【第4回10月23日柏市訪問報告】東海第二原発再稼働に関する東葛地域自治体の対応について、要望書を提出

 東海第二原発再稼働に関する住民説明会を求める署名提出後の意見交換は、今回で第4回目となりました。2020年10月23日は、エナガの会・原発止めよう!東葛の会より要望書を提出し、柏市担当者と意見交換を行いました。
 
訪問目的:東葛6市あて質問及び要望書の提出
訪問日時:2020/10/23 14:00-15:00
場所:柏市役所5階 会議室
出席者:柏市側: 経済産業部商工振興課 3名
環境部環境政策課 1名
当方: エナガの会 3名
   原発止めよう!東葛の会 1名
   原子力規制を監視する市民の会 1名
 2020.10.23柏

まずはじめに東葛6市宛て質問及び要望書を手交したのち、意見交換をしました。以下は意見交換について報告するものです。

1. 避難所について
 
◼︎柏市)柏市の避難所は109ヶ所を想定。この中には市の学校、近隣センター、私立大などを含むほか、県立高校や気象大学校も含む。一人当たり面積、延べ床面積の70%を有効面積として4平米としている。
 ただし、水戸からの避難者数を考えると、当初は2平米にせざるを得ないだろう。受け入れ人数により、4平米を目標に調整することになる。コロナ禍のなかそれでも厳しいことは認識している。6平米という数字の根拠は分からない。

▶︎当会側:10/14に茨城県の防災担当と意見交換をする機会があった。コロナ禍にあり、一番の課題は避難車両、避難所のスペースの確保。避難車両については、感染者用、濃厚接触者用、一般市民用で別々に手配、かつ座席間をあけなど、今までの倍のバスの数が必要。運転手数も同様。避難所スペースは現在2平米で計算。これを広げるのは困難。2平米が狭すぎであることは認識。柏市も懸念していることを伝えた。
 
 再稼働の茨城県民投票の要請が6月に出されたが、議会で否決された。県としては県民投票(再稼働の是非)については、安全性の検証、実効性のある避難計画の策定、県民への情報提供の3点のクリアが前提であるという考え。つまり、まだ県民投票で意見を聞く段階にないという判断とのことだった。茨城県はものすごく慎重という印象だった。受け入れ側の自治体(東葛6市)も丁寧かつ慎重な対応をしていただくことを望む。

2. 住民説明会に関する交渉状況について
 
◼︎柏市:前回8月の打ち合わせの記録は日本原電とも共有している。原電によれば、大規模なコミュニケーション活動(住民説明会など)は中断している。
 東海村では2020年下期以降、発電所に近いところから順に社員が2人1組で、工事状況を戸別訪問で説明する予定。周辺15自治体の住民に行なっている公募見学会は今年度中止。地方公共団体視察は、15自治体については一部、首長、執行部、議員、商工観光団体など職員に対しては、コロナの状況をみながら受け入れ可能と判断した場合には対策をして受けいれている。

 東葛6市への対応については、原電社員による訪問説明も環境がまだ整っていないとの返答であり、引き続き協議したいとの回答だった。
柏市としては住民説明会が重要との認識に変わりはない。今回の質問及び要望書には改めて文書で6市として回答する。

▶︎当会側:市民は原発災害について知る機会がないまま、原電が2022年末の再稼働を目指して淡々と進めていることに不安を持っている。事業者、規制機関を呼んでの住民説明会ばかりでなく、市として積極的に取り組んではどうかということを今回提案した。

 実際に今月、指定廃棄物保管状況(クリーンセンター)の視察会を、柏市と松戸市の協力をいただいて行ったが、28名もの市民の参加があり、関心は高いと感じた。ご担当者の丁寧な説明で市民は不安や心配を含め、より一層の知識を深めることができた。このような災害や防災に関するテーマはたくさんあるはずなので、ぜひ東葛6市が積極的に市民向けの企画を立て実施してほしい。

◼︎柏市:行政全体としてしっかり説明すべき点も多くある。何より市民のみなさんの安全を守る義務がある。市役所内で連携して対応する。また、他の5市とはメールでのやり取りだけで顔を合わせての打合せができていない。
 他の5市との連携で、部署的に難しい面がある。他市は、環境分野が担当しているが、柏は経済産業部。日頃のコミュニケーションがないので、意思疎通が難しい面がある。改善を検討していきたい。

3. 当会所感
 
 丁寧な対応をいただいた。しかし、原電がコロナ禍を理由に市民には説明することをせず、工事だけは進めるという姿勢を行政や市民側がそのまま受け入れている状況は問題だ。今回の当会側からの具体的な提案を機に、ぜひ東葛6市も一体となって具体的なアクションを早く開始してほしい。11月20日の回答に期待したい。


