エネルギー節約と省エネ。この2つは似ているようでいながらその内容は実は違っていて、しかもその差は最近になってどんどん大きなものになってきたと言える気がする。
節約とは何か。それは究極のところ、自らの行動を制約することで資源の浪費を防ごうという発想である。たとえばエネルギーの節約であるならば、冷蔵庫の開け閉めの回数は少なくするとか、エアコンの温度調整はあまりきつくしないようにするとか、電気はこまめに消すだとか、そのようなことである。もちろんこれらのことを心がけることによってエネルギー消費量が減少することは言うまでもない。しかしそれと同時に、それは人間がある種の行動の制約を受けなければならないということである。
これに対して省エネというのは要するに人間の方は何も行動を変えないのに同じ動作をしていても機械の方で自動的にエネルギーの消費量を抑制するということである。たとえば燃費の良い自動車。同じ距離を同じように走っても、人間の方は何も動作を変えていないのに燃費の良い自動車に乗っているというそれだけのことでエネルギーの消費量を抑制することができる。他にも省エネエアコンや省エネPC等、省エネという言葉がつくものは枚挙にいとまが無い。これらの物は全てエネルギー消費量が少ないため、人間は何も行動を変えていないのにそれらの道具を使うだけでエネルギー使用量を抑制することができる。しかもその省エネ性能の向上は最近は顕著だから、昔と何も変わらない生活、それどころか昔よりも便利で快適な生活になっているのに、エネルギーの消費量は減っているという生活が実現できているわけである。今後も資源エネルギーを利用しつくすために省エネ技術の発展が進むことになると考えられるのである。