2010年05月29日

ヒキド


扉は引き戸。丁寧に書いてくれてたから間違っても押さない。
音が漏れないようにそれは少し重く、ゆっくりゆっくり閉まるようになっていた。

薄暗い空間に10人程度か。みんなそれぞれ壁際にすわっていて、中にはしゃがみこんで話をしてる人もいた。スピーカーから外国人が叫んでいるだけのうるさい曲が流れていて。さっきからちょくちょくキョウコちゃんが喋ってるけど半分くらいしか聞きとれない。
たぶんあと10分で始まるだとかそんなことを言っていたと思う。私たちもステージ脇の壁もたれてなるべく目立たないようにしていた。

待っている時間は長い。ステージは黒いカーテンで覆われていて。そのカーテンの向こうであっちに言ったりこっちにいったり人影が動くのがわかる。スタッフの人だろうか。お化粧系だろうか。とにかく落ち着きがなくウロウロ。そしてたまにギターのジャーーって音だったりドラムの太鼓のツタタンて音だったりが漏れて。あ、向こうにいるんだって気持ちになった。ときどきもれてくる音は刺激的で。はやくはやくって。影を追いながらまだかまだかと。長い。

しかしさっきまでのドキドキですっかり忘れていたお腹の痛みが。なぜかここにきて思い出してしまい、更にそれはすぐに腰の痛みへとかわり。ずしりときて思わずしゃがんだ。なんでこんな日にかぎってかな。

「大丈夫ーー!?」

耳元でもう叫んでるに近いくらいのトーンで聞いてくる彼女の声が刺さる。ありがとう。ありがたいけど、ちょい黙って。にこっと一回私は笑ってみせた後、床を覗き込みその木目を目でおった。楽しみけど帰りたい。色んな気持ちが混ざり合った瞬間。
フッと。フロアの電気が暗くなるのがわかった。その瞬間後ろから小さな悲鳴がひとつ。

キャッ!っと思わずもれたような黄色い声援。振り返ると10人くらいしかいなかったずの店内には。外のヤンキーなどを含め3倍くらいになっていた。
そして無機質に黒いカーテンがスライドすると同時に想像を遥かに越えた音量と。長髪の四人組。
立ち上がった。少しだけ立ちくらみはした。











(土)0:06



looseness at 00:10│Comments(0)TrackBack(0) お腹いたい 

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