July 08, 2010
先日、島根県隠岐郡海士町に2泊3日で出かけてきた。
この町は、人口が僅か2400人という小さな島である。
この町にはここ5年で250名を超えるIターン者が移住してきており、その奇跡はマスメディアでも盛んに取り上げられているところだ。
なぜ、そんな事が可能になったんだろうか。。教育委員会の井上さんのお陰で、たくさんの人に会うことが出来たのだが、町興しのキーマン達の声から、「だって仲間だから」というフレーズが頭に浮かんだ。
我が町には我が仲間が住んでいて、仲間のためにお互い支えながら頑張っている・・・そんな姿がイメージできる。
かつて、青年団では団員全員で人形劇をやっていたそうだ。最初はばかばかしいと思っていた人形劇だが、奥深さを知り、全国大会へとコマを進め、最後には全国一になってしまった。そんな話を聞いて胸が熱くなった。
その時、脚本を書いていた団員の一人が郵便局に勤めていた人で、脚本作りに没頭するあまり、ご配達がよくあったなぁと笑いながら、懐かしそうに話してくれた。
今、ゆうパックの遅配が大々的にニュースで報道されている。大変なことなのかもしれないが、一方で「たった一日くらい・・」とも思う。
小さな失敗を寄ってたかって、問題視する世の中になってしまった。
産地偽装など、「知っていて悪いこと」をすることは問題だ。
しかし、一生懸命頑張っているにも係わらず、失敗してしまったことには寛容さが必要ではなかろうか。
きっと郵便局の現場では遅れを取り戻そうと必死になっている人たちがいる。その中にはもしかして、友達も一人二人はいるかもしれない。そんな人たちの顔が見えなくなってしまっているのか。
サービスを受ける僕らも、サービスを提供する人たちも、本当は同じ仲間じゃないか。
そう思うことが難しくなるほどに、大きくなってしまいすぎた都会は残酷で、寂しい。
郵便局の失態に指を刺している人たちでさえ、次は自分かもと心のどこかで不安な気持ちがきっとあるだろう。そうして一人ひとりが萎縮していくことが幸せなのか?
許しあう世の中が、なくならない事を祈るばかりだ。
(山口 覚)
メール:yamaguchi@localentrepreneur.jp
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June 09, 2010
普遍的な言葉はあるけれど、多くの言葉は生まれ、そして消えていく。
例えば「経済成長」という言葉は僕らには耳馴染んだ言葉に聞こえるけれど、この言葉は戦後に生まれた言葉だ。
「成長」という言葉は自動詞で、「成長する」という言葉はあるけれど、「成長させる」という言葉はないらしい。
だから「経済成長する」は良いけれど、「経済成長させる」は不自然な言葉だといえる。
時代が必要とする言葉はこうして作られていく。
「依存」という言葉は「便利」という言葉に置き換わり、なんにでも依存することに抵抗感をなくしてしまった。
「自助」は「不便」という言葉に置き換わり、マイナスイメージを植えつけられている。
時代に取り残された言葉は「死語」と言われたりするけれど、失ってはならないはずなのに、都会の人たちがすっかり使わなくなってしまった言葉がありやしないか。
ものに値段が付いた瞬間に「商品」になる。工業製品ならともかく、野菜でもだ。農家の人にとって野菜は子供のようだという。でも値段が付けられた瞬間に「商品」と呼ばれることはなんだか切ない。
商品になる前の状態の「モノ」呼び方を発明すると、心のこもった「モノ」の表現が出来るのにねぇとLESの会議で話したのだった。
山口 覚
May 14, 2010
2年半前に藤村先生を団長とする「モンゴル非電化プロジェクト」に参加した際に、4人(藤村先生、ウインドファームの中村さん、ビーグッドカフェの常冨さん、僕)で共同購入したゲルがずっと庭先に眠ったままだったので、GWに建てることにした。
ゲルを立てる場所はやっぱり、「草原チック」なところで無ければならないが草原は残念ながら無い。ただ、広い畑はあるので、藍の家保存会の一人井上さんの畑をお借りすることができた。(井上さんはわざわざそのために畑に何も植えずに更地にしてくださいました。ありがとうございます!)津屋崎ブランチから軽トラでゲルを持ってくる。冬用の羊毛や防水用のビニールなどは面倒なので置いて来た。そうするとたいした体積はないのだけど、なぜか木材の比重が重く結構辛らかった。
まずは畑の整地。少々土が軟らかく、でこぼこしているので、馴らすことからはじめる。丁度その日に海士町から遊びにやって来ていた井上さんに、「ちょっと手伝って」と整地を頼む。持っているのはグランド整地に使うトンボに見えるけど、実はゲルの大黒柱であるトゥーノ。
東京からたまたま遊びに来た林さんもお手伝いに。めちゃ働いてくれたのに、その姿の写真が無い!ごめんなさいね。。林さん。主に畑の整地と壁づくりを頑張ってくれました。
青い鉢巻は我ら津屋崎ブランチの木村君。途中から「藍の家で聞いて手伝いに来たよ〜」と花田貞夫さんがお茶と茶菓子を持って登場。ありがたく頂戴した後は、屋根をかける作業。
手前に移っているのは、近くに住む僕らのヒーローマスオさん。完成。全体外観写真はあまりに情けないので、内側からのみ撮影。中は結構広く、8畳位は充分にある。中に打楽器などをたくさん持ち込んで、気分に任せて演奏。近所の子どもや友達家族がやってくる。
カラフルな椅子を並べて、色チョークも置いてみたりするとなんだかちょっとお洒落じゃない?