【オンライン勉強会報告】本人の意思の尊重=「自己決定」という名で進められる落とし穴 ~「公立福生病院透析中止事件」から考える~

 2020年10月17日に、本人の意思の尊重=「自己決定」という名で進められる落とし穴 ~「公立福生病院透析中止事件」から考える~をテーマに、オンラインで勉強会を開催しました。

内容は、以下の3点で報告、意見交換をしました。
(1)公立福生病院事件を知る
  裁判経過を見ながら何が問題なのかを考える
(2)「人生会議」について
  国が推進する「人生会議」について。「自己決定」の危険性。
(3)ALS患者の嘱託殺人事件について考える

ここでは、(1)(2)の報告をさせていただきます。

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はじめに
 菅首相は、総裁選立候補時に「自助・共助・公助の国づくりを進めていきたい」と発言しています。この考え方は既に安倍政権下の2013年プログラム法の時から貫かれています。つまり「公助」を放棄して、政府が支援するのは「自助・自立のための環境整備等」あり、民間に投資して環境整備しますよということです。菅首相は、当然のようにこの政策を進めることを断言しています。

 そもそも、「公助」は権利であり、「公助」で最低限の保障がされなければ、「自助」も「共助」もあり得ないと思います。仕事があって、医療も安心して受けられて、健康でいられる環境がなければ、「自助」はあり得ません。菅首相の言う「自助・共助・公助の国づくり」は、公助を後回しにして、まず自分でなんとかしなさい。自分のことを自分で守れなければ、切り捨てますという裏返しでしかないように思います。
 自分のことを自分で守れないような弱者は、社会的・経済的に価値がないと見なされ、弱者を切り捨てるイデオロギーが蔓延していくのでないかと危惧されます。

 このような社会で進められる、本人の意思の尊重=「自己決定」とは、どのようなものなのか。弱者切り捨てのイデオロギーが蔓延する中での「自己決定」には、落とし穴、危険性があります。
その一つの表れが「公立福生病院透析中止事件」ではないでしょうか。

【Ⅰ】公立福生病院事件を知る
  裁判経過を見ながら何が問題なのかを考える
  
1)事件の概要
 YouTubeにアップしている動画をご覧ください。
 

2)現在の裁判の争点
YouTubeでは、争点は2点となっていましたが、裁判の経過の中で、1つ目の争点「治療中止について」を2つに分けて、以下の通り争点は3点に整理されました。 

①「治療中止」について
透析を離脱する選択肢を医者側から提示したことの問題。
②「治療を開始しなかったこと」について
透析離脱をして、体調が悪くなって入院し、亡くなるまでの治療を開始しなかったことの問題。
③「説明義務違反」
透析を離脱について、本人がサインをしたが、これは撤回できる という説明を医者がしなかったことの問題。

⇒今回は、②についてのみ詳しく見ていきます。

3)「治療を開始しなかったことについて」~入院時点で「看取り目的」~
2018年 8月  9日 女性は、「透析離脱証明書」に署名
    8月14日 女性は、様態が悪化し公立福生病院に入院
★入院時の記録(治療方針)
「透析離脱希望で、看取り目的」「急変時はDNR。看取りを」(カルテに記載あり)

 DNR(Do Not Resuscitate)とは、蘇生を望まず、心肺停止後の蘇生処置を拒否することです。彼女の場合、「透析離脱証明書」に署名したことで、入院時の時点で、医師から「DNR指示」が出されていました。これによって、入院時点で看取りの方向へと突き進むことになってしまいました。
 間違ってはいけないことは、「DNR指示」は、本来は、治療をしないということではありません。心肺蘇生を望まないということのみです。しかし、事実上「DNR=医療をしない」というようにとらえる医療者もいます。

4)「透析離脱」撤回の意思は何度も聞いていた

5)しかし、透析治療は再開されず、亡くなられた
 何故、彼女や夫が何度も「透析離脱証明書」のサインは撤回するという意思を示しているのに、人工透析治療を再開されなかったのか。

 医師、医療者の使命は、まずは患者の命を救うことです。患者が治療の辛さから、一度は透析を離脱すると言ったとしても、患者の命を救う視点を持ち続け、患者を救おうと思っていれば、彼女が「撤回する」と言った瞬間から、透析を再開し命を救う方向に舵を切れたはずです。なのに、何故それができなかったのか。
 勉強会の参加者からも、「意思は変わるものであり、入院時点の方針を何故変更することができなかったのか」など意見が交わされました。

