2008年05月04日

ALL YOU NEED IS LOVE



以前、マダムはペットショップで働いていた話は何度もしましたが

イヤなことも多くて、泣く事もたくさんあったけれど

貴重な経験もたくさんしました。

中でも、ずっと心に残っている出来事があります。

ある日、ショップにひょっこり現れた中年の御婦人。

ちょっと品のある、おしとやかな雰囲気。

でもね、なんだか寂しげ。オドオドしているっていうか・・

ずっーーーーと子犬を黙って見ているだけ。

「抱っこしてみます?」なんて、いつも通りの接客で

少し会話するも、結局黙って見てるだけ。


レインとふたり.jpg


その御婦人、それから毎日、子犬を見にやってくるんです。

ただ、ただ見てるだけ。

こちらも「こんにちわ」と話すだけ。

特定の子犬を見ている様子じゃないんだよね。

何か、哀愁漂うその雰囲気に、私は飼い犬を亡くしたか・・・

もしくは・・・家族を亡くされたか・・・・

オドオドとした寂しげな様子から、勝手にそんな風に思うようになりました。




みんなで.jpg


そんな日々が続いていたある日。

10日たっただろうか? 15日・・・?

正確に日にちは覚えていないんだけれど・・。

いつものように御婦人はひとりで来て、また子犬を見ていました。

すると・・・

「あの・・・わたくし、ひとりなんですが、こんな年寄りでも

飼ってあげられるのでしょうか?」と聞いてきた。

飼い方や犬種の特性の説明などをして、家族として迎えられていきました。

選んだ子犬はキャバリアでした。

もう、びっくり!! 飼うつもりだったんだ・・・・と。

まぁ、毎日、熱心に見ていたんだから その可能性は高かったのにね。

まだまだ私も未熟だと痛感。

しかも、犬どころか、ペット自体飼うのは初めてだとか。



それから一ヵ月後。

予防接種の帰りにわざわざショップに寄ってくれた御婦人。

御婦人を見て、もっとびっくり!!

品の良さは変わらないけど、パンツ姿でアクティブな装い。

しかも、ご主人と20代半ばくらいの息子さんと3人でやってきた!!

すんごい笑顔で、以前より、何10倍も明るい雰囲気。

家族がとっても仲良さそう!! えー!!ひとりって言ってたじゃん!!

スタッフ全員でびっくりしたよ。



「主人は仕事で忙しく、社会人になった息子はほとんど口を利かない。

ずっと、ひとりぼっちで寂しくて。でも、この子が家族を変えてくれたの」

御婦人が明るい口調で話してくれました。

バラバラだった家族が、小さな犬が一匹来た時から変わったと。

やたらとリビングに集まる時間が増えて、犬を通しての会話が

すごく増えたと。何より、犬が来てから家族そろっての外出が

増えたのよ!!

と、嬉しそうに言う御婦人のあの笑顔が今も忘れられません。

動物病院に勤める友人の結婚式で、獣医の先生がスピーチで

ある国の調査結果では、犬を飼っている夫婦と飼っていない夫婦とでは

ケンカと離婚率が大きく異なる。と言っていたけれど

身を持って実感したな。

私にとって、この体験は自分の接客や、ペットとの関係について

考え方が大きく変わったキッカケでもありました。

今でも、よく思い出しますし、街で犬を連れて楽しそうにしている

家族を見ると思いださずにはいられない。そんな出来事なんです。

そう。わんこって家に来たその日から自然に家族になっちゃうんだよね。

それも、とってもスペシャルな家族に。

口は利けないけれど、思いやりや優しさを教えてくれるし

何より、深〜〜い愛を教えてくれるよね。

ペットショップ時代からの戦友であり、親の友人でもあるフィガロ母さんから

先日、一通のメールが届きました。

フィガロ母さんの実家の愛犬が虹の橋を渡ってしまったと。

バーニーズマウンテンドッグのチョビ君。享年13歳でした。

突然の訃報に驚いて、声も出なかった。

私は何度も会っていた可愛い、可愛いチョビ君。

私は、いい年して、フィガロ母さんのお母さんに実の娘でもないのに

何度も何度も手作り夕飯を頂いた。夫婦でムッシュまで頂いた。(恥)

すごく、ステキな家族で、お父さんとお母さんに愛されてたチョビ君。



ちょびくん.jpg


とにかく美男子で。バーニーズってこんなに毛並みがきれいなの?

って、初めて見る犬種に衝撃を覚えたのを今でも思い出す。

カラーもキレイに分かれてて、なんだかかなりのセレブ感漂う

わんこだな〜と思ってたら、後日 ペットショップで52万円の値札が

ついていて、びっくらこきました。

でも、チョビ君は特に美男子だったみたい。

バーニーズをあれから何度も見たけれど、あそこまでキレイな子はいなかった。

近所でも評判のハンサムボーイだったみたい。


すてきなお庭で.jpg


ベタベタされるのが嫌いで、私に抱きつかれて

心底迷惑そうなチョビくん。

チョビ君の毎日のおさんぽは、必ずお父さんとお母さんいつも一緒。

それって、簡単そうで実はすごく難しい。

夫婦でチョビ君のさんぽに行く姿を見るたびに私も年を取っても

ずっとあんな風でありたいと思ったものです。

愛されてたことを知っているからこそ、家族の気持ちを思うと

嗚咽がでちゃう、どんな言葉を掛けていいのかわからない。

でも、フィガロ母さんは「辛かったけれど、看病する時間を残して

くれたから、心構えが少しできたよ。」と言っていた。

以前、チョビ君と一緒に飼っていたラブラドールを突然の事故で

亡くしたフィガロ母さん。

だからこそ、この言葉は重かった。

チョビ君のお父さんは、お母さんに「13年も居てくれたんだもんなぁ」

と言った時、娘として、涙が止まらなかったと言ってた。

家族なんだよね・・・なんて犬の力は大きいんだろう。

近所の人や、お友達がたくさんお別れにきてくれたって。

愛犬が家族にもたらしてくれたものは、計り知れないね。

犬は、口は利けないけれどたくさんのことを教えてくれるよね。

優しさとか思いやりとか・・命の大切さ・・。

一緒に生活していくと犬から学ぶことってホントに多い。

でも、犬が伝えてくることって、ひとつだよね。

「愛」だけ。それだけで家族を変えちゃうんだもんね。

ALL YOU NEED IS LOVE! 愛こそすべて。

これで、ホントは世界も救える気がするんだよ。




ずっと一緒に.jpg


チョビ君、しつこく抱きついてごめんね。

でも、本当はもっともっと抱きつきたかった。てへ。

リンスに会ったらよろしくね。

たくさん幸せありがとう。



リンス.jpg


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