噂を聞きつけた、藍の家のお姉さま方が大挙してやってきた。昨日まで津屋崎にステイしていた「色、言葉、音の旅ワークショップ」の面々がちょっとしたお絵かきワークをしてくれた。
近所に住むポーランド人の方もやってきてくれた。子ども用のカート(?)付きの自転車。素敵だ!
畑の真ん中にゲルを建てるだけで、本当にいろいろな人が訪ねてきた。そしてゲルに入るとみんななぜか自分を語ってくれる、自分を開いてくれる。
今回は実験的に建てたこともあって、大々的に宣伝しなかったけれど、また建てようと思っています。乞うご期待。
山口 覚
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April 30, 2010
だけど、僕達はお金無しの社会はもはや想像し得ないものになっている。
「お金」は人間の偉大なる発明品な訳だが、完璧ではないということを理解しておくべきだろう。
「お金」に「ありがとう」の気持ちを付け加えるだけで、僕達の社会はとても素敵なものになる気がする。
集団生活を営んでいる「猿」にはお金が存在していないが、どうやら社会はきちんと成り立っているように見える。
猿には「貯金」という概念もないだろうし、「レート」なんていう概念も無いはずだ。
僕達は猿に学ぶことがたくさんありそうだ。
(山口 覚)
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March 14, 2010
早く大人になりたい!と子どもに思っていただく唯一の方法は、大人が愉しそうに仕事をすることに尽きる。
僕はなりたい夢があり過ぎで、どれにしようか迷ったまま現在に至っている。小学校1年生のプロ野球選手になりたいという夢から始まり、機関士、車掌、鉄道研究所の所員、料理人、魚屋、カフェオーナー、学校の先生、大工、農家、漁業、居酒屋店主・・。とにかくあらゆる職業について見たいと今でも感じている。
でも、残念なことに人生は1本の道しか選べない。ある仕事を選べば、ある仕事を諦めるしかない。貧乏人にも金持ちにも1日24時間しか与えてくれないから、仕方が無い。
でも、今はなかなか充実している。それはあらゆるジャンルの人と仲良しになればいいのだと気が付いたから。
こんな一体感は都会に居るときは、感じることが出来なかった。
それは、都会は「競争・奪い合い」で、田舎は「分け与え」だからだと思う。
多くの人は自分に似たタイプ、似た職業の人としか付き合いたくないと思いがちなんだけど、性格も何もかも全く違う人と繋がることによって、面白い人生になる。
漁師さんと仲良くなって、漁師さんから生活の一部始終を聞いていると、自分も漁師になった気がして、とても幸せな気持ちになる。自分が選択しなかった道を別の彼がやってくれていると思えるのだ。
同様にカフェオーナーと友達になり、学校の先生と友達になることで、僕自身がなりたかったけれど、なれなかった職業を全て同時に実現しているような気持ちになれる。
これはお互いに「分け与えている」からだ。独り占めしようと思わないからだ。
この感覚がつかめて初めて、みんなのために頑張ろうという気持ちになる気がする。世の中がみんなそうだったら、子ども達も早く大人の仲間入りして、みんなの役に立とうって思うんじゃないだろうか。
まわりに漁師なんていないよ。。。そういう人は、ぜひ津屋崎に来てください!