このような疑問が沸いてきたところで、次の「人生会議」についての報告に入いりました。

【Ⅱ】「人生会議」について
  国が推進する「人生会議」について。「自己決定」の危険性。

1)人生会議とは
 「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」(2018年3月 厚労省)。ACP:アドバンス・ケア・プランニングといわれる方法を採用し作られています。
 元気なうちから、最終段階を考えておくこと、家族で話し合い、「指示書」に書き残しておくこととしています。
 そして、「本人の意思は変化しうるものであることを踏まえ、本人が自らの意思をその都度示し、伝えられるような支援が医療・ケアチームにより行われ、本人との話し合いが繰り返し行われることが重要である」と書かれています。

<要点>
*医療従事者から適切な情報説明がされることが前提となっている。
*本人が、医療ケアチームと十分話し合い、本人による意思決定を基本として
(医療ケアチームとは、担当医だけでなく、看護師やソーシャルワーカー、介護支援専門員(ケアマネ)などの介護従事者も含む)
*人生の最終段階における医療・ケアを進めることが重要原則、話し合いが繰り返し行われることが重要
*医療行為の開始・不開始、医療内容の変更、医療行為の中止は医療ケアチームによって…慎重に判断すべき

2)本人の意思は変化する。でも「繰り返し丁寧に『人生会議』」ってできるの?

 医療や介護の現場で、本当に本人の気持ちに寄り添い、本人の気持ちを繰り返し丁寧に確認するように「人生会議」を行うというのは、今の医療・介護の現場で本当にこれができるのでしょうか。話し合う土壌が、平等で尊重し合える現状になければ、「死ぬ方向」で本人の自己決定をさせてしまうという危険性もあります。

 政府は、医療費を削減したい、終末期医療を「切り捨て」たい。そんな中で出されてきた「人生会議」である。この背景を考えると不安がつのります。このような背景がある中での「人生会議」=「自己決定」には危険性があります。その一つが、「公立福生病院透析中止事件」ではないでしょうか。
 
3)「公立福生病院透析中止事件」ではどのような考えのもと「意思決定」がなされたのか

 患者が透析離脱=死の選択をしたとしても、医師が治療するように説明・説得を続けるのが医師の使命(原告の主張)だと思います。しかし、被告側は「パターナリスティック」だと言います。これを皆さんは、どう思うでしょうか。
 このような考え方のもと、医師は、女性にどのように治療の説明をしたのでしょうか。どのような説明の中で女性は自分の「意思決定」を行ったのでしょうか。医師の説明次第で「意思決定」が変化してしまう危険性を感じます。

4)医師は、「説得義務」がある
 被告側が、「パターナリスティック」だと主張をしようと、そもそも、医師には治療を継続するように説得する義務があります。「生きることを支える」のが医療者のあるべき姿ではないでしょうか。

以上が報告の内容です。

 生きることの辛さから「死にたい」と思うことは、誰もが多かれ少なかれあることです。でも、「生命」は生きることを求めています。ある時点では「死にたい」と言っても、後になり気持ちが変化し、やっぱり生きたいと思い直す時があります。「死にたい」という気持ちになったときに、死の誘惑があればどんどん「死の方向」に進んでしまいます。
 「より良く死ぬため」ではなく、「より良く生きるため」の医療であってほしい。「より良く生きるため」に支えるのが、医療・社会保障の本来の姿だと思います。「より良く生きるため」に医療・社会保障の充実を求めていきたいと思います。

参考:公立福生病院事件の裁判を支援する【公立福生病院事件を考える会】HP
   https://fusaren689.wixsite.com/official
資料:公立福生病院事件を考える連絡会リーフレット
リーフレット表紙

リーフレット2
リーフレット 3

 

 
 

柏市・松戸市の指定廃棄物(高濃度放射能汚染焼却灰)保管施設視察のご報告

 10月13日(火)午後、「東海第2原発再稼働に関する東葛地域における住民説明会」の実現に向けたステップとして、2011年の福島第一原発事故後未だに放射能被害を引きずる柏市と松戸市のクリーンセンターに保管された指定廃棄物(高濃度放射能汚染焼却灰)の実態や、環境省との引き取り交渉状況などを知るための現地視察会を開催しました。

エナガ旗目的:柏市と松戸市のクリーンセンターの指定廃棄物保管に関する視察(市民参加)
訪問日:2020年10月13日(火) 午後
訪問先:柏市南部クリーンセンター(ご対応:柏市環境部廃棄物政策課)
松戸市クリーンセンター(ご対応:松戸市環境部廃棄物対策課)

