2009年12月

2009年12月16日

世界経済の大きな流れがリーマンショック前後から変化し、経済の重点はある程度アジアにシフトすると多くの経済学者が主張するようになり、その認識はグローバルでの共通認識に現在ではなっています。サブプライム問題をきっかけにアメリカが没落すると高笑いした一部の人もいましたが、2000年以降の日本経済の一部回復はアメリカへの輸出に依存したものだったので、今回の危機の影響を一番深刻に受けたのは結局日本でした。アメリカやヨーロッパ経済の状況を心配している場合ではないとも言えます。1990年代からの日本の不況は、日本経済が成熟段階に達した上に人口が減少したために需要が増えないことに原因があります。既に日本の人々は生活に必要な便利な製品はひととおり持っており、買い替え需要しか基本的にないのに対して、製品の供給能力が高すぎる状況にあります。1990年代から続く需給のデフレギャップは、人口減少が続く以上、現状のままだと基本的に続くと考えられますしグローバル経済による要素価格の均等化などから、金融政策による流動性ジャブジャブ政策によってもインフレは発生しないかもしれません。「成長」することが制度の前提条件である上場制度を利用してしまっている企業にとっての生き残りは、中産階級が育ってくる国外の地域をターゲットにする必要があるといわれています。他方、縮小均衡してくる国内市場は、政府も重要な役割を担いながらうまくマネッジする必要があります。日本は今回の世界経済の変化の流れの中で非常に難しい位置にあるといわれています。他国よりも増して、衰退産業を整理するM&Aは必要であり、ミクロ的に衰退産業から人材不足の産業への雇用のシフトは不可避です。ジリ貧で死に絶えることを避ける為の荒治療としては、公的な雇用シフトの為のセーフティーネットと補助制度を確立させる代わりに、ワイマール憲法時代の発想の労働基本権を憲法的に見直すことも必要かもしれません。また、企業は倒産する可能性が高いことを前提とした社会保障制度への変更なども考えなければいけないかもしれません。

今回のサブプライムローンの影響をあまり受けていない上場企業等でキャッシュリッチな企業にとっては、海外の市場を取り込んで行く必要がある場合、現在の円高は有利といわれています。アジア地域への進出だけでなく、日本と大きく異なって人口が増大しているアメリカ市場の確保もチャンスといわれています。アメリカは1年で日本の地方都市数個分の人口増加があるそうであり、今後の経済回復の速度はゆったりとしたものであっても、日本と大きく違う人口要素があるので侮れない強みがあります。その点、現在の日本はこのままだと本当に難しい状態になってしまうと指摘されています。

アメリカはバブル期のM&Aブームによって多くの企業の有利子負債比率は高くなっており、そのような企業が不況の影響から倒産を申請する件数が急増しているそうです。これから12月末にかけて更に倒産法申請件数が増える可能性もあり、自己資金でM&Aをファイナンスできる日本の事業会社にとってはアメリカ市場を確保できるチャンスのようです。その場合、米国倒産法の363セールを使えば必要な資産のみを担保権等の負担のない状態で取得できるので、倒産企業の優良事業のみをリスクを低減させた状態で取得できることになります。ここ数年の間であれば買収ファンドが資金調達が困難なので、ストーキングホースに選定されやすい環境といえ、デューデリの時間も確保でき、ブレーク・アップ・フィーの設定などによってリスクを低減できる可能性があります。

日本企業の海外展開では再建型M&A後の統合効果の最大化が重要ですが、人事マネジメントが悩みだということもあります。が、日本企業の方も世界市場をターゲットに多国籍化してゆくのであれば、今までの人事マネジメントを見直す必要もあると指摘されています。一般的な風土として日本人は外国人と同じ目線で付き合うことが下手といわれることもあり、同じ目線で外国人を使える人材の育成が重要のようです。日本企業も市場の多国籍化だけでなく企業内部の多国籍化が成長を中長期的に考えるのであれば必要と思われます。日本板硝子の社長辞任劇は面白い事例なので実際のところの事情をもっと事例研究できたら面白そうです。

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