京王電鉄8000系電車(千歳烏山駅にて、'20.01.05撮影)京王電鉄が多摩動物公園駅隣接地で運営している「京王れーるランド」は、毎年正月は東京都多摩動物公園に合わせて、1月2日より開館しており、正月に合わせてイベントを開催しています。
当Blog毎年恒例、正月の京王れーるランド特集です。
昨シーズン(2018年度)は年末にも何度か出向いており、昨シーズンは「京王れーるランドの年末年始」という名前で記事を上げましたが、今回は12月に1回(12月8日)しか行っていない(しかも有料エリアには入っていない)ため、今回は「正月」のみをタイトルとしています。

正月の話に入る前に12月8日時点の京王れーるランドの様子を軽く取り上げます。
京王れーるランド アネックスの夕景この日は、10月21日〜12月22日の期間で開催されていた「京王電車 コラボスタンプラリー」(京王電鉄、東京都多摩動物公園、ロッテの3社の共同企画)に参加していました。このスタンプラリーはスタンプが新宿、初台、高幡不動、北野の各駅に設置、加えて多摩動物公園のコアラ館入口にもスタンプが設置され、ゴール景品の交付がこの京王れーるランドの本館入口(インフォメーション)で行なわれるということでした。時間が遅かったので有料エリアには入館しませんでしたが、有料エリア外から撮影できる範囲でわずかにクリスマス関係の装飾を撮影していました。
京王れーるランド アネックスのクリスマスツリー「アネックス」の乗務員室部カット車体展示エリア、7000系クハ7706と8000系クハ8809(クハ8809は車両自体はサハ8559となり現役)間にあったクリスマスツリーです。京王れーるランドのクリスマスツリーは、大体毎年館内2〜3か所に展示されますが、プラレールなどの京王電鉄の鉄道グッズがオーナメントのように飾られるのが特徴です。


京王れーるランド 屋外展示場ミニ電車軌道のクリスマスリース屋外展示場の様子です(道路上から撮影)。この位置からだと保存車両の手前にミニ電車の軌道が通っていますが、ミニ電車の軌道に大きなクリスマスリースがトンネルのように設置されていました。


このほか12月には、14日()〜17日(火)の4日間だけであったものの、デハ2410以外の各車両に現役引退時のヘッドマークを掲出、クハ5723はヘッドライトを点灯する“令和元年 今年もありがとう、さようなら展示”、21日()には京王電鉄バスグループとの合同によるクリスマスバスの展示(このときキャラクターのグリーティングも行なわれている)などのイベントが実施されたようです。

京王電鉄8000系電車(多摩動物公園駅にて、'20.01.05撮影)ここから1月5日()の話になります。






【京王れーるランド正月'20】京王れーるランド 本館入口の門松京王れーるランドの本館1階入口には、門松が立てられていました。




入館します。なお、京王れーるランドの入館料は2019年10月の消費税率引き上げに際し、310円(おとな・こども共通、当日中再入場自由)に変更されています。

館内1階奥の記念撮影コーナーに進むと、
【京王れーるランド正月'20】新5000系前頭部 「迎春」ステッカー付新5000系前頭部モックアップの展示には「TAKAO 迎春」ヘッドマークが掲出されていました。京王電鉄では、高尾線が開業した1967年度以来、'90年代に中断した時期があったものの、長らく大晦日〜元日の終夜運転で「迎光」の名前で新宿-高尾山口間に優等列車を運転してきましたが、今年から愛称が「迎春」に変わりました(加えて、昨年より愛称付きの優等列車は新宿-府中間が座席指定となる京王ライナーでの運転になっている)。

正月の展示といえばやはり、ということで屋外展示場に移動します。
【京王れーるランド正月'20】屋外展示場の保存車 装飾取り付け屋外展示場では、今年も昭和〜平成の京王を支えた名車が正月の装飾を施し、新年を祝っていました。



