2009年05月14日

Skaddenはアジアのinternational arbitration and litigation practiceをスタートするためにロンドンのパートナーを香港に移したそうです。またSkaddenはM&A及びファイナンスのパートナーをシンガポールにも補充しています。ロー・ファームが世界的なリストラクチャリングを進めると同時に、アジア地域の業務を増強している模様です。

話は変わり、最近日本企業の国内工場の縮小とアジア地域への製造拠点の移転のニュースがよく新聞等に掲載されています。日産もマーチの製造を全てアジアに移すと新聞で報道されていました。極端な円安とアメリカの旺盛な消費に支えられて国内で生産された製品が売れていた状況が一変したために、コモディティー的な商品の製造は海外に移す傾向が製造業の間で加速しているようです。需要の急減に加えて円高傾向が定着したので、国内で生産するコモディティー的商品が今後売れる見込みがなくなったためですが、将来円安バブルが再来することは考えにくい以上、工場労働者の解雇は経済の流れのなかで不可避であり、派遣労働者等の機械的な単純労働者の需要回復はあり得ず、まさに「ない袖は振れない」状態です。そこで、最近は労働関係の紛争で弁護士需要が増加していますが、中小の法律事務所ではグレーゾーン金利バブルの次のバブルとして労働問題バブルで潤っている事務所が多くなっているようです。大手法律事務所は一般に企業側につき、特に小さな法律事務所が被用者側について和解金目当てに頑張っているようです。この傾向に便乗詐欺のようにくっついている死滅直前だった一般労組も妙に元気復活しているようです。このような一般労組やその訴訟を代理する弁護士との交渉は後味の悪い不健康なものです。経済成長を前提とした労働基準法や関連判例・裁判例は、成熟した低成長経済のもとでは現実的ではない場合も多くなってきているようです。具体的な事案次第ではありますが、社会運動家的な弁護士の活動は、長期的な経済の大きな流れからすると社会的害悪になる危険もあり得ます。

アメリカの消費に依存した経済成長が望めなくなったからといって、製造業も円高を利用してアジア地域に出てゆく傾向があるように、経済のグローバル化は止めようがありません。そして、それに伴って国内の法制度も変化させる必要もあり、共通言語である英語の重要性も高いままです。また、多極化するグローバル経済では世界的なネットワークがより重要になるかもしれません。

Asian Legal Jobs


(14:05)

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この記事へのコメント

1. Posted by Tatsuya Kanemitsu5    2009年05月14日 17:59
いつも楽しく拝見しております。

おっしゃるとおりで非常に示唆に富んだご指摘です。
日本のマスコミの報道は感情的で幼稚な視点のものが多い中、状況を大きな視点で的確に捉えた非常に参考になるコメントです。
私自身もアジア中心にグローバルトレードコンプライアンスを仕事にしておりますので、おっしゃるようなグローバル化の状況をひしひしと感じております。

今後ともご活躍をお祈りしております。
これからのブログのupdateも楽しみにしてます。
2. Posted by Londate   2009年05月15日 11:14
有難うございます!

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