このたび、初めての本を出しました。


勝つ投資 負けない投資

 

今回の本は、巨大運用機関の現役ファンドマネジャーであり、人気投資ブログ「仙人の祈り」で多くのファンを持つ小松原さんとの共著という形になっています。

小松原さんとは人の縁で繋がり、そこから一緒にやろうということになったのですが、打ち合わせを重ねて互いの投資観を交わすたびに、この人は本当に能力があり、そして何より投資が好きなんだなという事がわかるようになっていきました。小松原さんは運用者としても抜群に優れていますが、それよりも投資家として信頼のおける人物であったということが、今回組むことになった一番の決め手と言えます。

そんな小松原さんと決めた今回のコンセプトが、「誠実な投資本」を作ろう、というものでした。 実はこの本、元々は人気投資ブロガーであった小松原さんのところに単著の企画として持ち込まれたものに、後から僕が入る形になっています。

小松原さんは当初から、どんな時代にも読まれる普遍的な入門書を残したいと考えていました。投資のやり方そのものは時代によって流行り廃りがあり、幾人ものカリスマ投資家が現れては消えていくのがこの世界の常です。こんなことを書いている僕も、数年後には失敗していなくなっているかもしれません。ですから、やり方や人にフォーカスした内容では読み手にとって誠実なものとはなりにくい。そういう考え方がこの本の根底にはあります。

とは言え、僕は”現時点で”実績を残している個人投資家という触れ込みで起用されているわけですから、「これはあくまでも僕という人間がたまたまこのやり方で上手く行っただけに過ぎませんが」という前置きをした上で、自分なりの考え方、取り組み方を語っています。

僕がこの本で伝えたかったことはたった一つで、それは「自分の頭で考えろ」ということです。投資本を一冊読んだくらいで勝てるようになるほどこの世界は甘くありません。だからこそ、そこに勝ち続ける機会が存在します。

そして、誰かにとっての勝ち方はその人にしか見つけることができません。だから、僕は敢えて自分という人間がわざわざ本を書くならこういうことだろうと思うことだけを書いていきました。

なので、人によっては何も語っていないように感じるかもしれません。せっかくお金を出して買っていただいたのでそれ自体は残念なことですが、しかしそれこそが狙いでもあります。投資において万人に通ずる内容にしようと思えば当然誰もが知っている内容にしかなり得ないし、そうであれば僕が書く必要はないからです。

そんなことを考えながら、現状で僕の持てる限りの誠実さを振り絞ってこの本を書き上げました。恐らく、僕が現役でいる限りはこの先にまた投資の本を書くことはないと思います。 

引退して墓に入る前か、破産してお金に困れば全てを記した何かを出す気になるかもしれないですが、これから僕がやりたいと思っていることと、自分がやる以上は最高のものを作りたいというポリシー、そして読者への誠実さを全て満たそうと思うと、「これ以上のことは何も書かない」という結論になることがわかりました。

それがどんな内容になったのか、もしよければ一度読んでみていただけたら嬉しいです。