ナガオカ

もう持ってません。
JAICから引き取って下方修正で売るだけの簡単なお仕事でした。
時価総額も極小ですし変に迷惑かけると嫌なので念のため。

日経ビジネスにて日本ライフラインの特集記事

 明日月曜日発売の日経ビジネスで、日本ライフラインの特集記事が掲載されます。マネー誌ではないので株価や業績ではなく、ビジネスモデルや経営者、現場の話が中心です。一足先に記事を読みましたが、私の知らないエピソードも沢山あり、ますます会社に魅力を感じるようになりました。素晴らしい内容だと思います。

 記者の方は昨年の東証一部年間騰落率1位というところに着目して関心をお持ちになったそうですが、調べるうちに面白い会社だと思って記事化を検討されたのだとか。私も取材を受け、コメントが少し載っています。

 この数年、アベノミクス下で業績を急拡大させた会社は多くありますが、円安の恩恵が大きかったり、ゲームのようにサステナビリティに欠ける利益だったりするところも少なくありません。その中で、日本ライフラインの4年間で営業利益8.8倍(見込み)と言うのは破格の伸び率で、株価もバリュエーションの切り上がりと言うよりは単純にEPSが向上したことによるところが大きく、その存在は銘柄としてではなく一つの企業の成功事例として、もっと広く知られて良いのではないかと考えていました。なので、こうした記事が出ることは個人的には非常に嬉しいです。

  社長の鈴木さんは骨のある経営者で、説明会での力強い言葉にはいつも引き込まれますし、中期経営計画を毎年前倒しで達成する実行力には信頼が置けます。また人情家の側面もあり、東証一部への昇格が発表された時などは、直後にお電話をいただき、まず最初に僕に報告したかったと言って下さいました。記事中でも、キーマンとなる人物を社長自ら口説いた話や、患者さんに対する同社の真摯な姿勢が紹介されています。

 このような企業をまだ誰にも知られていない時から見出し、成果を共有できたことは本当に喜ばしいことだと改めて感じました。記事にもある通り、海外展開の本格化などまだまだ先がある会社なので引き続き応援していきますが、一方で、第二の日本ライフラインとなるような会社をまた見つけたいという意欲を掻き立てられました。

 ※日本ライフラインは1/31に決算があります。その結果次第で株価が大きく動く可能性があるので要注意です。

東方相場格言シリーズ:「頭と尻尾はくれてやれ」

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 昔から同人誌でお世話になっているぽてさん(http://hp1ptmr.nigamushi.net/ )に久々に描いていただきました。ぽてさんに描いて欲しいベースで立てた企画ではあるものの、せっかくなので自分への戒めとなりそうなテーマを選びました。もっと株が上手くなりたいので、これから毎日このポスターを見て反省しようと思います。シリーズと銘打っていますが、たぶん続きません。


 ↓は元ファイルです。クリックすると拡大します。 ※色がおかしかったので修正しました。


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株価の先見性は過去の物か

 トランプ大統領の誕生が決まった直後、株式市場は大幅な下落で反応した。この破天荒な人物が米国のリーダーとなることに大きな懸念を抱いたからである。だが、当選後の意外にも平穏なスピーチを見て、投資家はその考えを改め始めた。起きてしまったことは仕方がないと言わんばかりに、良い面にスポットライトを当てることにしたのだ。

 それから2ヶ月が経って、ドナルド・トランプ氏は正式に米国の大統領に就任した。就任式で彼は、アメリカファーストを堂々と宣言し、保護主義こそが偉大な繁栄と強さに結びつくと訴えた。ツイッターでの特定企業に対する発言などからも、当選後のユーフォリアを生み出した投資家の希望的観測は、ほとんど幻想であることが明らかになりつつある。

 世界の不確実性は間違いなく高まっている。チャイナショックの時よりも事態が悪化している中国に、米中貿易摩擦という新たなリスクが加わるかもしれない。この数年、円安による大幅な企業収益の改善を達成した日本とて、他人事ではすまない。