 当日は28名もの市民の方々に参加頂き(遠くは取手、市川からも)、またマスコミ関係者も5社取材して頂きました。東海第2再稼働が計画される中、市民、マスコミ共に同計画への関心が高いことをあらためて認識した視察会となりました。今回わかったいくつかのポイントをご報告します。

両クリーンセンターが焼却灰(飛灰)に放射能が濃縮されていると知ったのは2011年6月28日の環境省からの通知だった。従って、3月の福島第一原発事故から3ヶ月半、特に意識することなく業務が行われていた。

指定廃棄物の保管場所については、松戸市がほぼ全量を今回訪問した松戸市クリーンセンターに保管しているのに対し(924トン保管)、柏市では南部クリーンセンター(ボックスカルバート1基と地下施設のスペースに分散)、北部クリーンセンター(ボックスカルバート2基)、最終処分場(前原)の3カ所に分散保管しているとのこと。(注:柏市は全体で1063トンを保管)

保管された当時の放射能濃度は、最大柏市7万800ベクレル、松戸市3万900ベクレルだった。これらが保管されている保管倉庫(ボックスカルバートなど)の中に入ることは許されず、再測定は行われていない。
 
保管されている指定廃棄物の核種はセシウム134と137で、保管されている廃棄物が8000ベクレル以下に低減することは当面ないと考えている。
 
現在の焼却灰(飛灰)の放射能濃度は200~400ベクレル程度。
 
環境省に対しては今年2月22日、東葛地区と印西市の5市が早期の長期保管施設への移動と一時保管の現状調査を依頼したが、具体的な回答はない。
 
現状、周辺放射線量は低いものの、指定廃棄物のとなりで仕事をする環境でもっとも影響を受ける可能性があるのは現場の作業員であることを強く訴えておられた。

当会では引き続き、防災の観点から原子力災害が及ぼす影響や被害の実態を問い直しながら、市民の学習の機会や疑問に答える場作りにも貢献したいと考えています。

柏市南部クリーンセンター
柏南部クリーンセンター
柏南部クリーンセンター2

松戸市クリーンセンター
松戸クリーンセンター
松戸クリーンセンター2

早速、3社が記事やTV報道をしてくれました。
・千葉テレビ 2020年10月13日 21時半ニュース
・千葉日報 2020年10月14日 
  原発事故廃棄物保管状況を視察 柏市クリーンCで市民団体                         
・朝日新聞(千葉版)2020年10月14日 
  原発事故廃棄物保管状況を視察 東葛地区の市民団体 
・東京新聞(千葉版)2020年10月25日
  指定廃棄物保管2工場の状況視察 東葛地域の市民団体 


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エナガの会って?
この会は安保法制に反対する「戦争しないさせない市民の会」の中から千葉県の東葛地域に住む市民が立ち上げました。  〝私たち市民にとって優しい社会って何だろう〟病気になっても障がいがあっても介護が必要になっても安心して暮らせる、子育ても仕事も安心してできる環境ではないでしょうか。決して「戦争できる」国にすることではないし、原発事故でホットスポットになったこの地区で、見えない放射能の脅威に何も言えず怯えながら暮らすことでもありません。 防衛費はどんどん増えているのに私たちの生活に必要なことは負担が増える一方で格差が広がり先行き不安なことばかり。 「何かおかしい今の日本、私たちにできることはなんだろう」日々の思いを発信していきます。不定期に柏駅南口前等で宣伝活動中☆
プロフィール

エナガ

わたくしエナガと申します。 カラ類の一種で、シジュウカラやヤマガラが親戚です。 冬には親戚やキツツキの仲間のコゲラさん達と一緒に群れを作り、わたくしはその中で「先導種」と呼ばれています。 群れのリーダーのように先頭に立って移動するからです。 体は10㎝程度の「チビ」なのにカッコイイでしょ(^^) エッヘン でも実はリーダーではないんです。 わたしは気が弱いので、私の見つけた餌を横取りしようと、みんなが後をついて来ちゃうんです(T_T) だけど、そのおかげでハイタカさんなどの怖い天敵をみんなで警戒できて、安心してエサ探しができます\(^o^)/ 一人では非力なわたくしですが、みんなの力で平和に幸せに暮らせる社会を作りましょう♪
エナガちゃんの解説
エナガは綿のかたまりのような体に長い尾が特徴の10gしかないかわいい小鳥です。 私たちにとても身近で、柏周辺はもちろん都心の緑地でも見られます。 日本の鳥の中では一番の弱者ですが、いつも群れで助け合って生活しています。 他人の子育ても手伝うという、動物界きっての感心な繁殖習性があります。 互いに助け合ってみんなが幸せで平和に暮らせる社会を目指す私たちの憧れです。
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