジメントはインド政府が引き継いでおり、当該詐欺事件に関することについてSatyamはインドの法律事務所で400人の弁護士を抱えるAmarchand & Mangaldas & Suresh A Shroffを担当事務所としました。さらにSatyamはLatham & Watkinsを代理人弁護士事務所に指名するとともに、アメリカで提起されたクラス・アクションへの対応の為にWachtell Lipton Rosen & Katzを代理人弁護士事務所に指名しました。

一方、Satyamの持分の過半数を取得するTech Mahindraには、そのローカル・カウンセルであるP&A Law Officesと関係の深いJones Dayが今回の持分取得についてのアドバイザーについています。

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(12:42)
クリフォード・チャンスは最近、ロンドンのパートナーとアソシエートをアブダビ・オフィスに移転させる発表をしていましたが、更にロンドンのプライベート・エクイティー専門のパートナーを香港に移転させることを発表しました。このような動きは、マジックサークルの法律事務所のアジア関連の案件が大量に増えてきたことを背景としているそうです。プライベート・エクイティーの分野でも案件が欧州からアジアのプライベート・エクイティー・マーケットにシフトしてきていることから、今回のプライベート・エクイティー専門のパートナーの移転が決定された模様です。

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(11:45)

2009年04月13日

シカゴを拠点とする中規模のChapman and Cutlerという法律事務所は、現在の景気の減速への対処としてさまざまなコスト削減策を実施しています。パートナー会議にこじつけて行なわれるパートナーの一種の事務所旅行の中止、その他の経費削減だけでなく、人員削減及びアソシエートの給与の削減など、可能な手段を実施しています。また、司法試験に合格したばかりのアソシエート1年目の弁護士への給与も16万ドルから14万5千ドルに引き下げる可能性があるそうです。1年目の弁護士への給与は2007年までのバブル景気に比例してニューヨークを中心に16万ドルまで急上昇していました。給与の上昇はアワリー・レートの全体的な上昇につながり、クライアントからは苦情が出されていたこともありました。しかしそれが、急上昇前の金額に戻る可能性が出てきたことになります。

Chapman and Cutlerは経費削減に努めつつも、他方では2月にニューヨーク・オフィスを新たに開設しており、当該オフィスでの採用は継続しているそうです。そして新規採用する弁護士の給与を抑えて、事務所の低コスト構造を達成できれば、クライアントにもより低いアワリー・レートを提供出来ることになる、と目論んでいるようです。

もし、弁護士給与を抑えたストラクチャーに次第に外資系大手法律事務所も構造改革してくると、それがアワリー・レートへも次第に反映されてゆく可能性があります。アメリカでの傾向が日本にも持ち込まれるようになると、場合によっては四大法律事務所等の日本の法律事務所にとっては脅威になる潜在的な可能性があるかもしれません。東京にある外資系法律事務所で働く弁護士には、一昔前と異なりバブル期に四大法律事務所から移籍した優秀な弁護士が多くなってきており、業容も拡大してきたことから法律業務の質は四大法律事務所に負けるものではなく、ただ、フィーが高い点がクライアントに躊躇を感じさせる大きな問題点だったと言えます。しかし、アメリカ本土での給与の減少傾向が一般化した上に円高が定着することになると、四大法律事務所の強いセールスポイントであった安いフィーと外資系法律事務所のフィーの格差が縮まってくる可能性が出てきます。東京の弁護士のアワリーレートは200ドル、300ドル、400ドルといったようにドルで決められている外資系法律事務所も多く、その場合、円高になれば自動的にフィーが減少します。そして、かつてのように円安バブル当時の為替レートに戻ることはない、との意見が多いようです。

世界経済は今後多極化してゆき、日本企業も生き残りをかけてアジア全体で活動する選択肢を選ぶことにもしなったとすると、その企業活動をサポートする法律事務所も世界的なネットワークがあること自体がリーガル・サービスのクオリティーだけでなく重要性を持ってくる可能性があります。外資系法律事務所のコスト改革と円高傾向が定着することになると、フィーの減少による格差の縮小が発生し、世界的なネットワークのない日本の大手法律事務所の競争力が中長期的に下がる可能性もなくはない、かもしれません。今後の動向を見守ってゆくことにいたします。