 こうした状況にも関わらず、株価は今のところ奇妙なまでに落ち着いているように見える。ここに、株式市場が直面している構造変化の影響が見て取れる。

 昨年、パッシブファンドには過去最大の資金が流入し、反対にアクティブファンドからは過去最大の資金が流出した。かつて栄華を誇ったヘッジファンド業界は資金流出と手数料の引き下げに苦しみ、ロングショート運用のマネジャーはついに株式をショートすることを諦めはじめた。今では誰もが株価指数に自身のポートフォリオが連動することを目指しているように見える。その結果、市場は自らの頭で考える力、すなわち株価の先見性を喪失しつつあるのかもしれない。

 逆張り派にとって、これは災厄だ。先を読んで動く投資家の力が弱まれば、今まで以上に自らの意見を表明するタイミングが重要になる。株価が指し示す方向とは異なる未来が迫っていると予感していたとしても、行動はより慎重にならざるをえない。特に、テールリスクへの備えとなればなおさらだろう。株式市場において少数派は基本的に善だが、時として多数派に踏み潰されるリスクも抱えている。

 仮にすべての投資家がパッシブ運用を行うことになったとしたら、彼らがリターンを上げるには株価指数が上昇し続けるほかに手立てはない。昨年のデータから読み取る限り、そう願う人々の割合はますます高くなっているようだ。高位安定する株価が足元の盤石さを保証するとは限らない。

 異端の米国大統領誕生は、世界を一変させるに足る一大事である。2017年の株式市場は、いま私達が想像している以上に様々なことが起こりそうな予感がしている。 

今年やってみた3つのゲーム

 最初に断っておくと、僕は普段ゲームをしません。昔はよく、それこそ人生かけるほどやっていた時期もありましたが、今は全くです。何故かと言うと、物事を複数同時に走らせながら進めていくことが非常に苦手で、シングルタスク脳と言うか、何か一つのことにフォーカス出来た時には出力が高いんですが、なかなかそうはならなくて、でも株を上手くやって行くためにはなるべくその状態に近づけなければならない。なので、スマホゲーム特有のどうにかしてプレイヤーに遊ぶことを強いる設計というのは非常に相性が悪いんです。ログインボーナスとかスタミナとかデイリークエストとか、そういうものに気を取られ始めるとつい意識が分散してしまいがちなのです。

 ところが、今年たまたま新しいゲームを3つやってみて、そのゲームシステムが驚くほど異なっていることに気がつきました。最初にやったのはカジュアルゲームで、始めた理由は当時の投資先の新作だったからです。これは典型的な搾取系のゲーム設計で、プレイするにはスタミナ消費、最上位クラスのレアはガチャの大当たりの複数合成に加え、キーアイテムとして、単純作業であるデイリークエストでしか手に入らないアイテムを大量に集める必要があるという、とにかくプレイヤーを縛り付けてでもアクティブにさせようという意図がハッキリしているクソゲーでした。

 次にやったのがドリコムのダービースタリオンマスターズ。90年代に生まれ今でも多くのファンを擁する競馬ゲームの金字塔が遂にスマホに登場ということで、リアル競馬にも大量課金している身としてはやらざるを得ない!と意気込んでいたのですが、これも種牡馬がガチャでしか手に入らないという驚愕の仕様に即投げしました。その背景には、昔自分がアホほどやり込んだゲームだからというのもあると思います。

 だって、あの高価なSFC後期のカセットですら定価12800円を払えばいくらでも遊び放題だったのに、ディープインパクトを1回つけるだけで下手すると2万とか3万ガチャを回さなきゃいけないってどう考えてもキチガイなんですよね。当時まだ種付け料が安かったとは言え、ダビスタ3なら初期牝馬に1500万のサンデーサイレンスをつけることだって可能だったわけです。オオシマナギサにマチカネイワシミズではなくノーザンテーストをつけてしまって全く走らないなんて初心者にありがちな失敗をする楽しみさえ奪われているなんて、往年のファンからするとありえないわけですね。だからスタミナ消費が発生するところまで行く前にやめてしまったので、その先のことはわかりません。

