昨日提出したトリケミカル研究所の変更報告書について様々な憶測が飛び交っているようですが、私が一連の売買についてレオスと共謀したという事実は一切ありません。以下にこちらの認識と見解を示します。

1.変更報告書提出の経緯について

 まず大量保有報告書および変更報告書の提出期限ですが、提出義務発生日の翌日から5営業日以内となっており、今回で言えば4/21(木)がその期限でした。私としては昨日ではなく今日提出するつもりでいたため、昨夕は自宅で休んでいたのですが、レオスの大量保有報告書が提出されたことを知って慌てて帰社し、こちらも提出することを決めました。そうでなければ、私とレオスの双方が大量保有しているという前提で今日の場が始まってしまうからです。

 そのため、提出時間がEDINETのクローズ時間(17時15分)の直前となりました。その時の状況については、17時のアポで来社していた方に待って貰って対応していたので証言は取れると思います。 

2.同日に大量の売買が重なったことについて

 これは偶然としか言いようがありません。事前に示し合わせていなければこれほどの大量の取引が発生するはずがない、という疑問に対しては、私が買った時の1日3.4%もの取得については同様の疑問は起こらないのか?という問いを投げかけたいと思います。

 ちなみにその時の売り手は、好決算を見越して安い時に5%近くまで仕込んでいたあるファンドマネジャーでした。なぜ知っているのかと言えば、そのファンマネは知人で、私が大量保有報告書を出した後に彼と話す機会があったからです。当然彼としては安く仕込んだ株をいいところで売ったつもりでしたが、その後に株価が急騰していくのを見て大いに残念がっていました。

 つまり、5%前後の玉がまずそのファンマネから私に移り、そして今回私からレオスに移ったということです。規模の大小はあれど、小型株投資をやっている人なら、同じ有望株を複数の知り合いが持っていたり、その仕込みが仲間内で競合していて知らず知らずのうちにオークション状態になっていたことが後でわかったというような経験はあるのではないかと思います。

 小型株の場合、 大型株のように多様なオーダーが常時交錯しているわけではなく、たまたまその日いた売り手や買い手が次の日も現れるとは限りません。なので、この価格ならいくらでも欲しい、あるいは売りたいというハラさえ決まっていれば、買える時に買えるだけ買う、売れる時に売れるだけ売るというアクションはそれなりに起こり得るものだと思います。

 当日は朝からとてつもない大口のオーダーが出ていて私も気付いていたので、売りながら「ひょっとしてとんでもなく安値で売らされているんじゃないか?」という疑念を何度も持ちましたが、5%を超えるポジションを持っていたため、きちんと数量を売り切ることを重視して当初のプラン通りに動きました。そしたらなんと4%以上も売れてしまったと言うのが真相です。

3.保有割合が5.57%であったことについて

 これもたまたまそうなっただけです。私の中でこれぐらいの価格なら「大量に」買ってもいいというレンジがあって、当然それは流動性の範囲内で収まるポジションよりもシビアに決まります。そのレンジ内で買えたのがそれだけの数量であっただけのことです。実際、以下に示すように3/22以降は100株足りとも買えていません。もし「出口」がわかっているならもっと買っているはずではないでしょうか。

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 そもそも大量保有報告書の提出に関しても色々と誤解があるようですが、これはそういうルールになっているから仕方なく出しているだけで、もし任意であれば私なら絶対に出しません。ステルスで買い続けることによってより安くより多くの数量を買うことができるし、売る時にも自分が売り始めたことを公にせずに済むからです。特に後者については日本ライフラインの売却時にそのデメリットを痛感しました。実際にやったみた感覚として、買った直後はいいですが、最終的なイグジットまで考えればどう考えても大量保有報告書の公表はデメリットの方が大きいと感じます。

4.短期間での売却となったことについて

 私は以前から「投資期間は株価によって決定されるもの」と言って来ましたが、それが全てです。 この銘柄については3月23日の会社説明会に参加した後、外部機関を通じて4月4日に社長ミーティングを行い、一連の調査を経て「今これぐらいの株価まで来たらフェアバリューだな」というイメージを持っていました。その水準は今と半年後、1年後では当然異なりますが、思いのほか到達が早かったので1ヶ月での利益確定となりました。最初からそういうスパンで売買しようと思って買っていたわけでは当然ありません。

5.本件における片山、レオス双方のメリットについて

 客観的に考えていただいても、全くないと思います。

 まず私の方ですが、確かに今回得たキャピタルゲインは絶対額としては大きな金額ではあるものの、全体の資産額からすればそこまで大きな影響を与えるものではありません。一方で、一度このようなことをして嫌疑をかけられれば、その事実はずっとついて回ります。これ限りで大儲けをして足を洗うということならともかく、これからもずっと投資を生業としていく私にとって、それによって私や私の銘柄の印象が悪くなることのデメリットは計り知れません。

 レオスにしても、2008年の厳寒期からひふみ投信をスタートして、血の滲むような思いを続けてようやく1500億円を超えるAUMを運用し数々の賞を受賞するに至ったというのに、私如きに個人的な便宜を図るためにその積み重ねを無に帰するような愚挙に出るとは到底思えません。

 また、仮に話が決まっていたのだとすれば、それこそ表に出ないように5%ルールに抵触しない数量で行っていれば、今私がこのような文章を深夜に貴重な睡眠時間を削りながら書く必要も最初からありませんでした。5%未満に収めるでもなく、目一杯買うでもなく、わずかにはみ出る程度の数量でこうしたことが起きたこと自体が偶然の産物であることの証拠です。



 以上です。狭い日本の小型成長株市場で戦っていれば同様のことは今後も起きる可能性はありますが、私は自己の調査と判断に基いて投資を行っているのであり、 それ以上でもそれ以下でもありません。そのことは、ここに改めて明記させていただきたいと思います。なお、本件に関して追加で何らかのアクションを行う予定はありません。