愛用しているギターのみならず、ギターストラップまでも含めて、(結果的に)一人のギタリストのキャラ付けが強烈に行われたのは、少なくとも私の世代においては、ジミー・ペイジ氏が元祖なのかとも思うところです。
私などは、一般のストラップを使っているペイジ氏を見ると、「何かが物足りない・・」という心情にも陥るくらいなのですが、当方として、この歴史的なストラップを追及することが、ナゼか遅くなってしまっておりました。
実を言うと、20年ほど前に、お客様の御要望で、近い形状のものを製作したことがあったのですが、当時は、まだweb上で見られる画像なども少なく、御了承を得つつも、十分な内容ではない製作品でありました。
それゆえ、常に気になりつつも、それから20年間に渡り、ずっと宿題のようになっていたペイジ氏のストラップであるというわけです。
今回の製作のための調査においては、様々な画像サイトを利用するなどして、数百枚に及ぶ問題のストラップの画像を眺めてみました。
「ペイジ氏の画像」ということでは、1000枚くらいを確認したかもしれません・・
ただ、アナログ写真が主体であった時代でもあり、解像度がイマイチの画像も多く、ストラップ各部の詳細をつかむには、なかなかに苦労しました。
もちろん、多くの動画も確認してみたのですが、残念ながら、解像度その他の関係については、同様な感じです。
そして、これから調査結果を書いていこうと思いますが、毎度のことながら、Jimmy Page氏や、Led Zeppelinのファンの方々にとっては、知っていて当たり前の情報もあるかもしれませんし、もしかすると、当方の推測などにおいて誤りが生じているかもしれません。
そのような事実があった場合は、たいへん申し訳ないのですが、どうかお許しをいただければと思います。
1.全体の概要
あらためて書く必要もないかもしれませんが、多くの有名なメーカーからも長らく販売されてきた、肩パット付きで細いストラップ本体を持つ、伝統的なタイプです。
英国では、VOXのものあたりが有名どころでしょうか。
「ヴィンテージスタイル」などと呼ばれることも多いようですが、基本的な構成は、どこのメーカーのものでもほぼ同様であり、異なるのは、まずは、ストラップ本体の幅と肩パットの幅、及び、それらの幅の比率など。
そして、肩パットの形状の細かな部分や、使用されているバックル(美錠)の形状の相異あたりになるでしょうか。
下の画像は、ペイジ氏のストラップが、比較的新品に近く(?)、きれいな状態だった頃と思われるもので、各部の形状の特徴も、けっこうわかるものかと思います。

ちなみに、この画像においては、赤テープ部に、肩パットのホルダー部が食い込んでしまっています。
確認しにくいかとは思いますが、テープで束ねた2本のストラップの間にホルダー部が入ってしまっているようで、ホルダー部のタテ方向の幅が、随分と狭いように見えています。
赤テープで固定してしまったゆえのこの現象は、この後、ホルダー部の革に、ますますダメージを与えてしまったのか、補修の連続となったようで、結果的には次の画像のように、たいへんな状態になっています。(あくまでも推測ですが・・)

それはともかく、このような一般的なタイプのストラップながらも、各部の特徴を見ていきたいかと思います。
2.ストラップ本体の幅は?
ストラップ本体の幅は、なかなかに狭い(細い)ように見えますが、実際はどの程度なのでしょうか。
現在、各社から販売されているヴィンテージタイプの復刻版と称されるストラップなどでは、幅が15mmといったものも、けっこうあるのですが、それらを実際に手に取って見てみると、さすがに頼りない細さに見えたりします。
果たして、そのレベルまで細いのか?
ということで、次の画像を。

これは、例のマディソン・スクエア・ガーデンでのライブにおける動画からの画像ですが、ペイジ氏が、ギターのボディを手で持って、頭上に掲げた状態でのギターエンド部です。
レス・ポールのエンド部のストラップピン周りがわかるわけですが、ストラップは、直接にネジ止めされ、ガッチリと固定してあるようで、一度ひねられたようになった上で垂れさがっています。(垂れ下がっている部分については、ストラップの裏面が見えているということです。)
画像右側がストラップ端部になりますが、見事に直角にカットされた形状になっており、これは、本来のストラップのエンド部の革が劣化したため、カットしたものと推測されます。(エンド部の革が劣化してボロボロになっている状態の画像もありましたゆえ。)
しかし、この画像にて、ストラップの幅を、レスポールのボディの厚さ寸法と比較して推測することができそうです。
少々不鮮明な画像ではありますが、レスポールのエンド部のボディ厚は、43mm~45mmあたりですので、これとの比にて、大まかにストラップ幅を計算して求めますと、18mm~21mmの範囲あたりとなりました。
少なくとも、どう見ても、15mmではないようですが、他の画像などで確認した結果からも、このストラップ本体の幅は、19mm(3/4inch)狙いで設定されたもので、実際には、「19mm~20mm」といった値であると推測することができるでしょうか。
3.本体両サイドのライン
この種のストラップ本体にはよくあることですが、次の画像のように、本体の革全体について、両サイドにライン、または直線状の段差が入っています。(深さは浅めのようですが・・)
4.本体端部の形状
上記のリアエンド側の端部は、あとから故意に、直角にカットされたもののようでしたが、本来のストラップ本体端部の形状はどのようなものなのでしょうか?
これに関しては、各種画像を見ている際に、赤テープ部の先に見える端部の形状が、三角形に近く、尖ったものであることに気づきました。
この場所はバックルピン穴のある長さ調節部の端部ですが、このことから、もしかすると、ストラップのフロントエンドとリアエンドの端部も同様な形状ではないのか?と思ったわけです。
それゆえ、あれこれと画像を確認してみた結果、次のような画像がありました。
これを見ますと、フロントエンド部の先端は、半円形でも何らかの曲線でもなく、また、直角切り(?)でもなく、三角形状(槍先形状)に思えるのですが、いかがでしょう。
フロントエンド部がこのようであれば、リアエンド部も、同様な形状であった可能性が高くなってきます。
そして、この「端部が三角形状である」ということが、後々、このストラップの正体を特定するための手がかりの1つとなってくるのです。
⇒ 続きます。
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