 そしてその後にやったのがサイバーエージェントのシャドウバースなんですが、これやってみてびっくりしました。まずスタミナがないです。1日中遊びまくってもお金が必要になることはありません。遊戯王とかマジックザギャザリングみたいなカードゲームなので、勝とうとしたらガチャで強いカードを揃える必要があるんですが、それも最上位のレジェンドクラスが割と気さくに手に入るし、目当て以外のレアが出てもそれをレッドエーテルという素材に還元することができて、そこからレシピがなくても未入手のカードを生成することができます。なんとなくネクロマンサーで始めたんですが、3万円分回して要らないのを分解から生成したら、欲しいカードは一通り揃いました。あとは対戦を進めていくだけ。このあとどこにお金を使うところがあるのかわからないという感じになっています。

 正直、この仕様でセールスランキングの上位に顔を出しているのって凄いことだと思います。相当な人がやってるということではないでしょうか。そしてここからが本題なんですが、これを作ったのはあのサイバーエージェントです。正確には子会社のサイゲームスですが、僕はそのイメージからどうせガンガン搾取して売り上げているんだろうと思っていたら実態は全く異なっていて、このタイトルは相当なチャレンジをしているなという風に感じました。もうこの感覚になれてしまうと、旧来のプレイヤーを運営側がコントロールしにかかるタイプのゲームは人がつかなくなるのではないかと思います。

 更に、ここからは任天堂/DeNAがスマホゲームを本格投入してきます。ポケモンGOで任天堂IPの威力を思い知ったばかりですが、第一弾として出てきたスーパーマリオランは1200円の買い切り型で全ての機能を遊べることが明らかになっています。任天堂という会社の性質から考えて、後に続くタイトルも決して重課金やつまらない作業を強いるような設計にはしてこないでしょう。

 そういうタイトルが世の中を席巻するようになると、プレイヤーに無意味なストレスをかけ、無価値なデジタルアイテムに高額な課金をさせて、まるで紙幣を刷るが如く稼いでいたタイプの会社は相当きつくなりそうな気がします。少なくとも、スマホゲームにおいては超のつくライトユーザーである僕の感覚では、もうストレスフルなゲームをやる気にはなりません。だってお金を払ってつまらない思いをするなんて、常識で考えておかしいですからね。

 2017年のスマホゲームのキーワードは「低ストレス」となり、重課金に対する反旗の年となるのかもしれません。こうしたゲームの登場を受けて、各社がどのような戦略の見直しをしてくるのかに注目していきたいです。

※基本シャドウバースに衝撃を受けて勢いで書いただけの雑文です

マーケットフォーラムへのご参加ありがとうございました

 更新がすっかり遅くなってしまい申し訳ございませんでした。おかげさまでイベントは盛況のうちに終えることができました。ありがとうございます。

 進行や時間の都合上、お寄せいただいた質問のすべてを当日ご紹介することはかないませんでしたが、内容自体はIR担当者様を通じて会社へ伝えています。夢のあるビジョンを掲げ、社会的課題の解決に使命感を燃やす両社の今後の発展に私も期待しています。

マーケットフォーラムでのそーせい&サイバーダインへの質問を募集中

 今年もこの季節がやってまいりました。今回もマーケットフォーラム主催のIRカンファレンスに登壇させていただきます。昨年の模様はこちら

 今回はそーせいとサイバーダインという上場テクノロジーベンチャーの二台巨頭にご登場いただくことになりました。いずれも非常に人気のある銘柄ですので、下手なことを言って火傷しないかと今から緊張感が大変高まっております。そーせいからはピーター新CEOが、サイバーダインからは山海社長がスピーカーとして出席されると伺っています。

 さて、そこで両社に対する質問をこの場で募集したいと思います。ただし、これは私が主催者に許可を取って個人的に行うことであり、イベントの趣旨そのものが公開質問というわけではないことを予めご了承ください。また、いただいた質問の採用については保証いたしかねますので、その点もご理解の上ご投稿お願いします。