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(13:56)

2009年04月09日

今週は千鳥ヶ淵の桜が咲き乱れて多くの人でにぎわっていますが、その入り口付近に非常に立派な建物が建築されました。かつてはかなり見栄えの悪かった古い大使館があったのですが、今その大使館の建物が近代的な立派な建物に建て替えられました。この大使館はインド大使館で、その近くにあるムンバイという名前のインド料理レストランはなかなかおいしいので時折昼食をとることがあります。
ところで、ロンドンのシティーではこの不況による急速な需要低下により多くの弁護士事務所で人員削減を進めていますが、そのような傾向を受けて、インド人弁護士でマジックサークル等で就労していたアソシエートがインドに帰る傾向が昨年のリーマンショック前後から発生しているそうです。このトレンドを利用して、インドのKhaitan & Co, Amarchand & Mangaldas and Nishith Desai Associates (NDA)といった法律事務所では、帰国してくる優秀な弁護士を積極的に採用しているそうです。Khaitan & Coはロンドンのフレッシュフィールズでシニア・アソシエートとして働いていた弁護士を獲得しました。インド人弁護士でLL.M.をロンドンで修了すると通常はロンドンの大手法律事務所に就職するそうですが、昨今の経済情勢の悪化を受けて、インド回帰の現象があらわれているそうです。インドの法律事務所も良い人材を獲得できるチャンスと思ってリクルート活動を活発化させており、将来のインドにおけるリーガル市場開放にも何らかの影響を与えるかもしれません。


(16:25)
Linklatersの豊川弁護士がパートナーに昇進することになったと発表がありました。Linklatersはグローバルで人員削減計画を発表し、東京オフィスも影響を大きく受けていると噂されていましたが、そのような状況においても日本人弁護士のパートナーへの昇進が決まったことになります。

ところで、ご存知のように1月から3月にかけてほとんどの外資系法律事務所で人員削減計画の発表が行なわれていますが、基本的にそれは、バブルの絶頂期であったアメリカとイギリスの景気拡大にあわせてイギリスとアメリカのオフィスで過度に人員を増やしすぎてしまった為に、それがあまりにもアンバランスな膨張で、ディール・フローの減少に耐えられなくなったためのようです。考えてみれば、西村あさひをはじめとする四大法律事務所の巨大化も同じ論理なので四大法律事務所も今後の業容の維持にある程度の懸念を感じてはいると思います。そして今までは四大法律事務所ではベルトコンベアーのように留学後の弁護士がパートナーになっていましたが、その傾向にも変化があり、日本の事務所でもパートナーにはなりにくくなるようです。外資系法律事務所ではパートナーへの昇進リストが発表されたりしますが、今年はイギリス・アメリカでの昇進の人数が減少してパートナー昇進をアジア地域等にまんべんなく配分する傾向で、マジックサークルではその傾向が顕著のようです。これは世界経済の流れにも沿う形ではないかと思います。世界経済のけん引役は今後もアメリカを中心とした先進国ではあるものの、少しずつ世界経済の重点がアジアにシフトしてゆく大きな経済の流れは確実であり、今後はある程度経済が多極化してゆくことは間違いないです。企業もそれに対応して生き残りをはかりますから、企業にコバンザメのようにくっつくビジネスモデルである法律事務所も、世界的なネットワークの維持そのものに価値が出てくるといえます。そして外資系法律事務所では簡単に弁護士をクビにすると噂されることもありますが、不況になるとあっというまに切られることが明白であればネットワークの維持は難しくなるのではないかと思いますので、程度の問題ではありますが、簡単にイギリス・アメリカ以外の他の地域の事務所の人員を切りまくることはないでしょう。人員削減を進めるWhite & CaseやLatham & Watkinsのようなところも、アメリカとイギリスで大規模に人員削減を進めつつ、アジア等に新しい事務所の開設も2009年にはすすめると発表していますし、東京でのパートナーの昇進も2009年にありました。要するに、この不況をきっかけに、世界全体のネットワークをバランスよく配分し保つ為のリストラクチャリングを進めている、ということでしょう。弁護士としての実力に自信のある人にとっては、外資系法律事務所を怖がる理由はないように思われます。

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(13:24)