1/11に新潟LOTSにて行われたNUMBER GIRLのツアーに行ってきました。再結成のアナウンスがされたのが昨年の2月。90年代の邦楽ロックファンにとっては寝耳に水、青天の霹靂ともいうべき大ニュースであったことでしょう。日比谷野音や京都音博、そしてライブツアーと精力的に活動する一方でなかなかチケットが取れず歯がゆい気持ちを味わってきたのですがついに今回念願叶って生のNUMBER GIRLを見る機会と相まったわけです。
BGMすら流れない静かな会場内で彼らの登場を今か今かと待ちわびること午後6時。会場内が暗転しTelevision「Marquee moon」と共にメンバー登場。この時を待ってましたと言わんばかりの割れんばかりの歓声の中、チューニングをしつつ向井氏が「ガタ、ガタ!ニイガタ!」と間の抜けた掛け声をかけた後に放たれるルードで直線的なベースラインのイントロ。「鉄風 鋭くなって」。
ずっとCDやライブ音源、youtubeで見てきたライブ映像のまま。手数の多い戦闘機のようにかっとんだアヒトイナザワのドラム、ひょうひょうとした表情で日本刀の如くキレのあるフレーズを繰り出す田渕ひさ子、髪の毛を振り乱しながら一心不乱にベースを弾き倒す中尾健太郎、そしてその強力なリズム隊の中で咆哮する向井秀徳。1曲終わるごとに一礼し、チューニングとエフェクターの電源を指さし確認する几帳面さが印象的でした
NUMBER GIRLはあの時のまま確かに存在してました。令和の、この混迷の時代にアレンジもほとんど変えず自分たちの音を放射するありのままのNUMBER GIRLが。
MC少な目に、ただひたすらに曲をこなしながら時間はあっという間に過ぎていきます。ときどき曲前に「次の曲は、このバンドだいっ!」と叫んでから曲に入る以外にMCというMCはほとんどなし。(あとで知ったのですがイカ天の相原勇氏のマネらしい)
「日常に生きる少女」では、意識が根っこから持っていかれそうなほどの分厚いノイズがイントロ・間奏で炸裂。「あからさまに、透明少女!」と滑ったような狙ったような向井節が聴けた「透明少女」、「TATTOOあり」での田渕ひさ子のゾーンの入った鬼気迫るアウトロでのギターソロ、「OMOIDE IN MY HEAD」での「ドラムス、アヒトイナザワ!」から入るドラムの連打から4人の演奏が混然一体となるあの瞬間、すべて私たちが映像や音源の中で何回も聞いてきて耳や目に焼き付けてきた映像そのものでした。感激。
向井氏のシャウトはさすがに年齢やZAZEN BOYSでの活動で歌い方が変わったのか、少々抑え気味という印象でしたが決めるところはビシッと決まってました。本編ラストの「I don't know」での殺気立ったシャウトは圧巻。
アンコールではなんと2曲目にオリジナルアルバム未収録の「KU〜KI」を演奏。これを期にSATSUIありや真っ黒けっけの海なんかも演奏してくれませんかね。そして本編でも演奏された「透明少女」を演奏し終演。もしかしたらバージョン違いだったのかも?(東京と福岡でそれぞれレコーディングされた音源がある)
計24曲約2時間。新曲はないものの一つの伝説を見たような気分でした。2002年11月30日に歴史を終了したNUMBER GIRLが、また新たな歴史を作っていくことでしょう。
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