 この記事に対するコメントを管理者(私)からしか見られない承認制にしておきますので、ここにコメントしていただく形で受け付けしたいと思います。よろしくお願いします。

トリケミカル研究所の売買に関して

 昨日提出したトリケミカル研究所の変更報告書について様々な憶測が飛び交っているようですが、私が一連の売買についてレオスと共謀したという事実は一切ありません。以下にこちらの認識と見解を示します。

1.変更報告書提出の経緯について

 まず大量保有報告書および変更報告書の提出期限ですが、提出義務発生日の翌日から5営業日以内となっており、今回で言えば4/21(木)がその期限でした。私としては昨日ではなく今日提出するつもりでいたため、昨夕は自宅で休んでいたのですが、レオスの大量保有報告書が提出されたことを知って慌てて帰社し、こちらも提出することを決めました。そうでなければ、私とレオスの双方が大量保有しているという前提で今日の場が始まってしまうからです。

 そのため、提出時間がEDINETのクローズ時間(17時15分)の直前となりました。その時の状況については、17時のアポで来社していた方に待って貰って対応していたので証言は取れると思います。 

2.同日に大量の売買が重なったことについて

 これは偶然としか言いようがありません。事前に示し合わせていなければこれほどの大量の取引が発生するはずがない、という疑問に対しては、私が買った時の1日3.4%もの取得については同様の疑問は起こらないのか?という問いを投げかけたいと思います。

 ちなみにその時の売り手は、好決算を見越して安い時に5%近くまで仕込んでいたあるファンドマネジャーでした。なぜ知っているのかと言えば、そのファンマネは知人で、私が大量保有報告書を出した後に彼と話す機会があったからです。当然彼としては安く仕込んだ株をいいところで売ったつもりでしたが、その後に株価が急騰していくのを見て大いに残念がっていました。

 つまり、5%前後の玉がまずそのファンマネから私に移り、そして今回私からレオスに移ったということです。規模の大小はあれど、小型株投資をやっている人なら、同じ有望株を複数の知り合いが持っていたり、その仕込みが仲間内で競合していて知らず知らずのうちにオークション状態になっていたことが後でわかったというような経験はあるのではないかと思います。

 小型株の場合、 大型株のように多様なオーダーが常時交錯しているわけではなく、たまたまその日いた売り手や買い手が次の日も現れるとは限りません。なので、この価格ならいくらでも欲しい、あるいは売りたいというハラさえ決まっていれば、買える時に買えるだけ買う、売れる時に売れるだけ売るというアクションはそれなりに起こり得るものだと思います。

 当日は朝からとてつもない大口のオーダーが出ていて私も気付いていたので、売りながら「ひょっとしてとんでもなく安値で売らされているんじゃないか?」という疑念を何度も持ちましたが、5%を超えるポジションを持っていたため、きちんと数量を売り切ることを重視して当初のプラン通りに動きました。そしたらなんと4%以上も売れてしまったと言うのが真相です。

3.保有割合が5.57%であったことについて

 これもたまたまそうなっただけです。私の中でこれぐらいの価格なら「大量に」買ってもいいというレンジがあって、当然それは流動性の範囲内で収まるポジションよりもシビアに決まります。そのレンジ内で買えたのがそれだけの数量であっただけのことです。実際、以下に示すように3/22以降は100株足りとも買えていません。もし「出口」がわかっているならもっと買っているはずではないでしょうか。

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 そもそも大量保有報告書の提出に関しても色々と誤解があるようですが、これはそういうルールになっているから仕方なく出しているだけで、もし任意であれば私なら絶対に出しません。ステルスで買い続けることによってより安くより多くの数量を買うことができるし、売る時にも自分が売り始めたことを公にせずに済むからです。特に後者については日本ライフラインの売却時にそのデメリットを痛感しました。実際にやったみた感覚として、買った直後はいいですが、最終的なイグジットまで考えればどう考えても大量保有報告書の公表はデメリットの方が大きいと感じます。

