2007年08月27日

海の底⇔有川浩4

海の底 〔有川 浩〕

春、寧日。
天気晴朗なれど、波の下には不穏があった。
横須賀に巨大甲殻類来襲。
食われる市民を救助するため機動隊が横須賀を駆ける。
孤立した潜水艦「きりしお」に逃げ込んだ少年少女の運命は!?
海の底から来た《奴ら》から、横須賀を守れるか…!?

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自衛隊三部作、やっとこれで読み終わりました。

子供に限らず大人でも圭介のような人間が増えているのだろうな!と、苛立ちと嫌悪感いっぱいで読んでしまいました。
作品の中に感情移入してしまうのはいつものことなのですが、特にこの作品ではそれが激しかったように思います。
子供だからといって許されることばかりではない!
人として最低限踏み越えてはいけないものがあるのだと、圭介が最後には気づいてくれてホッとしました。

自衛隊三部作のひとつだったけれど、見逃せないのが機動隊の活躍でした。
強力な武器も持たず、けれど自分たちのなすべきことを精一杯成し遂げていく姿に感動しつつ、最近の事件などをみるとこんな警察官の人は少ないのだろうと思ってしまうことが少し残念でもあります。

マスコミに対しても痛烈な批判があちこちに垣間見えて、私も大きく同意してしまいました。
責任のない発言は無責任を通り越して有害ですよね。

作品を通して一番強烈だったキャラは冬原でした。
にこやかな笑顔と優しい物言いで、蹴倒し踏み潰し止めを刺す怖さは、絶対に敵には回したくないタイプです。

三部作をすべて読み終えていま一番思うことは、「クジラの彼」をもう一度読みたい!!でした。
どうして読む順番を間違えてしまったのでしょう。
これから読む人は三部作が終わってから「クジラの彼」を読む方がいいかと思います。

とても楽しい読書時間をくれた自衛隊三部作に感謝したいと思います。






lovehon at 14:50│Comments(16)TrackBack(7)clip!有川浩 

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2. 海の底  [ 香桑の読書室 ]   2007年08月27日 20:39
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3. 「海の底」有川浩  [ ナナメモ ]   2007年08月27日 20:54
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7. 海の底/有川浩  [ Crescent Moon ]   2007年09月12日 12:42
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この記事へのコメント

1. Posted by エビノート   2007年08月27日 19:48
読了お疲れさまでした〜♪
これであとは『図書館』シリーズの完結編を待つばかりですね!
圭介は私も嫌なヤツ!と思ったんですが、
最後は自分の間違いに気付いてくれてホッとしました。
圭介も幸せになれると良いなぁ〜と思います。
2. Posted by 香桑   2007年08月27日 20:52
コメントありがとうございました。
ぜひ、『クジラの彼』を読み返してください。冬原が数倍いい男に見えます。夏木の苦労もしのばれます。
有川作品の中で、My Bestな一冊です。

ところで、もしかしたら、TBもいただきましたか? 何故かTBが届かなくなっておりまして、もしよろしければ、もう一度、送っていただけないでしょうか。御手数をおかけいたします。
3. Posted by なな   2007年08月27日 21:01
こんばんは。
確かに圭介は腹立たしかったですね。
本だってわかってるに、相手は子供なのに
夏木と冬原がガツンとやってくれた時には
「やった!」ってスッキリしちゃいました。

