今回は、前回の記事に引き続き、エリック・クラプトン クロコダイルタイプ バージョン1 のリニューアル品の発売について書かせていただきます。(バージョンナンバーでの順番が逆になってしまっておりますが・・)
販売は以下のURLのページになります。
1.クロコダイルタイプ ストラップのバージョン1について
あらためて説明させていただきますが、当方にて、バージョン1と呼ばせていただいているものは、エリック・クラプトン氏のクロコダイル革のギターストラップのうち、黒色のものよりも以前に使われていた茶色のクロコダイル革のストラップのことになります。
ストラップ全体の構成としては、黒色のクロコストラップ(バージョン2)と同様なものとなるのですが、端部に貼られているクロコ革の柄の仕様が異なり、また、実物においては、バージョン2では基本的に使われていないワイヤレスのトランスミッター用のケース(ホルダー)が付けられていることも特徴となるでしょうか。
以下に、実物の画像を掲載いたします。
そして当方では、以前から、このバージョン1に基づいた品を製作させていただいております。
2.リニューアル品のクロコ柄の革の選定について
今回のリニューアル品は、前回の記事にて書いた黒色のバージョン2と同じく、実物のクロコストラップの各部の外観に似た、型押しクロコ柄の牛本革を使ったものになります。
実物のバージョン1のストラップのクロコ本革の色は、画像で見ますと、焦げ茶に近い色に見えるのですが、茶系の色というものは、なかなかのクセモノで、撮影時の照明の状態により、けっこうな度合いで様々な色合いに見えてしまうものです。
従いまして、本当の色の判断が非常に難しいのですが、多くの画像を見たところ、やはり、基本的には赤茶系の色などではなく、また、明るい茶系の色でもなく、焦げ茶に近い幾分暗めの茶色であると判断できるものかと思います。
以前の当方の合皮製のバージョン1の品については、市販されているクロコ柄の合皮においては、色の選択肢も限られていたゆえ、ある程度似た色のモノを選択したという感じでした。
よって、仕方がなかったとは言え、実際には、実物よりも少々明るめの茶色系の色になってしまっており、気になっていたゆえ、今回のリニューアル品では、なるべく実物の色に近い革を選ぶことに主眼を置きました。
加えて、旧製品に使用していた合皮については、クロコ柄におけるウロコの大きさが実物よりも小さめということもあったので、これに関しての改善も、目標として存在しておりました。
下は、当方の旧製品の画像です。
しかし実際には、色とウロコ形状の改善の両立を図るのは困難で、結果的には、似た色ということを第一に、ウロコ形状については、妥協できるラインに抑えたといったところでしょうか。
とにかく、決定までには長い日数を要することとなりました。
3.限定での製作になることについて
上記のような流れの中、クロコ柄の合皮については、ここ数年にて、販売されている種類がますます少なくなっており、新規のものの発売にも期待が持てなかったゆえ、型押しクロコ柄の牛本革を使わざるを得ない状況となってきておりました。
ところが、調べていきますと、一般的に購入できるような型押しクロコ柄の牛本革にて、茶系の色のものは、限定枚数で販売されるものが大半であり、安定して同じ仕様のものが販売されることがほとんど無いことがわかってきました。
それらにおいては、クロコ柄のウロコの形状や大きさなどの種類もさることながら、茶色の色合いも、それぞれの革で様々なものになっており、なおさら安定して購入できそうなものが無いという状況です。
当方は、無着色の革に型押しをした後に、任意の色で着色を行うものとばかり思っていたのですが、業者さんに問い合わせてみますと、実際には、半裁サイズの革の場合は、「着色された後の革に型押しを施す」という順番だそうです。
それでは、業者さんに特注的にオーダーしての製作では?ということになるのですが、問い合わせてみますと、残念ながら、希望の茶系の色に着色してもらうということは難しいことがわかってきました。
かなりのまとまった数量(枚数)ならば、オーダーできる可能性があるようなのですが、そのための大きな予算などは当方にはないと。
どうやら、革問屋などで、少数単位で販売される型押し革は、大手の会社が大口で注文したものの余りなどが流れてきたものなのかもしれません。
このようなことにて、結論としましては、「最も実物のストラップに似た色、かつ、似たクロコのウロコ形状の型押し牛本革を見つけ、その入手できる枚数の範囲内で、限定数で製作する」ということになりました。
4.今回の製作品の革と製作数について