4.短期間での売却となったことについて

 私は以前から「投資期間は株価によって決定されるもの」と言って来ましたが、それが全てです。 この銘柄については3月23日の会社説明会に参加した後、外部機関を通じて4月4日に社長ミーティングを行い、一連の調査を経て「今これぐらいの株価まで来たらフェアバリューだな」というイメージを持っていました。その水準は今と半年後、1年後では当然異なりますが、思いのほか到達が早かったので1ヶ月での利益確定となりました。最初からそういうスパンで売買しようと思って買っていたわけでは当然ありません。

5.本件における片山、レオス双方のメリットについて

 客観的に考えていただいても、全くないと思います。

 まず私の方ですが、確かに今回得たキャピタルゲインは絶対額としては大きな金額ではあるものの、全体の資産額からすればそこまで大きな影響を与えるものではありません。一方で、一度このようなことをして嫌疑をかけられれば、その事実はずっとついて回ります。これ限りで大儲けをして足を洗うということならともかく、これからもずっと投資を生業としていく私にとって、それによって私や私の銘柄の印象が悪くなることのデメリットは計り知れません。

 レオスにしても、2008年の厳寒期からひふみ投信をスタートして、血の滲むような思いを続けてようやく1500億円を超えるAUMを運用し数々の賞を受賞するに至ったというのに、私如きに個人的な便宜を図るためにその積み重ねを無に帰するような愚挙に出るとは到底思えません。

 また、仮に話が決まっていたのだとすれば、それこそ表に出ないように5%ルールに抵触しない数量で行っていれば、今私がこのような文章を深夜に貴重な睡眠時間を削りながら書く必要も最初からありませんでした。5%未満に収めるでもなく、目一杯買うでもなく、わずかにはみ出る程度の数量でこうしたことが起きたこと自体が偶然の産物であることの証拠です。



 以上です。狭い日本の小型成長株市場で戦っていれば同様のことは今後も起きる可能性はありますが、私は自己の調査と判断に基いて投資を行っているのであり、 それ以上でもそれ以下でもありません。そのことは、ここに改めて明記させていただきたいと思います。なお、本件に関して追加で何らかのアクションを行う予定はありません。

(C84)東方マネーをニコニコ静画に公開しました

http://seiga.nicovideo.jp/watch/mg165713


 2013年夏のコミックマーケット84で発表した同人誌、「東方マネー」をニコニコ静画で公開しました。以下は注意書きです。

0.画像ファイルが非常に大きいため、モバイル通信環境での閲覧は非推奨です。
1.これは同人誌であり、特定の取引や手法を推奨するものではありません
2.発行は2013年8月であり、現在とは前提となるルールや市場環境が異なる場合があります
3.本書は同人誌なのであくまでもエンタテインメント作品としてお楽しみください
4.ご本人への確認がとれないため、コスプレページは除いてあります 


 以前から公開したいと思っていた作品でしたが、連休中の時間を使ってやっと実現することができました。僕の同人誌は基本フォトショップで作っているのですが、この作品はデザイナーさんとコラボして作ったので自分でpsdファイルを持っておらず、入稿用のpdfしか手元にありませんでした。なので、pdfをAdobeReaderのスナップショットで取り込んで、JTrimで切り取るという強引な手法で画像化しています。そのため若干の不具合があるかもしれませんが、その際はご了承ください。

 僕は何事にもまったく頑張ることのできない人間で、これまで何かを死ぬ気でやったと誇れる経験はほとんどないのですが、この作品を作るのに費やした1ヶ月間は自分の中でも人生頑張ったランキングの五指に入ると自慢できます。 

