2010年06月

2010年06月21日

Londate の事務所のある市ヶ谷にインテリジェンスのビルがありましたが、最近になって中央大学の会計関連の大学院のビルに変わっていました。KKRがインテリジェンスをUSENから買収したニュースを後で見て、成程そうゆうわけか、と思いました。人材ビジネスは景気動向に左右されると指摘されますが、今後の投資結果が楽しみです。民主党以外は人材の流動化の必要が人口減少経済の日本では必要と指摘し始めていますので、長期的にはインテリジェンスの将来性もあるということでしょうか。

最近は外資系法律事務所の合併話がよく聞かれます。5月に合併したHogan Lovellsの後にも、イギリスのDenton Wilde Sapte と米国のSonnenschein Nath & Rosenthal の合併が進むようですし、イギリスのSimons & Simonsと米国のMayer Brownの合併協議が始まったそうです。準トップランクの法律事務所では経済情勢から再編を進めて生き残り戦略を考えるのでしょうか。Simons & Simonsの東京オフィスはTMIの軒を借りて事務所を構えていますので(軒ベンならぬ軒事務所?)、今後の進展が楽しみなところです。

米国やその他の先進国の経済が少しずつ回復してゆくとの見解が多いので、回復の波に乗って業績を回復したい企業のグローバル展開に関するディールを、上記のようにネットワークを拡充した法律事務所が拾って行けるといいのかもしれません。ただちょっと個人的に気がかりなのは、欧州の混乱よりは米国のファニーメイやフレディマックの業績のほうです。住宅購入減税も4月末で打ち切りになりましたが、持続的な市場の回復が実現したとはいえない状況ですので、業績が悪化する危険があります。日本でも竹中大臣が不良債権処理を強力に推し進めた為に金融システムが安定化しましたが、米国の不良債権処理が必要な分量おこなわれた状況にはまだ達していないそうなので、ファニーメイとフレディマックの業績悪化は金融システムを再度不安定にして株価の全体相場の下落につながる危険もありうるとの指摘もあります。経済が回復し企業が回復しなければ法律事務所のディールも回復が遅れる危険があり、その場合の対処を迫られることにもなりかねません。22日(火)には米国の5月の中古住宅販売についての発表があり、23日(水)には米国の5月の新築住宅販売件数が発表されますのでどのような値が出てくるのかが心配です。取り越し苦労であればいいですね。



(15:03)

2010年06月09日

先日の日経ヴェリタスにタカラレーベンのライツ・イシューについて記事が書いてありました。新株予約権を株主に無償割当てする方法での直接金融ですが、イギリスを中心とする欧州、アジア全般、アフリカ、南米、オセアニア等の北米以外の世界中の地域で利用されている方法だそうです。タカラレーベンが日本の第一号案件だそうですが、韓国やインドネシアでは既にこの方法で資金調達が行なわれたりしているそうです。日本では銀行からの間接金融やデッドの発行は多いですが資本政策については既存株主の持ち株比率の希薄化や経済的損失の発生などの問題点が多い手段が利用されてきており、ライツ・イシューが使い勝手が良くなれば利用度もあがるかもしれないそうです。世界経済及び日本経済が混乱しているので、企業としては資本を厚くする選択肢をとることには合理性がありますが、第三者割当増資だと既存株主の持ち株比率の希薄化や引き受け手が無いから第三者割当増資の手段をとったと見られると株価も下がりますので問題含みです。引受け先が反社会的勢力だったり、資金準備が結局できないと株価が乱高下します。濫用的事例に対処するために東証の8月改正で監督が強化されています。私もウェッブクルーの第三者割当増資の差止めの仮処分に関わったこともありました。その点、ライツ・イシューだと既存株主の公平性を確保した大規模な資本増強が可能だったりします。ただ問題点も多いので第一号が最近ようやく出てきた状況のようです。法律上の制約から現時点ではハードアンダーライティングが難しそうなので発行決議時点で調達額を確定することは難しいそうです。ただ、アンダーライターが入らなかったタカラレーベンの権利行使率は95.7%だったそうで、実際の先例では希望した資金調達が出来たそうです。新株予約権の権利行使をしたくない株主はそれを市場で売却できるので第三者もそれを取得できるのは、新株予約権は有利発行規制にひっかからないので安く取得できることから、魅力的かもしれません。この新株予約権は数ヶ月だけ上場する面白いものですが、そのようなセカンダリーマーケットは無かったわけではなく東京証券取引所もタカラレーベンの為に新しくシステムを作ったわけではないそうです。昔の会社法の教科書にちょっと出ていた新株引受権証書を上場した先例があるそうで、それも利用したそうです。公募増資より手続が複雑なので費用がかかり、会社法、金商法、証券取引所の規則、ほふりのスケジュールを考慮して長い期間が必要だったり、ハードアンダーライティングの為にはTOB規制、大量保有報告書の提出等、クリアされなければ問題があるそうです。ライツ・イシューは公平性に優れているので日本企業の既存株主の意向を重視する風土にはあっているし、大規模資金調達において有効な手段といえるので、使い勝手がよくなるといいですね。




(17:26)