2009年07月24日

ノスタルジーを越えて

090724_1923~01私の生まれた町
沼田町のカフェ
『昭和プラス』での
ロケット姉妹ライブ
無事終了しました。

カフェ『昭和プラス』は
私も初めてだったのですが
あまりに洗練されてて、すてきで、何より
お店をやっている人の「求めているもの」が
ちゃんとそこに、目に見えて、
カタチになっている・・・・

というゆるぎないベースが
おしゃれなだけで終らない
しっかりした安定感となって迎えてくれる
とても素敵な「場」でした。


そして、カフェの壁には
見覚えのある水玉模様が。

なんと、今回のライブのステージの為に
カフェのスタッフのしのぶさんが
ロケット妹ユキちゃんのアルバム
『アコーディオン日和』のジャケットのイラストに合わせて
和紙を切り抜いて
壁を飾ってくれていたのです!!


札幌から来ていたロケット姉妹追っかけ隊はみな
それに気付いて大感動。

もちろん、ロケットの2人も
早くその、嬉しい気持ちをMCで伝えたくて
何度かフライングトークをしては
互いに牽制する有様。


そんな中、
ライブは
「去りし日に出会うなら」からゆるゆると始まりました。


ステージに向かって椅子を並べるのではなく
広いカフェに、いつものように
テーブルと座り心地のいい椅子が配置され
マイクは無しなのにちょうどいい響きで唄が会場全体に届く中
一人ひとりが、自分の想い遣る方を見つめながら
流れてくる音楽に
何かを浮かべて託すような。


私には、とても長い時間のライブのように感じられました。
すごく色んなことを考えたような。
自分がなめらかな水色になって旅をしたような。


そして後半の、ラ・カテナ・ダモーレから
ぎゅうっと客席の人たちの気持ちや集中力が
収斂していくように感じて、
夜がふけていくのに合わせて
ユキちゃんの声もどんどん透明になっていって。


アンコールで
「月の河」を歌ってくれてありがとう。
とても嬉しかった。


よしもとばななに、
故郷に帰って、かき氷の店を始める主人公の出てくる
『海のふた』という作品があります。


そこは海辺の観光地で
ずっと小さな町ではあったけれど
子供の頃はそれなりの賑わいがあった故郷が
今はさびれて淋しくなる一方で
そこで失われ、
自分の心がこんなにも惜しんでいるものは一体なんなのだろう?
そして自分に何が出来るのだろう・・・

そう思いながら、考えながら、
自分の納得をずらさない為の地道な繰り返しの日々の中
自分の仕事と自分の場所を毎日築いているという実感に
時折、胸がつまるほどの幸福を憶える。

そんな、地味な暮らしの向こう側を見つめ続ける主人公が
心身のダメージを癒しに訪れた知人に
かつて、そこで暮らしていた人たちの、なんてことない、でも
確かな心の拠り所だったのに
今は消えてしまった小さな飲食店たちの思い出を伝えて
こう語るシーンがあります。

 「もしも、そういうものがいつでも必ずたったの数年で、
  しかもお金が理由でなくなってしまうんだったら、
  私は何をあなたみたいな、はじめて来た友達に自慢すればいいの?
  そういうすてきなものがのこせないのに、
  いったい何が続いているっていうの?
  何を支えに毎日を続けていけばいいの?
  すてきなものがどうせ何ものこらないなら」

 
 沼田町は私の生まれ故郷だけれど、
 もう親戚もいなくて、私にはいい思い出があるだけで
 私自身が何もそこのために出来るわけでも
 何の現実を背負える訳でもないということが
 私には負い目のように感じられて、
 ずっと遊びに来ることもなく20年以上が経っていたのです。

 昨年、思いがけなくそこに新しい友達が出来て、
 その新しい縁を怖がらずに受け取らなくてはと私は思った。


 どんなことにもいい面と悪い面があって
 古いことにも新しいことにも
 嫌なことや暗いことが必ず含まれている。

 思い出しか残せない人生と人の営みかも知れないけれど
 その思い出さえ、暗闇に浮かぶから輝く儚い光なんだと思う。

 歌だってそう。
 そんな闇の豊かさが、歌を支えてる。 

 そんなちっぽけなものを素敵だと言うことは怖い。
 何か、この世には
 もっと大きくて強くて確かで
 抵抗出来ないものがありそうだから。
 
 だけどそのちっぽけなものを
 素敵だといい続けられるだけの自分を保つ為に
 毎日の暮らしがある。
 それをただの綺麗ごとにしたくないという意志を持つことにだけは
 限りなく自由なはず。

