2013年07月

2013年07月30日

シルエット

ビル、街灯、ネオンの明かりが錯綜する不夜城。
彼女は笑いながら人の行き交う交差点に飛び出す。
踊っているかのように後ろに振り向き、痛いほど無邪気な笑顔で私を手招きしている。

彼女だけが周りの景色から独立して、彼女の気配は街中には不似合いなほどの軽快さを持っている。

まるで街中の明かりは全て彼女とその動き一つ一つを際立たせるためにあるかのよう。
まるで彩りをなくした世界で彼女だけが色を帯びることが許されたかのよう。

私も彼女に向かって飛び出して、彼女は両手を挙げて飛び付くかのように私に抱きつく。
私は彼女を抱え上げたまま、目を合わせながら、舞うかのように回していく。
笑い合う私と彼女は、周りに人が溢れかえりながら、世界で二人だけになったかのようだ。

視線を引き寄せるような挑発的な美貌に、厚めの化粧の中に隠しきれない無垢さを持つ彼女。
艶のある長い髪は光をはじきながら、微かな風と遊んでいるかのように舞う。
細長いシルエットは、身体のラインが一層際立つ布生地のロングドレスを纏い、明かりを背景に輪郭を帯びる。

彼女は何よりも美しく、彼女を見るだけで胸が締め付けられる。

lost_and_free at 20:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 世界が泣いている。 

2013年07月24日

うつくしい女性

うつくしい女性に形容詞は必要ない。
彼女がそこにいて、周りを所在なさげに周りを見回すだけで私に意味がある。
それ以上の意味付けは必要ない。

彼女はスレンダーな身体つきをしていて、派手なファッションをしていなかったが、身体のラインが際立つ格好をしていた。

何よりも彼女の目だった。
彼女と目があった者は、その眼差しに反応せざるを得ないような目をしていた。

彼女と見つめあったら、それだけで十分な気がした。
嘘も言い訳も偽善もいらず、彼女の前では自分自身を保てるような気がした。

lost_and_free at 13:04|PermalinkComments(0)TrackBack(0) diary。