営業部、天野です。

10月7日、イラストレーターの和田誠さんが亡くなられました。

和田さんといえばハイライトのデザイン、週刊文春の表紙、星新一の挿絵・・・。
誰もがどこかでその仕事に触れていると思います。

大の映画好きとしても知られる和田さん。
後に映画監督としても活躍していますが、映画に関する本もたくさん出しています。
私が和田さんの存在を知ったのはこの本
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「お楽しみはこれからだ」です。

映画に出てきた名セリフを話題に内容を語り、その映画の一場面をイラストにした本。
高校生で映画に夢中になった私でしたが、なにせ田舎の育ち。
近所に映画館なんてありません。もっぱらレンタルビデオで映画を見る毎日。

好きだけど詳しくはないから、映画に関する書籍を色々読む中で見つけたのがこの本でした。
そこで取り上げられるのは、レンタルされていない昔の映画も多かったけれど。
まだ知らない面白そうな映画がこんなにあるんだ!という、映画の大海を示してくれた貴重な本だったわけです。

以前「新文芸坐」で行われた和田誠セレクションの映画特集。
その時のチラシ、まだ持っていました。
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そのタイトル通り、和田さんが以前見て面白かったからもう一度見たい!と思っているけど、なかなか見れない映画を集めた上映会です。
和田さんがそういってる映画なら間違いないだろうってことで、上映された14作品全て見に行きました。
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和田さんは最後尾の関係者席に座り、じっと映画に見入っていました。
一言のセリフ、場面も見逃さないというように。

この上映会で和田さんとちょっとした巡り合わせがありました。
上映後トイレの出入り口。
外へ出ようとする私と、トイレに入ろうとする和田さんが出合い頭ぶつかりそうになったのです。
私はお辞儀をして右へ避け、和田さんはトイレへ向かいました。
そのとき目があったこと、「あっ!和田誠だ!」と強く思ったことは今でも強烈に覚えています。
この会話もなかった出会いとも言えない一瞬の出来事。
私と和田さんの初めての巡り合わせであり、最後の巡り合わせでもありました。

関係性でいえばトイレですれ違っただけの他人同士。
ただ私にとって和田さんは、映画の楽しさ、奥深さを教えてくれた師匠でもあるのでした。
ご冥福をお祈りいたします。