 何しろ企画が本格的に立ち上がったのが締め切りの1ヶ月ちょっと前で、その時に決まっていたのは「雑誌みたいな同人誌を作ろう」というコンセプトだけ。記事の内容も全くメドがついていませんでした。そこから、でもやるんだったらガチで行きたいし、マネー誌でパロディやるなら○aiしかないよねということで、実際にマネー系のムックなどのデザインをされていた方を紹介していただいて、本業をこなしながら同人誌の全44Pのデザインを手掛けることを引き受けていただきました。

 最終的にはその方のスタジオの東方好きな別のデザイナーさんがたにも協力していただいて、最後の方は明け方までやり取りを繰り返してギリギリのところで作品を仕上げることができました。そこで初めて知りあったご縁で何の義理もないのに、どうしてあんな無謀なチャレンジに付き合って下さったのかと本当に感謝しかありませんでした。

 また、イラストも過去の作品でご一緒させていただいていた数名の方には土下座する勢いで枚数を描いていただきつつ、それで埋まらない部分は必死のメールでひたすら依頼突撃をしまくって、なんとか必要な最低限のボリュームを揃えることができました。皆さんご自分の原稿がある中でこれまたよく引き受けて下さったなと思います。

 今回はアップしていませんが、表紙を飾っていただいたlenfriedさんもコミケ直前に突貫で撮影に付き合ってくださいました。平日しか空きがないということで有休をとって東証まで撮影に行ったら、知人のディーラーに見つかったり警備員に追い返されたりしたのも今では良い思い出です。

 そんな経緯がありまして、この作品は非常に多くの方の血と汗の結晶でできているのですね。僕のテキストはともかくとして、デザインもイラストも素晴らしいものが出来上がりましたし、妥協せずやり切って良かったなと思います。

 それを埋もれさせておくのはなんだかもったいないとずっと思っていて、こんなに遅くなってしまいましたがこの度のネット公開という運びになりました。特に最後のコンテンツなど、今思い返すと恥ずかしくなるような文章も沢山ありますが、一人でも多くの方に楽しんでいただけたら嬉しいです。

 なお、販路の途絶えた在庫が未だにオフィスの隅に2000部ぐらい積まれてあります。需要があれば私書箱でも開設して、 返信用封筒を入れて送ってくれたら本を入れて送り返すという処分方法でもやってみようかと思っております。

可能性と蓋然性のお話、そーせいホルダーは時価総額1兆円の夢を見るか

 そーせいが株価10,000円の大台を突破した。リーマンショック後の安値は91円だったから、とうとう100倍高を達成したことになる。

 2年前の8月、私は投資クラスタのオフ会にて、以前からツイッターを通じて知り合っていた若者にそーせいについての見解を求められた。そーせいに最初の大波が訪れていた時で、当時彼は信用を使ってそーせいを買っていると言っていた。うろ覚えだが、シーブリやウルティブロと言ったワードもそこでは出ていた気がする。

 私はそんな株を信用で買うのは危険だからやめておいた方が良いとアドバイスした。そーせいに関して何らかの具体的な知見があったわけではない。ただ、日本のバイオ株の歴史はその悉くが上場ゴールによって紡がれており、まともなものは一つもないと思っていた。また、個人投資家からアナリストに転じて数多くのIRミーティングを精力的にこなしていた頃であり、まだ若くキャリアも浅い彼に対して少しおごった気持ちもあったのだろう。ともかくも多少の上から目線をもって、無謀なことはよせと私は意見した。

 それから2年間、彼はそーせいと田村社長を愚直に信じて持ち続けた。具体的な金額はわからないが、以前聞いていた話からするとこの相場で一財産築いたはずだ。ひょっとすると大台に迫っているかもしれない。まだ30歳になるかならないかぐらいの若さだったはずなので、大いにめでたいことだし素晴らしい快挙だと思う。2度3度あった半値押しを耐え抜いた彼の強烈な意志の力が報われたことは喜ばしい。

 と同時に、その時からヒントを与えられながらついにこの相場に参加すること叶わなかった己の無能さにあきれ果てている。ちょうどそんな思いを募らせていた折、書店でたまたま手に取った本の内容が非常に良く、今の自分を叱咤するような言葉に溢れていて多くの気付きを得られた。

