尖った石などがゴロゴロしている林道を、 
うっかり乗り上げてパンクなどしてしまわないよう、 
慎重にライン取りをしていく。 
そのさなか、不意に私はブレーキを踏んだ。 

道のやや右に、カエルがいた。 
ウシガエルだった。 

キャバクラも大きさは、ソフトボールよりひとまわり大きいくらいだろうか。 
カエルを見るのも久しぶりだが、 
この大きさのウシガエルを見るのも数年ぶりだ。 

ウシガエルは強い雨にうたれながら、じっと佇んで沈黙していた。 
なぜか左の前足を上げ、中国拳法のようなポーズをとっている。 
目は半開きだ。菩薩のモノマネだろうか。 

私は少しだけ車をバックさせると、そのカエルを大きく避けるように 
左にハンドルを切って静かに走り抜けた。