お伝えしてきました、Jimmy Page氏の肩パット付きストラップの調査結果、最終回です。
前回にも書きましたように、当方で調べた結果では、70年代にペイジ氏が使用していたストラップは、昔のGretsch製のストラップと同規格のもの、あるいは、Gretsch製の市販品そのものである可能性もあり・・という結論に達しつつあります。
この調査過程においては、(前回の記事での内容のように)当時のGretsch製ストラップと思われる品の高解像度の画像も見ることができましたゆえ、今回発売した当方の品は、これらの情報を大いに活用させていただいた上で設計/製作したものとなっております。
価格などを含む当方の品の概要については、以前の記事の通りですが、いくつかのポイントなどについて、あらためて説明させていただきたいと思います。
まず、以下のものは、Gretsch製ストラップの全体画像を、実物大に近いサイズにしたものとの比較画像です。
全体の長さも、Gretsch製のものに近くなるように設定してありますが、この状態では、既に書きました通り、180cm程度までの長さ設定が可能です。
上の画像では、長さ設定が最短の長さになっておりますが、このような状態での使用では、バックルを通った部分が大きく上方を向くことになりますので、固定用の赤テープが確かに欲しくなりますね・・
ということで、ある意味一番の売りでもあるこの「赤テープ部」についても、既に紹介してありますが、外観のリアルさもさることながら、なるべくスリムにし、かつ外れない構造にて、実用性も確保できるようにしてあります。
あと、これも実物に準じて、本体革の裏面及び断面(コバ)は黒色に着色してありませんが、コバ部については、着色剤が浸透しないようにしなければならず、逆に手間がかかるところでもあります。
よって、少々特殊な着色方法にて対処してありますが、製作時間を増長する要因にもなってしまっているでしょうか。
尚、ストラップ本体部の裏面は、Gretsch製のものでは、ベージュ色に着色されておりますが、これは、生産ロットによって異なるのかもしれません。
とりあえず、当方の品では、色落ちの心配もありますゆえ、無着色にて革地色のままとしてあります。(ペイジ氏のものも、画像で見る限り、革地色のように見えますし。)
次の画像は、肩パット部の実物画像との比較ですが、これも、各部の寸法及び形状をなるべく忠実に再現してみたつもりです。
また、肩パット上面の膨らんだ感じを再現するために、事前に内部クッションを整形し、上面の革に曲面が出るようにしてもあります。
加えて、肩パットの裏面のスエード革は、Gretsch製のものではベージュ色になっておりますが、ペイジ氏のものの色は、現状でははっきりしておりません。(→ 以前の記事にても紹介した、裏面が写っている実物画像は、モノクロということもあり、判別が難しいです。)
つきましては、肩パット全体の色のバランスからも、黒色のスエード革としました。
スエード革も、色落ちの心配も少ないものですので、使用上はだいじょうぶかと思います。(→水でかなり濡れたりしても、問題ありません。)
これに関係する話として、肩パット付きのストラップについては、使用中に、肩パット部がどうしても肩からずれやすいということがあります。
本末転倒な話なのですが、ライブにおいて激しいアクションを行ったり、頻繁にギターの角度を変えたりしますと、肩パット部が肩からずれやすく、裏面に滑り止めのスエード革を張った程度では防止しずらいものです。
この対策の1つとしましては、ストラップ本体と肩パットの結合度を緩くし、ストラップ本体が肩パット上をスムーズに前後に動かせるようにするといったことがあります。
ただし、ペイジ氏の仕様のストラップの場合、あまり結合度を緩くし過ぎると、実物での状況と同様に、赤テープでの結合部分が、肩パットのホルダー部に激突(?)することが多くなってしまいます。
先日の記事にて実物画像でも掲載しましたが、下の画像のように、ホルダー部に食い込んでしまうこともあるので、次第に革を劣化させるものです。
従って、ここは、この肩パットの長大な長さも利用しまして、ストラップ本体と肩パットの結合度を高めに設定し、ストラップ本体が前後に動くと、肩パットも同様に動くようにしたほうが得策かと考えております。
要は、あえて、ストラップ本体と肩パットが一体となって同時に動くようにし、通常のストラップと同様な扱いにできるようにするということです。
ストラップが前後に動いても、(肩への負担を緩和する目的の)肩パット部が、必要十分なだけ肩に接触していれば良いわけですので。
このことから、当方の品では、肩パットに対するストラップ本体の滑りは、少々硬めに設定してありますが、御希望によって、滑り具合を変えることもできますので、その際には、お問い合わせいただければと思います。
そして、バックル部です。
最初に、サルカンも含めて、取り付け状態が良くわかる、側面からの比較画像を。
続いて、斜め前方からの比較画像です。
これも以前に書きましたが、実物のバックルは、ボリューム感のあるU字型形状を持ったものです。
よって、webにても検索した上で、バッグ関係等の金属部品のメッカである浅草橋~三ノ輪橋あたりの地帯の問屋をまわって探してみましたが、完全に一致するようなバックルは見つからず、現在安定的に購入できるものの中で、最も形状が似ているものを使っています。
いずれ、ブラスから削り出して、フルスクラッチで忠実な形状のバックルを製作してみようなどと思いますが、ゴールドメッキなども必要なので、なかなかにコストと時間がかかりそうではあります・・価格も相応のものになってしまうでしょうか。
次もバックル部を含む端部の比較画像ですが、尖っている本体革の先端部の角度は、約100度というところのようで、これもなるべく忠実に再現するようにしてみました。
このようなことで、苦節数十年(!?)という感じで発売までこぎつけたジミー・ペイジスタイルのギターストラップなのですが、現在、かなりの反響をいただいております。
しかし、やはり価格の面で、「もう少し下げられないか?」というお声を少なからず聞くにつけ、追加にて、2種類ほどのエコノミーバージョンを設定することにいたしました。
この品については、試作品も出来上がっているのですが、後日、あらためて紹介させていただきたいかと思います。
以上、いきなり追加バージョンのことも書いてしまいましたが、実物のストラップの調査結果、並びに、当方の発売品の仕様等に関する内容は、これにて終了です。
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