2016年03月

2016年03月09日

3/9

甘い恋は別腹。


そう言って次々と新しい男をムシャムシャ。口まわりを汚している。
汚している女に五寸釘8ダース着払いだ。
やめとけ素人のグータンヌーボ。しかし、街のあちこち、女性3人組をよく見かけ。この街もそう、止まらない。ガールズトークが止まらない。
3人揃うと何故か生まれる無敵感に。くすくす笑われてるんじゃないか、何となくビクビク過ごす毎日。こわいす女性。



桜が終わると40デニールらしい。そのことは人の歌の歌詞から学んだ。
普段ストッキングはかないからデニールて単位にピンと来ない。アメリカ人が自分の家の敷地の広さ自慢するときのエーカー並にピンと来ない。
しかし男として生きていく以上、デニールについてそんなに詳しくなくてもきっと困らないが。
季節やコーディネート、更に足が大好きな男ウケの良さまで計算して、日々デニールと向き合う女性たちに尊敬もおぼえるのです。



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中洲のドンキホーテに入ったのは久しぶりだった。

元々ドンキホーテが好きだった。久留米に住んでいたころは用もないけどウロウロした。特に週末、ほんとにキティちゃんのサンダルをはいた若者たちが化粧品や柔軟剤、不健康な食料品をカゴいっぱいに詰めてレジに並ぶ姿は何となくこれから始まる休日の夜を祝っているように見えてその雰囲気に浸らせてもらってはわくわくした。彼女たちは決まって黒い軽に乗っていてリアガラスにでっかいAの文字。浜崎あゆみは彼女たちの心の傷の代弁者。勝手にそう思っていた。
しかし時はたち、浜崎あゆみも落ちぶれたセレブ特集みたいなのでシワシワになったスッピンの写真を載せられていたりでAはあまり見かけなくなった。じゃあ今、ドンキには誰がいるって。答えはすぐに出だ。店内に流れるあのミュージック。

「ドンドンドン
ドンキー
ドンキホーテー

我愛爆買激安深森〜♪」

ドンキホーテは中国人が支配する激安ジャングルにその姿を変えていた。
ここでも中国人かと。少し肩を落としたが、昔と変わらない店内の空気感。ラブが止まらなかった。ふと手に取ったストッキングは確かに激安で、パッケージにはセクシーな女の足が男を誘うかのように組まれていて、チープなエロさを演出していた。
120デニール!
120デニールとは一体どのくらいの厚さなのか。まだ終わりそうで終わらない冬にちょうどいいのか。何かの罰ゲームで被ってもせっかくの面白い顔が見えなくて顔のない戦隊ヒーローみたいになるのか。
わからなくて開けたくなった。


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小さな居酒屋に入るとスーツを着た男たちが大騒ぎしていた。チェーン店だと気にならないけど、小さな居酒屋だと目立つ。たまらなくうるさい。静かに飲みたかったのにゲンナリだった。かと言って注意する勇気などもちろんないし、場所が居酒屋なだけに彼らのほうが正解な気もした。
着慣れないスーツの感じから、新卒の子の同期の集まりで。おそらくバリバリの営業職で、最近研修が始まったばかりで絆を深める為の飲み会だと予想した。
少し太ったやられキャラの子がいじられてつっこむの繰り返し。うるささに対する嫌悪感もあるけども、一ミリもおもんないと心で思った。けど自分もたぶん酔ってるときまわりから見たらあれと同じなんだろうと、落胆もした。一人だけ女の子いて、あんまりかわいくもないけど、女の子ひとりなので。その中ではやはりアイドルで。誰が一番カッコいい?みたいなこと聞かれて、浮かれているように見えた。



ボウコウがパンパンになった頃、僕はスリッパの右と左を間違えながらトイレに向かった。2階の席から狭い階段を下りトイレに向かった。
トイレの前に立っていたのはさっきチヤホヤされていた女の子で、ほとんど泣きながら電話をしていた。完全に彼氏だ。
盗み聞きと尿意。天秤にかける余裕もないほどボウコウパンパンなのでトイレに入った。
出てきてもまだ泣いていた。春は別れの季節なのか。
事情は知らないけども、この子は浮かれているのではなく、まわりに合わせて浮かれているフリをしていただけで。学生時代から大切にしてきたものをこれからも大切にして、新しい環境に染まりながらも、決して流されはしない立派な大人になるのだなと、数秒で感じた。レオパレス並に彼女を応援したくなった。さっきはうるさいて思ってごめん。いやなんやったら、あのやられキャラのちょっと太った男の子も。頬っぺたを次々とビンタされ続けてて、「いや、左だけ」て返しは。それだけはクスッと来たぞと。
階段を上ったら伝えようと、二段飛ばしの一歩目を踏み出した。









22:18

looseness at 22:14|PermalinkComments(0)TrackBack(0)