 手法などの話はほとんどなく、相場というものに対する心がけや気の持ちようを説く内容で、投資本ながら兵法や戦争論、柳生新陰流などの武道からの引用が多数を占め、冒頭から終わりまで頷かされることがとても多かった。著者の言わんとするところを読み取るには一定の経験が必要と思われるので読み手を選ぶ本だが、個人的には名著と呼ぶに値する作品だと感じた。 

50年超の投資実践でつかんだ「最後に勝つ」相場の哲学 賢者の投資、愚者の投資

 その中の一節に、可能性と蓋然性についての話があった。可能性というのはその事象が起こり得るか否かを論じるもので、例えば日経平均が40000円まで上昇する可能性と10000円まで下落する可能性はいずれも存在する。だが、来年のうちに日経平均が30000円まで上昇するかという話になれば、その可能性はかなり低いと言える。しかし、可能性はあるかないかの話なので、この場合は蓋然性が低いと言うべきだという話である。

 投資に絶対はないという言葉がある通り、相場においてはあらゆる可能性が存在しており、それを明確に否定できるケースの方が稀である。従って、投資家が通常考えるべきは蓋然性の方になるのだが、投資家はしばしばこれを混同する。 

 私が資産1億円の大台を突破し飛躍するきっかけとなったのが、2010年のシナジーマーケティングの相場である。当時クラウドコンピューティングという概念が市場に認知され始めた時期で、そこに米国の巨人であるセールスフォースドットコムと日本企業として初めての資本業務提携を結んだのがこのシナジーマーケティングであった。

 株価は初物を好む。私はかねてから、「市場はクラウドコンピューティング関連の本命銘柄を欲している」と考えていたので、この材料を知って雷に打たれたような衝撃を受けた。そして、それまでに取ったことのないようなリスク量で大勝負をかけることを決意し、資産を一挙に倍増させることに成功した。

 しかし、今から考えればこれは典型的なテーマ株投資であり、今でいうところのイナゴ株の値動きであった。事実、その年からシナジーマーケティングの業績は一向に上向かず、4年後に私の売値の遥か下でヤフーに買収された。当時の自分にはテーマ株投資をやったという意識は全くなく、純粋にこの提携を契機としてクラウドコンピューティング時代の波に乗り、業績が大きく伸びていくと考えていた。ただ、その実現を待つ前にそうなった時に想定されるフェアバリューを上回ったため、利益確定を行っただけの話である。

 だから、仮に株価が吹き上がることなく私が株を持ち続けていたら、その後の業績不振で数年にわたる塩漬けを余儀なくされていた可能性はあったし、その過程で大きな損切りを強いられていたかもしれない。そう考えると、この投資は資産が倍増したという意味で試合には大いに勝ったが、その後4年経っても業績に反映されなかったという事実は勝負に負けたことを示していた。

 それが2010年のことである。果たして今の自分ならどうか。低かったPERにテーマ性のプレミアムが付くことは理解できる。資本参加が報じられた当時のPERは、増収増益のIT企業なのに10倍前半だった。3連続ストップ高の後で買ってもなお10倍台だったことを記憶しているので、全く同じ状況なら(今の市場環境でPER10倍台で寄り付くことはありえないが)試合には参加したことだろう。

 でも数年内に株価の数倍化を肯定するほどの業績貢献は難しいと考えて、大勝負はしないはずだ。売り時も早まったかもしれない。ちなみに買値から3倍で売ったシナジーマーケティングはその後さらに2.5倍上昇した。材料が出る前からで言えば12倍近い暴騰だが、結果を見れば完全に市場の見込み違いだった。

 これをどう捉えるかは各々の感性やスタイルに依ると思うが、経験を積めば見込み違いに終わりそうだという現実的な見方ができるようになる。まさにこのシナジーマーケティングのように、期待先行しながらも結果が出ない、ビジネスを拡大させることは投資家が思っているよりも遥かに難しく、事業提携一つでどうにかなるものではないという事例を山ほど目にすることになるからだ。

