昨夜はOネストの吉田ソロに行って参りました。ようするにジャド・フェア来日ライブで他に色々出る中のひとつが吉田ソロ、というわけで。
 諸般の事情で遅刻。最初の人は聴けませんでしたが、やはり全体的にローファイつながりって感じだったか。MAGOの終わりぐらいから入る。

・MAGO
 ギター、パーカッション、サンプラーの女性デュオ。宅録っぽいなあ、好きな人は好きなんだろうなあと思いながら聴いていたが、最後の”ダンサブルなナンバー”がかっこよすぎた。立ってる方のおねえさんのリアクションが素敵です。

JON(犬)
 オオカミの着ぐるみ(割とリアル)が、本当に足踏みオルガン弾きながら、かわいい声で唄ってる。あれは犬じゃないよなあ、と腹の中で野暮な突っ込みを入れる。ジャド大好きだそうです。最後の方でやった曲は、”いたわさ”と、トム・ウェイツのカバー。
 帰ってきてから、”JONが寝てると中の人が出て来るよ”みたいな曲をやってたなと思い出した。そういえば中に人が入っているのを忘れていた。

吉田達也(ソロ)
 ドラマーのソロと聞けば、普通タイコで何かやるんだろうと想像しそうなもんだけど、やっぱそうじゃないんだろうなあ、何やるんだろう。その正体はワンマンバンド…みたいな感じでした。(でいいのか?)

 転換中に吉田氏登場、セッティングを始める。ドラム叩いたり、キーボード触ったり、マイク位置を調整したり、ギターや民族太鼓を取り上げたり。それ全部使うんか。
 本人登場と共に、セットの前にいきなり人だかりが出現。吉田氏のTシャツ、先日の是巨人の時と同じじゃないかと思うんだけど、あれはアシッド・マザー・テンプルの唇Tか。

 「こんばんはー吉田です」と一言、ややチープな音源に合わせてドラムセットを叩き始める。自作音源だろうか。全楽器担当のレコード出してるよなあ。またファルセットで歌い始める。客から笑いが漏れたのは、ハット踏みながらギターぶらさげようとしていた時だったかな?ギターと鍵盤とドラムとボイスを同時に演奏する。猛烈に忙しい。目をつぶって聴いていた方がわかりやすかったのかも知れません、しかし目を開けてるとそれはそれで面白いんだ。叩きっぱなしの弾きっぱなしの唄いっぱなしの数十分。印象的だったのは、ハンドパーカッション叩いてた時。エコーかかってたのがなかなか面白い効果を生んでたと思った。でもって、叩きながら中東あたりっぽい感じで歌い出す。もしかしたらそれは吉田語なんじゃないかと思う。

 でもやっぱ普通にドラムセット叩いてる時が一番安心して聴けました。ギターぶら下げてる時も面白いっちゃ面白かったんだけど、実際見てるとハラハラしちゃってさ。本人が感じた通りにできてんのかなとか。スティックを弦に当てて、スライドさせながら弾いてるのは面白かったけど、みなさんああいう感じのことはやったことありますよね?私は音叉をウクレレの弦に当てて、でたらめに弾きまくった記憶があります、一人遊びとしてはなかなか楽しいもんでした。関係ないが、吉田氏は顔だけ見てても面白いです。味のある顔と表情だな。

・ジャド
 転換中になぜかヨシタツがステージをうろうろしている。客席をうろうろしていた、黄色い髪で青いオーバーオールの人が、ステージをうろうろしている。

 正直どう形容していいのかわかりません。
 基本編成は、ジャドのボーカルと、黄色い髪の人のボイスパーカッションと、黒髪女性のベース、って感じ。時に客席に乱入する。途中MCで、エンジェルの話を聞きたいか?(だったかな?)みたいなことを言ってたが、客の反応の薄さに、 "Real cool, real cool" と返す。飛び跳ねたり踊りながら聴いてる客もいる、アンガールズ似の客もいる。

 ローファイアヴァン系、なのでしょうか。わたくしはそっちの方面はあまり好きじゃないと思うんですけど、このライブを聴いてるうちに、 Black Eyes の1stアルバムを思い出していました。ブラックアイズの1stはプリミティブな印象だった。

 以下、的外れかも知れませんが。
 近代スペインのなんとかいう画家が、当時”子供の落書き”という酷評を受けた、とどっかで読んだ気がする。でもちょっと考えてみると、”子供の落書き”を大人がやるのは難しいんじゃないかな、って思うんですよね。たとえば大人だと、何か表現するのに、ああしようこう見せよう、とか考えてしまいがちだと思うんだけど、小さな子供はそういうことは考えないかも知れない、最初の衝動に忠実なのではないか?(大人に気に入られようとする場合もあるかも知れないけど。)今書いてて、とある美術展に行った時、子供が描いた絵画をフィーチャーした作品に対して、小学校低学年くらいの子供らが ”Kid's work!” とかなんとか言って大喜びで騒いでいたのを思い出した。小さい頃を思い出してみてください、たとえば”遠足に行った時のことを描け”と言われて、ちょっとは考えるかも知れないけど、下絵もなしにクレヨンで一気に描いたんじゃないですか?どうです?


 まあジャドのライブを聴いてて、瞬間的にそういうことを思いました。しかしその日は猛烈に疲れていて眠かったので、楽しかったけど途中退場。帰りながら、半分寝ながら、ジャドと吉田ソロは、ぱっと聴きかなり印象ちがうけど、プリミティブな衝動に忠実な点においては同じなのかも知れないな、と適当にこじつけてみた。実際どうだかわかりませんけどね。

 まあ私は頭でっかちなんでしょう。子供の頃を思い出してるのは、年を取ったからでしょう。飛び跳ねながらジャドを聴く渋谷の若人に隔たりを感じるのは、偏見なのでしょう。こうして年を取り、しまいに呆けるのでしょう。それはそれで幸せなのかも知れません。
 ああ、あと子供の頃に、高速シンバルレガート(トニー・ウィリアムズ?)をでたらめに真似しようとしたことも思い出した。今じゃ無理ですね。