????LOTUS? 35号表紙)


発行人/事務局:酒卷英一郎
会計:志賀 康
編集部:丑丸敬史、表健太郎、九堂夜想、曾根 毅

■平成29年(2017)4月印刷発行
■頒価1,000円(税・送料込)


特集/LOTUSレポートⅢ 酒卷英一郎「阿哆喇句祠亞 ataraxia」評


【巻頭随筆】 
鳥と、星と ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・佐々木貴子

【特別作品】 
鈴木 純一「祝祭・流離・藝能」  
   灯ともして家は青田のただ中に
   ぶちあたる蛾はまたぶちあたる

松本 光雄「仕 口」
   風紋が濃くなってゆく雁の列
   黒土の黒霜柱ありにけり

【特集/LOTUSレポートⅢ 酒卷英一郎「阿哆喇句祠亞αταραξια」評】
酒卷英一郎「阿哆喇句祠亞αταραξια」五〇句   
阿哆喇句祠亞「手引き」の手引き
阿哆喇句祠亞「手引き」
私と俳句そして多行形式 ―酒巻英一郎インタビュー(聞き手:九堂夜想)
阿哆喇句祠亞・エンコード・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・広瀬 大志 
言語大陸アタラクシア・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今泉 康弘 
アタラクシア五十句を読む・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・佐藤 榮市 
「阿哆喇句祠亞」の感触・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・藤川 夕海
「し」との別れ ―酒巻英一郎論序説 ・・・・・・・・・・・・・・・・   田沼 泰彦 
言語像のエントロピー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・高原 耕治
酒卷英一郎「阿哆喇句祠亞 αταραξια」考・・・・・・・・・・・・・・・・丑丸 敬史 
言葉・言語芸術・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・古田 嘉彦 
殉ずる形態あるいは無為の神への供物―「阿哆喇句祠亞」五〇句寸考・・・ 松本 光雄
滅亡のときを求めて ―酒巻英一郎俳句論への試み―・・・・・・・・・・・ 表 健太郎 
アタラクシアの歩き方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  鈴木 純一 
静止を正視する・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・佐々木 貴子 

【作  品】
高橋比呂子「離脱」
   別所沼氷雨降るなら草書とす
   紺屋のあさってろしあからゆき

古田 嘉彦「触覚」
   寄り目する青田の凶暴に気づくまで
   糸ほぐし星の通りをたやすくする

無時空 映「冥風空樹」
   月光に触覚ふれず蝶冥し
   伽藍堂  空に問わばや花の数

吉村 毬子「少女苑/知命抄(二)」
   折れしまま緩き日を受く女郎花
   逃亡の夢深かりし鹿鳴けり

丑丸 敬史「春艸子」
   圓環の蛇ころがす春野の掌
   斧を持て春楡の芽を呼びもどす

表 健太郎「天地論ⅩⅩⅥ」
   つばめ来て偽史の国家を嘯くや
   いちぢくに眠る恵比寿を蹴り起こす

北野 元生「靑取之於藍而靑於藍」
   固化するやキミは言葉の癌を病む
   贋のキミキミの要素が流行り出す

九堂 夜想「洗朱」
   王亡くてひたに孔雀は卦踊りを
   地を焼いて日は洗朱のしだら歌

熊谷 陽一「礼文・冬、そして十の市
   火を宿す石を握れば地蔵岩
   梟の値札さかしま四の市

三枝 桂子「伊呂波考(十二)」
   女かりがね翔つとき弥勒眼を開く
   野さけびのあとたまゆらの雪螢

酒卷 英一郎「阿哆喇句祠亞αταραξια LXⅧ」
   孟春や
   うねひやまなす
   みほとにて

   喩を擁かば
   留紺の
   夜が來るぞ

佐々木 貴子「鳥鳥 とりとり」
   星商人鳥びっしりと実る木々
   うごめくや木は木々めくや星捨場

曾根 毅「雨」
   己が葉の真ん中に死ぬ蓮かな
   昼更けて寒の椿を潜りけり

志賀 康「百花」
   草の根の甘さにくるし大詩人
   地霊いま物象の水打たんとす

【評  論】
エロティシズムのかたち(六) 授かりしもの ―今生の雛の景― ・・・・・・ 吉村 毬子

【LOTUS作品評(第34号より)】
作品が完全な他者になるとき、或いは、
その語がどう語られたがっているか、について・・・・・・・・・・・・・  伊藤 浩子
他句他註・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・ 松本 光雄