 こうして、投資家は経験と知識を積み重ねることで蓋然性を見極める力を持つようになっていく。すると必然的に、ある力を失うことになる。それが「勘違い力」である。

 あの時の私はシナジーマーケティングが本当に時価総額数百億円の巨大企業になる可能性があると思っていた。経験のある投資家からすれば根拠の無い買い煽りだと批判されるような飛躍したロジックをいくつも脳内に展開し、その度に密かに興奮していた。妄想広がるその可能性だけを頼りに勝負をしかけたが、蓋然性については深く考えなかった。いや、考える力がなかった。 だが、同じような投資家が瞬間的には多くなったために、試合には勝つことができた。

 すなわち、かつてシナジーマーケティングで大儲けした投資家が、こんにちのシナジーマーケティングには乗れないということである。それがある意味での健全な成長だとも思っている。いつまでも勘違い力によってのみ相場を張っていたら、いつか壮絶な失敗をやらかすに決まっている。今でも他人から見れば多くの勘違い力にまみれているとは思うが、昔よりは遥かに蓋然性を重視した投資ができるようになった。その代わりに短期での株価上昇は見込めなくなったが、それはそういうものとして受け止めるしかない。

 話を大きく戻そう。私は若者にそーせいに関する重大なヒントをもらっていた。だが、その蓋然性はおろか、可能性についてさえ検討することを怠った。どうせ日本のバイオ株に本物はないという思い込みから、巨木の苗を手にする機会を自ら手放したのだ。

 国内にこもり、長年の安定的な事業を続けるだけの企業が業績を大きく拡大させる可能性はない。つまり蓋然性もゼロである。だが、そーせいがここから1兆円企業に育つ可能性はある。一般的な表現で言えば「その可能性は僅かにある」となるが、あるかないかで言えば確かにあるのだ。

 そして数々のプレスリリースによってその蓋然性が少しずつ高まってきたために、市場からの評価が変わって株価にも反映された。今の段階では1%が10%になったぐらいの話(この表現は適当なのでホルダー諸氏にはスルーしていただきたい)かもしれないが、当たる確率が10倍になったと参加者が見込めば、それだけ賞金が下がる=株価が上昇するのは必然だ。

 投資家はある銘柄のストーリーに出会った時、その可能性の検討については常に肯定的であらねばならない。清らかで前向きな心を持って、あるという前提でその銘柄の良い所を探してやるのである。しかし、あると見込んで蓋然性を考える段になったら、猜疑心の塊へと態度を豹変させなければならない。

 この相反する2つの心を自分のうちに同居させ、それでいて混同することのないようにすることができなければ、可能性のみを信じて見込み違いを繰り返すか、蓋然性を重視するあまり多くの機会を逸するかというバランスの悪い投資家ができあがる。

 その昔テーマ株で大儲けした自分が、いつの間にか後者となってファンダメンタリストを自称するようになり、その悪癖がますます強くなっていることを私は正しく認識してこなかった。だから、今年も数多くの機会を逃してきた。特に、そーせいのように蓋然性は低いが可能性はあり、そのストーリーが実現した時のポテンシャルがとてつもなく大きい場合には逃したショックや喪失感は一段と大きくなる。

 年を取ればそれだけでも自動的に感性は鈍磨していく。これからは初心に帰って、あの頃のような純粋な気持ちで一つ一つの可能性に向き合っていかなければ、これ以上の成長はないだろう。私が今そーせいの連日の株価上昇を苦々しく見ていることは事実だが、この苦味を感じられなくなったらそれこそ投資家としての天井である。そのことを教えてくれたそーせいと彼には感謝しなければならない。だから、最後はこんな言葉で締めくくりたいと思う。

−私はそーせいの株価上昇が憎いのではない。そーせいの可能性を信じられなかった自分自身が憎いのである。

 鋼の意志を貫き通した長年のホルダーに栄光あれ。 
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