左から紹介していきます。
【京王れーるランド正月'20】「迎光」HM掲出のデハ64386000系・デハ6438号車です。ここの保存車両で唯一、平成に入ってから製造された車両です(1989年製造)。幅の狭いタイプの「TAKAO 迎光」ヘッドマークを掲出しています。なお、このヘッドマークは6000系引退後、「迎光」を久々に特急として運転した2012年度の終夜運転に際して、7000系に掲出するために作成されたもので、6000系が特急「迎光」に使用されていた'80年代には後に紹介する幅の広いヘッドマークが掲出されていました。種別・行き先は「迎光」らしく、「特急 高尾山口」を表示していました。
【京王れーるランド正月'20】注連飾りを取り付けたクハ37193000系・クハ3719号車です。井の頭線では近年、元日から1月7日ごろにかけて「迎春」のヘッドマークを掲出していますが、このヘッドマーク掲出は3000系が現役の時代には行われていませんでした。前面右側にある種別標識板用のフック(かつて急行での運用時などに使用された)に、注連飾りが取り付けられていました。
【京王れーるランド正月'20】「迎光」HM・前照灯点灯のクハ5723先代5000系・クハ5723号車です。往年使用された幅の広いタイプの「TAKAO 迎光」ヘッドマークと、右側には「特急」の種別板を掲出し、前照灯・通過標識灯も点灯して、往年の「迎光」の雰囲気ばっちりです。

【京王れーるランド正月'20】「絵馬電」実施中のデハ20152010系・デハ2015号車は、これも例年恒例の「絵馬電」となっています。「絵馬電」イベントは、元々2015年の年末に行なわれた大凧にメッセージを書くイベントで、メッセージが集まりすぎて大凧に収まらず、残ったものを2015号車車内に掲出するようになったのが始まりだと思うのですが、2017年(2016年度)以後、正月の京王れーるランド恒例のイベントとして定着しています。
【京王れーるランド正月'20】デハ2015「絵馬電」 絵馬掛処車内、正面から向かって左側、中央の出入台には木造の「絵馬掛処」が設けられています。絵馬は紙製ですが、裏面には京王電鉄のキャラクターである「けい太くん」と「しんごくん」が描かれているなど、京王れーるランド独自の仕様になっています。

【京王れーるランド正月'20】「迎春/令和」HM掲出のデハ2410一番右側・最古参のデハ2410号車は、なんと昭和の終焉よりも20年早い1969年に引退しているのに、“最新モード”というべき、「迎春/令和」のヘッドマークを掲出していました。このヘッドマークは後述する新5000系5033Fに掲出されていたものと同じで、これまでデハ2410号車にヘッドマークが掲出されることはほとんどありませんでしたが、これを出してくるとはまさかの展開でした。

屋外展示場を周回するミニ電車にもヘッドマークの掲出が行なわれていました。
【京王れーるランド正月'20】「迎春/令和」HM掲出のミニ電車新5000系現在、通常の運転ではもっぱらこの新5000系が使用されていますが、前面には「迎春/令和」のヘッドマークが掲出されていました。ミニ電車の新5000系は5031Fの下り(京王八王子/高尾山口/橋本)方先頭車であるクハ5781の車号が記載されていますが、実物の5031Fには今回、ヘッドマークの掲出などは行われていませんでした(昨シーズンの「迎光」ヘッドマークは5031Fに掲出されていた)。
【京王れーるランド正月'20】「迎春」HMを掲出したミニ電車9000系ミニ電車の9000系、1000系は現在予備車のような扱いになっていますが、これらの車両にも「迎春 KEIO」ヘッドマークが掲出されていました。9000系が掲出していたヘッドマークは、2017年〜2019年にかけて動物園線の7000系7201Fに掲出されていたものと同じヘッドマークで、京王線の在来型車両(7000系・8000系・9000系)に掲出されるものと同じホームベース型です。
【京王れーるランド正月'20】「迎春」HMを掲出した7000系・8000系「アネックス」に展示されている7000系クハ7706号車、8000系クハ8809の前面にもヘッドマークが掲出されていました。クハ7706は動物園線7000系7201Fに掲出されていた「迎春 KEIO」ヘッドマークが、クハ8808は2015年度〜2017年度の終夜運転で8000系に掲出されていた幅広タイプ(先代5000系が掲出していたものとは異なる)の「TAKAO 迎光」ヘッドマークを掲出していました。
なお、2018年度の終夜運転以後、京王線在来車両(7000系・8000系・9000系)には正月を記念したヘッドマークが掲出されなくなりました(7201Fも今年はなかった)。

また、本館1階のジオラマ展示コーナーにおいて、通常7000系が運転できる、入口方から2番目の運転台(他4台はT型ワンハンドルだが、これのみ縦軸2ハンドル)では、先代5000系が運転できるようになっていました。これも年末から年始にかけては恒例となっています(先代5000系の旅客営業運転からの引退が12月だったことも関係していると思われる)。