山口 覚
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March 05, 2010
「安くてよいものを」これはスーパーのチラシなどではよく目にする。このフレーズにもはや何の違和感もなくなっている僕らだけれど、このフレーズには社会の縮図が見え隠れする。
ジーンズが1000円を切る時代がやって来てしまった。しかし、考えてみてほしい。それまで、ブランド物のジーンズが5,6千円、ノンブランドで3千円程度だったのだけど、それで僕らは何か困っていただろうか。
それまで、全うな金額をつけて、全うに購入する人たちがいた経済の仕組みの中に、突然やってくる価格破壊。それに一体なんの意味があるのか考えてみよう。
「1円でも安い」という理由だけで僕らが物を選んだ結果、地域から醤油屋は消え、味噌屋は消え、電気屋も消え、八百屋も消えていった。
近所に住む大好きな人たちが、一人、また一人と居なくなっていく状況を作ったのは紛れもなく、自分だったりする。
ちょっと高くてもいいから、近所に住む好きな人から買う。
高いか安いかを、他店と比較して考える癖をやめればいい。その物に適正な値段がついているかどうかだけを考えてみる。
こんな、当たり前の事をもう一度少しづつやっていけば、地域は元気になるのだろう。
山口 覚
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February 11, 2010
果たしてこれは本当だろうか。
残念ながら、世の中はそれほど甘くないようだ。
「世界で一番売れているハンバーガーと世界で一番美味しいハンバーガーは同じなのか?」
こういうと少しはイメージが沸くだろう。
多くの人は「良し悪し」よしも、「有名かどうか」を先に選択肢の基準にするのはなぜだろう。近くにステキな喫茶店があっても足を運ばず、全国チェーンのカフェが来ると、喜ぶのはなぜだろう。
日本中で売れているものと本当に良いものは違うとするならば、僕らは本当に良いものとあまり向き合っていないことになる。それがごく身近にあるとしても。
誰かが良いと言ったものに振り回される「受動的な好奇心」ではなく、身の回りにある本当に良いものに気付く「能動的な好奇心」があれば、「有名」とは無関係の良さに気付くだろう。
この「有名」に振り回される価値観を少し横に置くことこそが、地方で愉しく暮らすのに重要なセンスだと思う。
そうした瞬間に「都会には何もなくて、田舎には一杯ある」なんていうものの見え方もしてくる。
山口 覚
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January 15, 2010
仕事に対する向き合い方は大きく2通りに分かれるような気がしている。
一つが「儲ける為にはどうすればいいのか」と考えている人。
もう一つは「いかに人に喜んでもらうか」を考えている人。
儲ける事ばかり考えている人は、お客さんと永遠に友達になれないだろう。
人に喜んでもらう事を考えている人は、お客さんに尊敬され、そして新しいお客さんを連れてくるだろう。
前者はお金を追いかけている。
後者はお金が集まってくる。
お金は感謝の気持ちが形になって手元にやってくるだから、一生懸命人のために考えて行動すればいいことが起きる。
決して追っかけるものではない。
この2つ。ラーメン屋で比較すると分りやすい。
ラーメン屋で儲けようとするとどんどんとチェーン展開していく。
人に喜んでもらう事を追求しているラーメン屋は地元の人が行列を作る店になる。
人の直感は凄いもので、「一儲けするため」と考えながらサービスを提供していると、買い手にそれが露骨に伝わってしまう。残念ながらそこにはお互いに尊敬しあう関係性は見出せないだろう。
どちらが正しいというわけではない。
でも、どちらの生き方が自分にとって心地良いかはいつも考えておく必要があるだろう。
January 04, 2010
殺伐とした世の中にあって、人っていいよなぁと思う行事だ。
プレゼント交換には「社会の本質」があるような気がしている。
例えば、以下の2例を比較してみよう。
その1:AさんとBさんが1万円ずつ持っている。Aさんは自分の持っている1万円で自分の好きなものを買い、Bさんも同様に自分の1万円で自分のものを買う。
その2:AさんとBさんが1万円ずつ持っている。AさんはBさんから欲しいものを訊ね、Bさんの欲しいものを買う。BさんはAさんが欲しいものを訊ね、Aさんの欲しいものを買う。そして両者買った物を交換する。
前者と後者。自分の欲しいものが手元にやってくるという意味では、全く同じ結果だ。
しかし、ちょっとしたプロセスの違いで、「温かいもの」が込められている気がしない?
AさんとBさんという2人の関係だけで行うのではなく、これを100人、1000人と広げて行ったときに、それは「まち」になっていく。
前者と後者の違いをよーく考えてみるといろいろなものが見えてくる。
(山口 覚)
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January 01, 2010
明けましておめでとうございます。
昨年から半LE(ローカルアントレプレナー:地域起業家)×半サラリーマンを始めた僕ですが、今年は徐々にLEの比重を高めていくことになります。
皆さんにもどんどんその経験を伝え、一人でも多くの方が「もう一つの新しい暮らしの選択肢」に安心て移行できるきっかけになればと思っています。
さて年初に、好きな言葉の一つを紹介します。
「人生とは今日一日の事である」
これは、スコットランド出身でアメリカで成功した事業家、カーネギーの言葉です。今日の積み重ねが明日を作っているのです。そして今日の積み重ねが人生を作っています。
「いつかは○○したい・・」と言って、今日はとりあえず生きている人がなんて多いことか。
「老後のため」と言って、今日の自分の時間を犠牲にしていることがどんなに多いことか。
しかし、そうやって過ごす「今日」が人生そのものです。10年20年はあっという間です。
今日の充実に目を向けたとき、きっと今日やるべき優先順位は変わってくるでしょう。
家族、ぬくもり、会話、癒し、自然と向き合う、いい事をする、音楽を聴く、旨いご飯を食べる・・・こういう事かな。
全ての充実を捨てて、今日忙しくは働けば、時間をどんどん貯金できて、貯金した時間は定年後に全て戻ってくるので、老後はゆったりと過ごせる・・・。
そう、甘くささやく時間銀行の灰色の男達の甘い言葉に騙されて、時間を貯金する人々。しかし、実は時間は貯金されることなく、灰色の男達が食べてしまっていて何も残っていなかった・・・。
これは、ミヒャイル・エンデの有名な童話、「モモ」のお話です。
「今日」という人生を幸せに生きる。そしてそれが人生そのもの。
ローカルアントレプレナースクールで伝えたいセンスの一つです。
今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。
(山口 覚)
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