2006年04月29日

「JR福知山線脱線事故ー自責と他責」




















私は毎朝、JR西日本を利用しているわけですが、福知山線という文字を見たり、アナウンスでその名を聞いたりすると、やはりあの事故を思い出します。
あの事故からほぼ一年が経ったということで、いろいろな意見、議論があったようです。
JR西日本の体質は未だ変わっていないというものもありました。

たしかに、事故を起こしたのはJR西日本であり、その責任は限り無く重いでしょう。
それでいて、体質は過去と変わっていない、事故が教訓として生かされていない、という意見が出てくるような状況では、JR西日本の対応もまだまだなのだと思います。

しかし、一転、利用者の態度はどうなのでしょう?
あの事故の背景には、過密なダイヤを遂行しようとする運転士の焦りがありました。
ダイヤの遅れの大きな原因の一つは、停車駅での駆け込み乗車による時間のロスの積み重なりでしょう。
それを意識して、駆け込み乗車を一切しないようにしようと誓い、実行している人はどのくらいいるでしょうか。

少し早く起きて、みんなが出来るだけ分散した時間帯に電車を利用するようになるだけでも、事故の確率は減らせるのではないでしょうか。
自分の側に顕著な原因が見当たらない場合、それ以上深く考えずに、さも自分は正義であるかのように「他責」を強調する人が多いようです。
それはこの事故の件に限らずですが、「ある問題に対して、本当に自分には責任はないのか?」と考える事と、「ある問題に対して、自分の立場で何ができるのか?」と考える事は、全く同じ事です。
環境問題等について、自分たちの出来ることを考えるのと同じです。
JR西日本の変わらない体質を批判するのと同じくらい、「あの事故の教訓として、利用者の立場からできることとして、駆け込み乗車は絶対にしないようにしよう!」という声がないのは嘆かわしいことだと思います。

「他責」ではなく「自責」を考えるということは、追究すれば「成功はすべて人のおかげ、失敗はすべて自分のせい」ということであり、私の会社では、常にこの意識を持つように、という雰囲気があります。
自分に全く関係がないように思える社会問題の数々も、自分の立場に落とし込んで俯瞰することによって、固有の入射角が生み出されると思いますが、もしかするとそれは、当事者の立場では気付くことの出来ない、実行する事の出来ない、貴重な解決方法かもしれないのです。

P.S. キツイ言い方をすれば、私やあなたの駆け込み乗車が、事故の遠因となり、誰かの命を奪うかもしれない、ということです...


loveneeding at 23:52│Comments(4)TrackBack(5)clip!価値観 

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JR西日本の労務管理、刑事責任追及へ 兵庫県警  死者106人を出した兵庫県尼崎市のJR宝塚線(福知山線)で25日朝に起きた快速電車の脱線事故で、兵庫県警捜査本部(尼崎東署)は、電車を運転していた高見隆二郎運転士(23)=死亡=に加え、列車運行や高見運転...
3. 脱線事故から、一年  [ 「緑」の基地プロジェクト・運営コミュニティ ]   2006年04月30日 17:39
死者107人、重軽傷者555人を出した、JR尼崎脱線事故から、去る4/25(火)で丸一年が経ちました。
4. 福知山線脱線事故から一年、ご遺族の方に  [ 風月庵だより ]   2006年05月01日 08:54
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この記事へのコメント

1. Posted by 「感動創造」   2006年04月30日 00:53
お世話になります。

おっしゃること、よくわかります。

すべてを企業の責任、あれが悪い!というのはたやすいですよね。

私も、コメントなどで一貫していっているのは
利用する側のスタンスのことです。

駆け込み乗車もそうですが
多少ダイヤが乱れたり、止まったからといって
目くじらたてて怒りなさんなって!

だって、安全第一じゃないんですか?
矛盾してますよ!

ってことですよね。
2. Posted by ひろ   2006年05月01日 00:27
>「感動創造」さん

お久し振りです♪
コメント、ありがとうございました!

朝のラッシュでの相変わらずの駆け込み乗車を見ていると、本当に自分のことしか見えていない、視野の狭い人が多いなぁ...とため息が出てしまいます。

踏切の非常停止ボタンが押されて、非常停止信号が点灯し、電車が止まることがありますが、「どうせイタズラに決まってるのに、待たせやがって...」みたいな文句をいっている人をみると、人間性を疑ってしまいます。

>だって、安全第一じゃないんですか?
矛盾してますよ!

まったく、おっしゃる通りです。
3. Posted by 風月   2006年05月01日 17:50
TB有り難うございます。D.Rainbowさんのような観点からのご意見は、大変貴重なご意見であると思いました。
果たして加害者は誰なのか、人を責めるばかりでは解決できないことが、世の中の事件には多いと思います。
この事故に関しては確かに会社側にも責任はありましょう。高見運転手がまだ未熟であることを、見抜けなかったということにも責任があると私は思います。四十九日の間、私はひたすら高見運転手の冥福を祈りました。ご遺族の方の中には、そのようなことを許せないと思う方もいらっしゃるでしょう。私が遺族の一人であれば、できなかったかもしれません。
D.Rainbowさんならば、ご理解下さるかと思い、書かせていただきました。
4. Posted by ひろ   2006年06月11日 01:08
>風月さん

コメント、ありがとうございました。
長らくBlogをやる時間がなく、コメント返しが遅くなってしまいました。
「被害者も辛いけど、加害者も辛い。」
悲惨な事故、事件であるほど、なかなかこういう意識は持てないですが、やはり物事を一つの、あるいは限られた視点からしか見ない姿勢には、かなりの危機感を持っています。
「自分がその人の立場だったら、事故を未然に防げたのか?」ということを考えてみること、自分の立場に落とし込んで考えてみることに、答えがあるように思います。

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