2011年10月05日

東洋経済の記事でFrancfrancを運営する東証一部上場のバルスのMBOの記事が面白いと思いました。一般に非上場化する場合、創業者などのマネジメント個人の資金で公開買付の資金をまかなうことは出来ないことから、どこかから資金調達する必要がありますが、当該資金の貸付主体は将来資金を回収しなければなりません。回収はビジネスからのキャッシュフローでちんたら回収しようと思うようなのんきな貸し手は普通おらず、内部収益率(Internal Rate of Return)を高めて成功報酬を最大化しようとする場合には短期に回収することを目論みます。そうだとすると、非上場化した企業が再上場しなければ貸付主体は投資資金を回収できないことになり、非上場の意味を会社運営の選択肢を柔軟にするという目的に設定することは現実問題として出来ないことになります。

そこで今回のFrancfrancを運営するバルスの非上場化の目的な何なのか、と思い記事をさらに読むと、法人税が高く規制緩和が進まない上にビジネスの意思決定の遅い日本から会社の中心を香港、シンガポールに移すことにあるそうで、香港、シンガポールでの再上場を目指すそうです。そして社長自身、既に香港に移住しているとのこと。国内のサービス分野のビジネスは残るので、産業の空洞化そのものではないものの、中心が日本から逃避する点ではその要素の顕在化と言えるかもしれません。最近は日本脱出の特集が週刊ダイヤモンドでも組まれていて、企業と個人双方の日本離れが大きな流れとなってゆくような印象です。

政治的に見て、今後日本が規制緩和を実現したり年金支出の削減に手を付けることができない以上、外資系法律事務所としては日本企業に上記バルス型のMBOをどんどん提案するとビジネスチャンスが広がるかもしれません。国内の非上場化から香港、シンガポールでの再上場までをワンストップサービスですべて提供できるのは強みと言えるでしょう。今後、プレゼンテーションが活発化する可能性がありそうです。


(13:34)

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