【編集後記】
♝一昨年仲秋に催されたその定例合評会は些かキナ臭い熱気に包まれた。出席者はおよそ十数名。しかし、その半数以上が外部からのコアな参加者という情況は、ふだんの小会を考えれば異例に値するものであった。誰もが、ただ一つの大いなる謎、その探究のために遠近から集ったのである―酒卷英一郎の三行(アタ)形式(ラク)作品(シア)とは何か? 第35号特集は【LOTUSレポートⅢ 酒卷英一郎「阿哆喇句祠亞 αταραξια」評】である。♝今回の特集に当たり、詩人の広瀬大志氏、『未定』の高原耕治氏、田沼泰彦氏、『円錐』の今泉康弘氏、『現代定型詩の会』の佐藤榮市氏、『陸』の藤川夕海氏から先鋭且つ重厚な論評が寄せられた。また、詩人の伊藤浩子氏からは卓抜な同人作品評を賜った。諸氏には厚く御礼申し上げる。同人の文章と合わせて味読されたい。♝本号より佐々木貴子氏があらたに同人参加することとなった。某結社誌にて十代より実直に句作に勤しみ、数年前には第一句集『ユリウス』を刊行、期待の若手作家である。賽は投げられた。蓮(ロ)舞台(ータス)での大立ち回りを楽しみにしたい。(九堂)
♔昨年十二月、芝不器男俳句新人賞実行委員会からのお誘いで、インドネシアのジャカルタとアチェ州のバンダ・アチェを旅してきた。最終選考会兼授賞式を欠席した私にとって、同賞の関係者と接触するのは選者を含め初めてのことであった。♔LOTUSから、第二回の齋藤愼爾奨励賞に九堂夜想、第四回の城戸朱理奨励賞に表健太郎、そして私の三人が受賞している。旅の目的は、インドネシアの詩人たちとの交流と、ダルマプルサダ大学での俳句セミナーであった。♔ジャカルタ詩人の抒情、アチェ詩人の叙事詩。熱心に聴講してくれた八十人の大学生たち。私なりに感じたこと、考えたことを帰国後一気に書き上げ、角川「俳句」2月号に特別レポートとして掲載していただいた。貴重な経験を今後に生かしたい。(曾根)
♞かの大国の新大統領がメキシコとの国境に本当に壁を建設するという。壁は他者・他国との交流の途絶の謂である。♞我が俳句国も短歌国、自由詩国との間の高い障壁を隔て、三ヶ国は消極的没交渉状態にある。この原因は一重にそれぞれの詩型が強固であることの証左でもある。♞もし俳人が歌も読み詩も書くならば三国の垣根は大分低いものになっていることだろう。モーツァルトがピアノ曲、交響曲、オペラを書くようには、我々は俳句、短歌、自由詩を書かない。勿論、詩歌実作者のほとんどはプロではなく作りたいものを作れば良いのだから、プロの作曲家とは同列には語れまい。ただ、俳句実作者にとってなぜ短歌や自由詩が「作りたいもの」足り得ないのか。これを己に問うことは、無意味ではあるまい。(丑丸)
☪真っ黒なレザー生地に蛍光オレンジ色の小さな缶バッジが一つだけついている。そんなカバンを持った学生を見たとき、オシャレだなあと思ったことがあった。流行を追う者、独自の感性を発揮する者、さまざまなファッションをした若者たちが行き交う街中にあって、このシンプルで飾り気のないスタイルがひときわ目を引いたのである。☪数年後のある冬の日、関東が大雪に見舞われた。積雪に足を取られながら歩いていると、前方に赤くて丸いものがポツンと灯っているのが見える。近づくと椿の花が一輪だけ、雪の間から顔を覗かせていたのだ。真っ白な雪景色のなかの一点の紅。なんだ、とっくの昔に自然が体現していたではないか。この光景にぼくは思わず「オシャレだなあ」と呟いてしまった。(表)



■LOTUS会合予定(2017年)
     
5/20(土)王子「北とぴあ」   801号室(定員20名) 
        第13回「50句合評会」             午後(13:00~17:00)
      出句者/無時空 映(※50句提出締切り 2/20)
(原則同人限定ですが、参加希望者は御一報下さい。)

6/24(土)王子「北とぴあ」  801号室(定員20名)午後(13:00~17:00)
     句会 ※投句締切り 5月24日(水)

7/29(土)王子「北とぴあ」 804B号室(定員12名)午後(13:00~17:00)
     第12回「『去来抄』を読む会」

8/19(土)王子「北とぴあ」 802A号室(定員27名)午後(13:00~17:00)
     句会 ※投句締切り 7月19日(水)


【LOTUS句会/見本誌希望/同人参加希望の方へ】
LOTUS 句会 〜一般参加、歓迎〜
日時 偶数月 原則 第四土曜日
     午後1時〜5時(※あらめて下記宛にお問い合わせ下さい)
会場 王子「北とぴあ」(JR 王子駅より徒歩5分)
出句 三句(三句選)/会費1000円

■句会参加者は、あらかじめ奇数月二十日までに句会幹事(酒卷英一郎宛)へ作品三句をご投句(郵便、Eメール等)ください。後日、句会幹事より清記表・選句用紙が送られます。事前に選句(三句選)を済ませ、句会当日に清記表・選句用紙をご持参ください(出席不可の方は、句会前日までに句会幹事へ選評をお送りください)。また、見学のみも可能です。

「LOTUS」は句会および批評活動を通して〈詩〉としての俳句の可能性を追求する現代俳句グループです。偶数月に句会、奇数月に研究・合評会を行い、実作・評論の充実を図りつつ俳句への熱量を高めていくことを旨としています。同人参加を希望される方は、随時、自作の俳句作品二十句に略歴を添えて、下記事務局までお送りください。追って、ご連絡いたします。

句会投句先/同人参加向け作品送付先/その他、問い合わせ
〒338-0003 さいたま市中央区本町東7-6-11
LOTUS事務局 酒卷英一郞宛  E-mail: sakamakie@jcom.home.ne.jp