 ちっぽけで、儚くて、
 沢山の抵抗を呼び寄せてしまうかも知れなくても
 自分にとって確かと思うものに素直に手を伸ばして
 生きていくことでしか
 自分は何も生み出せないのではないだろうか。

 そうすることだけが、
 今の時代に今生まれた自分が
 出来ることで
 もしかしたら
 この世に残せるものなのではないだろうか。 

 ちっぽけで儚い思い出を作ってるだけかも知れないけれど、それは
 ノスタルジーという後ろ向きのエネルギーに寄りかかるのでもなく
 暮らし続ける、
 地味な繰り返しの中
 毎日新しいそこでしか生まれないものを生み出していくこと。


 そんなことを「昭和プラス」というカフェの名前にまで
 勝手に感じて
 ロケット姉妹の仲間と、そして地元の友人たちと
 カフェオーナー上林さん&スタッフしのぶさんと
 夜が更けるまで打ち上げを楽しんだ夜でした。


 ロケット姉・扇柳トールさんのブログでの報告はここここ
 ロケット妹・タテヤマユキちゃんのブログではここここ
 ロケット兄嫁・地元沼田町共犯新聞での報告はここ

lora2003 at 23:57│Comments(6)TrackBack(0)clip!ライブ | 

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この記事へのコメント

1. Posted by マルカート(タテヤマユキ)   2009年07月27日 23:46
 mikaちゃん〜、金曜日は本当にありがとうね!
受付のところにちょこんとすわって、
のんびりリラックスして聴いてくれている
mikaちゃんの姿、今でもよく浮かんできます。
あんなふうにライブをあじわってくれててありがとうね。

 そして、こんなうれしい記事を本当にどうもありがとう。
昭和プラスの上林さんやスタッフのおふたり、
共犯新聞の久保さん、若林博士やお仲間みなさま、
足をはこんでくださった沼田町のみなさまに、
大きな声で「ありがとう!!」の気持ちでいっぱいです♪
           ロケットいもうと=タテヤマユキ

2. Posted by mika@香聡庵   2009年07月29日 01:36
ロケット妹=ユキちゃん

本当にすてきなライブで。
というか、やっぱりいつもと違った(笑)
場所が違うのだから当然で、
でもそのことが素敵ということで。

私の座ってる場所から見ていると、
ステージも、空間全部も、時間も
なんだか薄墨色のつぶつぶに浮かんで滲んでる感じだったの(笑)
いつか見た夢を思い出してるみたいな。
セピア色をちょっと夜バージョンにしたような。

共犯新聞ネタでトールさんブログも盛り上がってますね(笑)
またカフェ昭和プラス、行きたい!!
また一緒に行こうね〜〜♪
3. Posted by 扇柳トール   2009年07月29日 02:29
すまた町、住んでみたい町その2になりました。
1は今金町。
今金町には姉も住ませてあげたかった。
いろいろとありがとう。
4. Posted by 久保AB−ST元宏   2009年07月29日 09:43
姉さんは長女じゃなかったんですまた。
5. Posted by mika@香聡庵   2009年08月05日 20:54
トールさん:

以前、aasian kukka 余市ライブのうちあげで
仁木に寄って貰った時、うちにいた若夫婦の
奥さんの方の実家が
今金町の酪農家なんです(あの時話したかも)。

そんなにトールさんが住みたいという今金町で
ロケットの打ち上げがある時には私も行きたいな。

でも、No.2の座だなんて、すまた町すごいな。
ぜひ一度くらい住んでください。
私も一度は住んだ町ですから。
6. Posted by mika@香聡庵   2009年08月05日 20:59
久保AB-ST元宏さん:

嫁に来たばかりで知らないのは当然ですが
ロケット一族は海越家に継ぐ大一族。
今世紀中の全体像把握は無理と言われてるのです。

参考までに、海越家の家系図を見て勉強しておくように。
http://ha4.seikyou.ne.jp/home/nodo/ufamily/

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