2007年07月03日

四度目の氷河期⇔荻原浩3

四度目の氷河期 〔荻原浩〕

人生を語るには、早すぎるなんて言わせない。
ぼくは今日から、トクベツな子どもになることにした…。
何をやっても、みんなと同じに出来ないワタルは、ある日死んだ父親に関する重大な秘密を発見する。
その瞬間から、少年の孤独なサバイバルゲームは始まった。
「自分」を生きるため、本当に大切なことって何?

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少年犯罪が声高に叫ばれ、極刑もしかたがないと言われる現代。
作品は大人のようにみえても、やはり子どもは未熟なのだと訴えてきます。

冒頭でワタルが発する「父さん」のひと言が切ないです。
詳しいことは話さなくても、どうしてもっと早くにワタルに真実を伝えてあげなかったのだろう?と疑問に思いました。
ワタルの根拠のない思い込みは、どこの誰ともわからない自分への不安と哀しみからきているような気がするのです。

正論が必ずしも人を救うとは限らないけれど、事実を歪めた思い込みはワタルにとってマイナスにしか働きません。
ワタルは孤立し、 自分は特別な存在だ!という意識だけが彼を支えている!といった悪循環が繰り返されるだけです。

サチとの関わりは、作品の中で救いとなりました。
他人を思いやる心をきちんとワタルが持つことが出来たのは、サチがいたからだと思うからです。

等身大のどこにでもいそうな、けれど世界でたった一人しかいないワタルとして、生きていけるかもしれないラストにホッとしました。



lovehon at 22:10│Comments(12)TrackBack(4)clip!荻原浩 

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1. 四度目の氷河期 〔荻原浩〕  [ まったり読書日記 ]   2007年07月04日 19:27
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2. 四度目の氷河期 荻原浩  [ 苗坊の読書日記 ]   2007年07月04日 21:09
4 四度目の氷河期 僕のお父さんは、クロマニヨン人だ。 ワタルは、小さな田舎町で母と一緒に住んでいる。 父親はおらず、誰なのかも分からない。 自分がだんだん他の子とは違う身体に成長していくのを感じ、自分はクロマニヨン人の子どもだと思い始める。 それからは毎日....
3. 四度目の氷河期  荻原浩  [ 今更なんですがの本の話 ]   2007年07月04日 22:47
実は一度挫折しているこの『四度目の氷河期』なるほど私は面白くなる前に止めてしまったわけですね。 博物館に眠るクロマニョン人のミイラに「父さん」と呼び掛ける始まり方。何じゃ一体?と思って期待したのに何も起こらないし、時間の都合もあったので諦めてしまったのが....
4. 四度目の氷河期 荻原浩  [ 色々なポイント+α ]   2007年08月16日 00:44
四度目の氷河期 荻原浩 人生を語るには、早すぎるなんて言わせない。ぼくは今日から、トクベツな子どもになることにした―何をやっても、みんなと同じに出来ないワタルは、ある日死んだ父親に関する重大な秘密を発見する。その瞬間から、少年の孤独なサバイバルゲーム....

この記事へのコメント

1. Posted by 愛敬   2007年07月03日 23:35
和歌山から無事帰還しました!
移動だけで6時間・・・疲れました(--)

今の大人にも、子供じみている自分勝手な大人がいますよね・・・
学校教育をうんぬんする前に、家庭教育をしっかりしろ!と言いたくなります。

2. Posted by らぶほん   2007年07月04日 07:18
⇒愛敬さん
お帰りなさい、お疲れ様でした。
大人げない!という言葉がありますが、どう見ても外見だけが大人の人増えていますよね。
「こんなのあり?」と思うこともたびたびです。
歩き煙草や運動会での飲酒など、子どもからどう見られるか考えて行動してほしいですよね。
3. Posted by エビノート   2007年07月04日 20:05
早くに話してあげていれば、ワタルの突拍子もない思い込みもなかったんですよね。
まだ子どもだから…という考え方は、子どもを馬鹿にしている場合もありますよね。
子どもの理解力って、結構高いと思います。
4. Posted by 苗坊   2007年07月04日 21:10
こんばんわ^^
最初、ワタルはどこへ行っちゃうのかとハラハラしましたが、最後は結構好きでしたね。
こどもだからって言う考えは、ダメですよね。
一人の人間としてちゃんと見つめていかないとって、思いました。
5. Posted by ディック   2007年07月04日 21:46
本書を読みながら、いろいろと考えてしまいました。
自分はふつうじゃない、ほかの子どもとは違っている、という意識は、疎外感と寂しさを生み出しているけれど、強さを養ってくれたようにも思うし…。自分は特別なんだという想いは諸刃の剣のようでした。
自分の小学生時代を思い出してみても、似たような感じがします。子どもは自分が変わり者であることを恐れる一方で、それがやがて自分の大切な個性であることを気がつくようになる。そんな感じがします。
6. Posted by らぶほん   2007年07月04日 23:35
⇒エビノートさん
この間小学生がTVで言っていました。
「僕たちは大人が思っているほど子どもじゃない」と。
母親がもう少しワタルを信じて早めに話していたら、また違っていたのでしょうね。
7. Posted by らぶほん   2007年07月04日 23:39
⇒苗坊さん
子どもは大人が考えているよりもずっと、たくさんのことを考えているのでは?と思わされましたね。
ラストの真っ白に染まる場面が私も好きです。
8. Posted by らぶほん   2007年07月04日 23:46
⇒ディックさん
両刃の剣、そうかもしれませんね。
表向きは個性を育てよう!と言うくせに、実際には個性を潰す教育環境と世間があるだけだから。
ワタルがサチを得て、新しく力強く生きていく未来を予感させるラストが私は好きです。
9. Posted by たまねぎ   2007年07月04日 23:53
らぶほんさんこんばんは
サチとの出会いがなければどうなっていたんだろう
そう思うとやはりきちんと話をしなきゃいけない事ですよね
彼はサチに出会えて本当によかったと思います
10. Posted by らぶほん   2007年07月05日 00:06
⇒たまねぎさん
サチに会えて心が通じあって本当によかったですよね。
言わなくても心は通じる!とよく言うけれど、やはり言葉にしてきちんと伝えなくては駄目なことがあると思います。
未来が感じられる真っ白なラスト、印象的でしたね。
11. Posted by しお   2007年08月16日 00:43
小説に出てくる小中学生はなんだか考えが大人びて感じるのだが、自分もそうだったのだろうか?と最近読んでいる主人公が小中学生が多いしおでした。
12. Posted by らぶほん   2007年08月16日 08:43
⇒しおさん
言わせりゃ言う!が中高生です(笑。
ワタルのような人間は、回りから浮くのは仕方のない世の中になってしまっている気がします。
古きよき日本人の美徳!などというものは、活字の中にしかもうないのかもしれません。

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【ごあいさつ】
こんにちは、らぶほんです。
いつも来てくださって、ありがとうございます。

個人的な感想なのでたまに辛口のときもありますが、大きな心で流してやってください。
ジャンルはばらばらですが、犯罪にかかわる小説(推理小説、警察小説、ノンフィクションなど)多いかもしれません。

今年は古典や海外小説も読んでみたいと思っていますが、部屋を占拠している積読本の山が終わらないとどうにもならないような・・・。
減らすつもりで読んでいるのですが、購入するスピードの方が勝っているようです。

どんなに古い記事にでもコメントをいただければ、とても励みになります。
これからもマイペースで読書を楽しんでいくつもりなので、よろしくお願いします。

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