2021年06月11日
2021年06月11日
東大阪繊維研究所 インド超長綿タック衿クルーネックTシャツ入荷!
ファッショントレンドから離れたデザインの派手さはないが素材や製法などにこだわった#ナニゲニイイモノを紹介します。
初回は東大阪繊維研究所のTシャツです。
このTシャツに出会ったのは昨年の秋、名古屋で生地の会社を運営するショップのお客様から『こういうのも作ってます』是非試してめてくださいと頂きました。
Tシャツを企画製造しているのは東大阪市の糸屋さんエップヤーンという会社。
糸屋さんと言っても街の手芸屋さんではなく、ニット用の糸を企画製造している会社。
さすがに糸を作っている会社だけあってTシャツを生地になる前の糸の段階からしっかりと目的をもたせて作り込まれています。
ではその目的とはなにか。
このTシャツは『長く愛着を持って着る』ことをテーマにおろしたての風合いを長く維持するため糸を作る段階から様々な工夫が凝らされています。
ではどのような工夫がされているかと言うと、まずは糸について。
新品の風合いが崩れていく最大の理由は繊維のヨレ。
洗濯して乾いたらボディが捻れてビジアルがブサイクになった!なんてことは誰もが経験ありますよね。
これには様様な要素ありますがエッフヤーンさんの説明によると大きな原因は糸にあるとのこと。
糸は撚ることで強度が増します。
1本の糸を撚ったものを単糸と言い、2本の糸を撚ったものを双糸と言います、他にも3本の糸で撚ると三子糸などと呼びます。
この辺は私もなんとなく理解していて単糸のTシャツはは薄手で斜行しやすいのでできるだけ双糸の商品を仕入れていました。
これは間違えた知識ではないのですが
、そもそもコットンの糸は短い綿をつむぎ合わせて作ります。
紡績の工程は綿をひねって撚りを加えるため捻った方向とは逆の方向に反発する力撚られた糸は少しづつ元に戻ろうと反発する力(トルク)が発生する。
生地を仕上げる段階では落ち着いているトルクは洗濯をすることで水や洗剤の影響を受けトルクバランスが崩れはじめる。
これが型崩れの原因だそうです、型崩れしたTシャツは元には戻りません。
厄介なトルクは2本以上の糸を束ねて反発方向と同じ向きに撚りをかける撚糸という加工で止めています。
で、このTシャツに使われている糸はと言いますと先程の2本で撚った糸を3本束ねて再び撚糸する『コード撚り』というまたまた特殊な撚糸方法を採用しています。
これは細番手の糸を多本撚りすることで太番手と同様の生地ボリュームを出すためでもあるのですが、糸の作りが複雑になればなるほどトルクバランスの難易度は高くなりますが、そこは糸屋さんの技術の見せどころ。
長年の経験とデータを元にどれだけ洗っても生地が曲がらないようしっかりとトルクバランスを合わさているとのこと。
エッフヤーンさんの記事では実際に外部団体でテストしたデータが添付されています。
テストした2つの生地の布目曲がり率は0.5%と0.0%。
ほとんど曲がらず縮率は1%台、メチャメチャ優秀です。
長々と書いてますがここまで理解出来ました?もうちょっと続きますので読みたい方だけ読んでください。
ではなぜトルクバランスをキープするのが難しい『コード撚り』なのか。
これは使う素材の厚さに起因します。
Tシャツを心地良く着るための要素はと言うと太番手よりも細番手をフラットに編んだ生地の方が肌あたりが良くなります。
しかし頑丈さを求めるのであれぼ太番手のしっかりとそた生地の方が良い。
ならばこの細番手と太番手の良いとこ取りすれば良いとばかりに細番手(72番)の糸を2本撚った糸をさらに3本撚り合わせて合計6本で細番手の糸を撚り合わせた太番手(12番)がを作り上げているわけです。
そして最後にこの糸で生地を編むわけですが、ここでもタフさを求めこれ以上は無理と言うところまで度詰めに仕上げられています。
これで洗濯を繰り返しても型崩れせず、厚手のしっかりとした目が詰まった生地でありながら、上質で柔らかく肌あたりの良い生地が生み出されました。
最後は製品化、縫製部分です。
前にも書いたように長く会い着をもって着ることがテーマなのて耐久性にかける複雑な仕様は避けてシンプルに仕上げられています。
肩は伸び止めのバインダー仕様、ネックのリブはビンテージの軍物などに使われているタック入のリブをこれまた度詰めで頑丈に編みたてたオリジナルリブを使用する徹底ぶり。