私はまだ「空」を残したままです。
もったいなくて読めない。
4. Posted by 苗坊   2007年08月27日 22:20
こんばんわ。
圭介は腹が立ってしょうがなかったんですけど、最後は印象が変わりましたね。
有川さんの作品って、嫌いな人がいない気がします。
人間関係を書くのが上手いんですよね〜
ラストはニヤニヤが止まらなかったです^^;
5. Posted by しお   2007年08月28日 01:09
こんばんは。
望のマスコミへの一発は最高ですね!いますもんね、そうゆう空気や気持ちのわからないマスコミ。クジラの彼は確かに後読みがいいかもですね^^;。
6. Posted by やぎっちょ   2007年08月28日 17:13
らぶほんさん
あ、そっか。あちきは我慢してクジラの彼を最後に取っておいたので、気分が良かったのですけど、最初に読んでいるとまた感じ方も違うのでしょうね。
自分に誇りを持って戦う人の姿って美しいです。逆に、なんだっけ?何か大切なものを取りに行くぅーとか言って、犠牲者を生み出した女の子?(でしたっけ)。こういう人って凄い嫌いなんですよねぇ。。むう。
7. Posted by らぶほん   2007年08月28日 19:24
⇒エビノートさん
圭介が気付いてくれて本当によかったと思いました。
きっとこれからの人生であの経験が必ず活かされると信じたいですね。
図書館シリーズ、終わってしまうのかと思うと淋しくて複雑な気持ちです。
8. Posted by らぶほん   2007年08月28日 19:28
⇒香桑さん
コメントありがとうございました。
はい、ぜひ「クジラの彼」を読み返したいと思います。
うまくいかなかったようで申し訳ありませんでした。
TB、もう一度飛ばしてみますね。
9. Posted by らぶほん   2007年08月28日 19:41
⇒ななさん
コメントありがとうございました。
圭介も母親の犠牲者だと思えばかわいそうな気もしますが、冬原たちの怒りも当然ですよね。
最後にきちんと気付いてくれた時はホッとしました。
「空の中」もったいなくて読めない気持ち、すごくわかります。
感想、楽しみに待っていますね。
10. Posted by らぶほん   2007年08月28日 19:46
⇒苗坊さん
圭介には子どもだという年齢を考慮したとしても苛つきましたよね。
冬原さんたちのの怒りももっともだと思いました。
最後にきちんと気付いてくれて圭介自身のためにもよかったです。
11. Posted by らぶほん   2007年08月28日 19:53
⇒しおさん
無責任で無神経なマスコミには腹が立ちます。
あの一発は、汚されたくないものを土足で踏みにじろうとした大人への怒りの一発ですよね。
心の中で「よくやった!」と拍手をしたくなりました。
12. Posted by らぶほん   2007年08月28日 19:58
⇒やぎっちょさん
「クジラの彼」はやっぱり最後に読むべきで良い選択だったと思います。
傍若無人な子どもは圭介という中学生だったので、たぶん女の子というのはやぎっちょさんの勘違いかも。
有川さんの作品にはいつも熱くなってしまいます(笑。
13. Posted by Ray   2007年09月12日 12:47
こんにちは♪
私は「クジラの波」は陸海空のシリーズを読むまで我慢しちゃいました。でもほぼ一気読みだったのでちょっとの間でしたけど(笑)
これ読んでしまうと、当分エビはもういいかも…って思っちゃいますね(笑)
14. Posted by らぶほん   2007年09月12日 16:34
⇒Rayさん
コメントとTBありがとうございました。
大ザリガニのようなエビに食べられるのだけは勘弁してほしい!と、読んだときは思いました。
かなり悲惨な場面もあったのに、しっかり夏木と望に甘々を期待していた私はもしかしたら逞しいのかもしれません(笑。
15. Posted by たまねぎ   2007年09月24日 01:18
三部作の中では一番のヒットでした。しかもクジラの彼と会わせると一粒で二度三度と実に楽しかったです。
16. Posted by らぶほん   2007年09月24日 14:41
⇒たまねぎさん
私もこの作品はかなりお気に入りです。
「海の底」と「クジラの彼」と「塩の街」の後日談は、ツボにハマりまくりでした。

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【ごあいさつ】
こんにちは、らぶほんです。
いつも来てくださって、ありがとうございます。

個人的な感想なのでたまに辛口のときもありますが、大きな心で流してやってください。
ジャンルはばらばらですが、犯罪にかかわる小説(推理小説、警察小説、ノンフィクションなど)多いかもしれません。

今年は古典や海外小説も読んでみたいと思っていますが、部屋を占拠している積読本の山が終わらないとどうにもならないような・・・。
減らすつもりで読んでいるのですが、購入するスピードの方が勝っているようです。

どんなに古い記事にでもコメントをいただければ、とても励みになります。
これからもマイペースで読書を楽しんでいくつもりなので、よろしくお願いします。

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