今回については、当初に選択した茶色系の革が1枚購入してあったのですが、その後、さらに実物に近い焦げ茶色の革が見つかってしまい(!?)、急遽それを購入して製作することになったものです。
この革は、使用されているクロコの押し型が、前回解説しましたバージョン2に使用されているものと同じ型なので、実物のバージョン1に対して、ウロコの大きさが少々大きいのですが、なにゆえ、色合いがかなり実物に近い焦げ茶なので、希少品と判断し、使用を決定したものです。
以下が、その革の画像となります。
これも、撮影時の照明の具合で、実際の色合いと異なっている可能性がありますゆえ、御了承ください。
ただし、今回にて入手できた革は、最後の1枚であったので、この革1枚で製作可能な本数となります。
とりあえずは、あと7~8本程度は作れそうなのですが、今後、複数の業者さんと交渉し、同様な色の革を購入できるように持っていきたいとは思っております。
5.製作したバージョン1ストラップの外観画像
現在までに2本を製作してみたのですが、完成状態の画像が以下のものとなります。
バージョン2のリニューアル品と同じく、購入した業者さんにて、クロコ柄の革の厚さは1mmに剝いてもらっています。
そして、これもバージョン2と同じく、1.5mm厚の牛革に接着/縫合して、全体として2.5mm厚になるので、柔らかさと耐久性の上で、使用するには良好な状態になっております。
6.型押しクロコ革の繋ぎ目について
バージョン2のリニューアル品と同じく、先端から70cm~100cmあたりの箇所にて、型押しクロコ革に繋ぎ目が存在することになります。(接着と縫合が施してあります。)
これについても、クロコのウロコ柄の模様のラインを利用してなるべく目立たない状態にしてあり、また、演奏での使用時には演奏者の背中側にくることにもなりますので、大きな問題はないと思います。
また、これまたバージョン2と同様に、このクロコ柄を接着/縫合する、裏面側の1.5mm厚の牛革については、つなぎ目がなく、全体で1本の革になっております。
7.仕様と価格について
長さの仕様は、従来の品と同じく、以下のようになります。
Sサイズ:70cm〜110cm
Mサイズ:90cm〜130cm
Lサイズ:110cm〜150cm
LLサイズ:130cm〜170cm
価格は次のようになります。
Sサイズ:価格¥34,000
Mサイズ:価格¥35,000
Lサイズ:価格¥36,000
LLサイズ:価格¥37,000
従来と同じく、ストラップピン穴は、通常のストラップピン用の8mm径の穴(切り込み付き)と、シャーラー/ジムダンロップ ロックピン用の10mm径の穴(切り込みなし)を選択できます。
8.トランスミッターケースについて
バージョン1の実物においては、ワイヤレスのトランスミッター用のケース(ホルダー)がついているわけですが、今回の当方の品では、このケースもオプション的に製作することにいたしました。
御希望であれば、任意のトランスミッターケースを製作可能です。
まず、以下の画像は実物のものです。
ケース部の拡大画像です。
そして以下のものは、当方にて、実物のケースのイメージを取り入れつつ、まずは、LINE6 RELAY G-30のトランスミッター用として製作してみたものです。
ケースの背面には、マジックテープでの着脱機能があり、ストラップの任意の位置に取り付けられます。
このトランスミッターケースの製作については、寸法の情報が必要になりますので、基本的には、使用されるトランスミッターをしばらくお借りして製作することになります。
ただし、現在、LINE6のRELAY G-30/TBP06とG-50/TBP12、および、これらに準じたLINE6のトランスミッター、そして、SHUREのGLXD1 Z2、および、これに準じたSHUREのトランスミッターについては、実物の寸法を測定し、木型を作ってありますので、実物をお借りしなくてもケースを製作することができます。
製作の費用(価格)については、上記の木型があるものならば¥10,000程度で、木型の無いものは、¥20,000程度となります。
実は、トランスミッターケースの新規の製作は、ある意味、ストラップ本体以上に手間と時間を要するものなのですが、実物に似た外観にするといった要素も加わると、より手間のかかるものとなってしまいます。
よって、かかる費用については、誠にすみません。
これらの製作については、別途のオーダー品扱いとなりますので、お問い合わせいただければ、対応いたします。
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