前照灯・標識灯を点灯すると予告されていた車両はクハ5723のみでしたが、この日は15時40分ごろ、
【京王れーるランド正月'20】クハ3719も前照灯を点灯!突如クハ3719の前照灯が点灯しました。






【京王れーるランド正月'20】クハ3719も前照灯を点灯 正面から真正面から撮影しました。展示車両のうち、デハ6438・クハ3719は車内が公開されておらず、車内の照明も点灯しないのですが、この2両も一応電気は接続されているらしく(現地に行くと、車両後ろ側に地面と車両をつなぐコードのようなものがつながっているのが見える)、将来的な車内の公開を見越してか、通電自体は可能であるようです。通過標識灯や方向幕装置の照明は今のところ点灯しないようです。
【京王れーるランド正月'20】前照灯を点灯した3000系・先代5000系同じく前照灯を点灯したクハ5723号車と一緒に撮影しました。今後は、さらにほかの車両(特に6000系デハ6438)の前照灯・標識灯の点灯も期待したいところです。


この「迎光」ヘッドマーク掲出イベントは、元々「迎光」(および「京王ライナー迎春」)が深夜の終夜運転で運転される列車であることから、日没後の撮影(晩秋〜冬季しかできない)が一番雰囲気が出るのですが、今回はスケジュールの都合で日没後の撮影はできませんでした。

京王れーるランドの正月イベントは1月2日(木)〜7日(火)にかけて開催されましたが、この記事で取り上げたものの他には、4日()に福袋の販売、この日5日()には「缶バッジ作り」・「吊り輪釣り」(どちらも景品付き)や「けい太くん」のグリーティング、6日(月)に現役の京王電鉄乗務員による安全教室が行なわれています。

新5000系「迎春」ヘッドマーク
先述したように京王線の終夜運転の優等列車は今回、京王ライナーが中心となり、列車愛称も長年続いた「迎光」を改めて「迎春」になりましたが、これに合わせて「京王ライナー迎春」に充当された新5000系2編成にヘッドマークが掲出されました。筆者は元日、朝から仕事だったため、この終夜運転は撮りに行きませんでしたが、このヘッドマークは1月10日ごろまで掲出が続いたため、その際に撮影しました。
京王電鉄新5000系電車(府中駅にて、'20.01.05撮影)1月5日の夜、新宿20:00発の「京王ライナー7号」(京王八王子行き)に充当された新5000系5032Fです。府中駅で撮影しました。ヘッドマークが掲出されています。


京王電鉄新5000系 5032F 「迎春」ヘッドマーク5032Fに掲出されたヘッドマークは、従来の「迎光」の意匠をそのまま、「光」を「春」に変えた「TAKAO 迎春」となっていました。京王れーるランド館内の前頭部モックアップに掲出されていたものと同じです。形状は楕円形となっていました。

もう1編成、5033Fにもヘッドマークが掲出されていました。こちらは平日の1月8日(水)、例の運用情報投稿サイト・都営新宿線/京王線のページを見ていると、ちょうど昼休み中に撮影できそうな運用に充当されていたため、下高井戸駅に撮影しに行きました。
京王電鉄9000系電車(下高井戸駅にて、'20.01.08撮影)1本前に通過した9000系9036F、特急高尾山口行きです。こんな感じで撮るつもりでいたのですが、




目当ての列車(区間急行橋本行き)が明大前を発車した頃、上り2番線に列車(7000系)が来てしまい、
京王電鉄新5000系電車(下高井戸駅にて、'20.01.08撮影)先ほどの9036Fを撮影した位置から少し上り方に寄って、さらにだいぶズームして撮影することになりました。構図的にはイマイチかなぁ…という仕上がりになってしまいました。ヘッドマークは京王れーるランドでミニ電車やデハ2410号車に掲出されていた「迎春/令和」のヘッドマークで、こちらは京王のヘッドマークではあまり見かけない長方形のものとなっていました。「TAKAO/迎春」のヘッドマークはこれから毎年見られそうですが、「迎春/令和」のヘッドマークは今回限りではないかと思います。

他に新5000系関係の話題では、2019年度に導入が予告されていた新造編成(5036F)が12月半ば過ぎに若葉台工場に搬入され、年跨ぎで試運転を行なった後、1月12日()より営業運転を開始しています(ひそかに「京王ライナー迎春」でのデビューを期待していたのだが、さすがにそれはなかった)。