フ〜、まだまだたくさん書くことがありますが、あまり情報がありすぎても混乱してしまうのでこの辺にしておきます。
アパレルメーカーがリリースするトレンドベースのTシャツとは目線が違うファクトリーが作るTシャツ、私自身このTシャツを半年以上着用していますが企画の意図通り型崩れすることなく心地よく着させていただいています。
バイヤーとしての一番の驚きはその素材面もさることながらこのクオリティーを税込価格¥8,250(本体価格¥7,500)で販売されていること。
高級な超長綿を使用して度詰のオリジナルファブリックで作ったTシャツ・・・私も自分のブランドを持っているので軽く計算してみましたが生地値と縫製工賃を考えたらこの値段はまず無理、直営店でしか販売できない値段ですね。
ファッショントレンドのワイドTシャツやブランドロゴがデカデカとプリントされたTシャツはどこでも買えますが、長く着るための着心地にこだわったシンプルで良いものに出会える確率は本当に少ない。
とはいえファッショントレンドを全く無視しているわけではなく、シルエット面では肩や胸周りはややゆとりを持たせているし、脇から裾に向かって少し絞ったスッキリとした良いシルエットですよ、ワイドシルエットが苦手な大人たちにはとってもオススメ。
カラーは4色、最近リリースが少なくなったネイビーもラインナップされているのが嬉しいですね、ネイビーが好きな方は絶対お買い逃しなく。
糸屋さんが『長く愛着を持って着れるTシャツ』をテーマにこだわり抜いて作ったTシャツ、是非体験してください!
ITEM:インド超長綿タック衿クルーネックTシャツ
BRAND:東大阪繊維研究所
税込価格:¥8,250
COLOR:ホワイト・シルバー・ネイビー・ブラック
SIZE:S/M/L
6月2週目の週末。
梅雨の晴れ間、暑いですね。
もうエアコンがないと昼間は無理だなぁ、でも換気のため入口の扉を開放しながらエアコンかけるのってなんの意味あるんだろう・・・などと冷静に考え、昼間は扉を閉めてお客様が入店された時のみ扉を開放させていただく形に変更させていただきます。
それにしても今回の記事はとても時間がかかりました・・・出来上がるまで3回くらい書き直しましたがそれでもうまく伝わるか心配です。
何が違うかっていうとデザインやシルエットならの画像で表現できてしまうのですが作りの話(それも糸)になると文章が勝負、長いことブログやってますが未だこの分野は苦手でして・・・。
今回のTシャツにつてはエップヤーンさんの記事を読んでいただければたっぷり詳しく書かれてれているので興味のある方は是非読んでみてください。
ちなみにこのTシャツを作っているエップヤーンさんの新作『モンスターオンスTシャツ』(これもまた紹介できればと思っています)はクラウドファンディングで高い評価を得ていたり、様々なイベントにも出店されるなどなかなか面白い活動をされています。
こういった地方のファクトリーさんが作るワンイシューなアイテムがどんどん出てきてファッションの新しいトレンドスタイルになっていけばとても良いことだし、ロウズとしてはこういった何気に良いものをこれからもできるだけ紹介していきたいなぁ・・・と思いました。
- 「分かった!もういい、もういいって!」って言われるくらい自社のTシャツを説明してみる。-1- 素材編
- 「育てるTシャツ」自社のTシャツを説明してみる。 -2- 撚糸編
- 「ちょっともう限界です。。。」って工場長が言うくらいの感じです。新商品を説明してみる -3- 生地とパーツ編
- 「これ着てカッコよくなってください!」ということです。自社のTシャツを説明してみる。 -4- デザイン編
ちなみにこのTシャツを作っているエップヤーンさんの新作『モンスターオンスTシャツ』(これもまた紹介できればと思っています)はクラウドファンディングで高い評価を得ていたり、様々なイベントにも出店されるなどなかなか面白い活動をされています。
こういった地方のファクトリーさんが作るワンイシューなアイテムがどんどん出てきてファッションの新しいトレンドスタイルになっていけばとても良いことだし、ロウズとしてはこういった何気に良いものをこれからもできるだけ紹介していきたいなぁ・・・と思いました。
ファッションブランドからファクトリーブランドまで製品の中身重視でセレクトしたTシャツが出揃ったロウズへ是非ご来店ください!!
週末はLOEWSへ行こう!!
(今週の記事は好きな分野だけにマジで疲れた、文章力もっと磨こう・・・)