女子の最初のスポーツ自転車にミニベロが良いXつの理由の投稿で「小さすぎる700Cフレームは良くない」的な記述をした。
 通常のロードバイクやクロスバイクは700Cのホイールを使う以上、こればかりはどうしても変えられない。
 ということはチェーンステイフロントフォークの長さはほとんど変えられないということだ。
 これを小柄な人に合わせたシートチューブにつけると前後に長くて高さが低いみょうちくりんなフレームになる。
 本来、5〜6フィートの人に合わせたM〜Lサイズで基本設計されているフレームをダウンサイジングしてもいびつなサイズになるだけで、本来の性能は発揮できない。
 その回はミニベロを奨める理由に重きを置いたので、「なぜ小さすぎるフレームが良くないか」については軽く触れた程度だったのだが、そこで少々説明不足のようだったので今回投稿記事を起こしてみた。

 ただ、この話にしてもあくまでオレの主観であり、ただ単に趣味で自転車に乗ってる人間の意見なので間違ってるかもしれないし、思い込み・勘違いも多分にあると思うので、そう思った場合は読み飛ばしてもらえればと思う。

MERIDA RIDE210(ミヤタサイクルより引用)
ride_210_01
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◆ 650Cの絶滅        
 オレがミニベロにも着目しだしたのはこのブログ(託録チェリストの憂鬱)を読んだ時。
 そこの「650Cロードバイクの話」という記事だ。
 そこで「のりりん」という漫画の650Cについての記述が引用されていた。
輪ちゃんのママ『この業界の人が全員必ず言うのよ。まず体に合ったサイズのフレームを選びましょうって』
ママ『ところが、こと体の小さな人の話になってくると、急にごにょごにょしだして、小さな声で言うわけ』
ママ『700Cのフレームに我慢して乗ってください』
 しかもこの注釈に『※ここまでちゃんと言ってくれる店員さんなら良い方で,「サドル下げられるので全く問題無く乗れますよ!』なんて言われたら基本的にナメられてると思った方がいい」と小さく書かれているところ。
 ここに理想ばっかり言うわりに商売の都合を押し付けてくるギョーカイの姿があると思った(怒)

 で、その650Cのロードバイク
 2015年にはRareighからCRA650Cというのが出てたんですよ。
 完成車で8万円の価格(のちに96,000円に改定)で。

 でも残念ながら翌年にカタログ落ち…orz
 おそらくこれが完成車でパッと変える最後の本格650Cロードバイクだったのではないだろうか?(2017年4月現在)
 近所のワイズロードに展示車があったので、マジで自分のカミさん用に買おうと思ったくらいだ(残念ながらカミさんは自転車にはキョーミなし(泣))
Rareigh CRA650C(ARAYA Rareighのサイトより引用)
CRA_650
 正確にはホリゾンタルじゃないが、ほぼホリゾンタルフォルムを維持した450サイズの650C
 これがたった1年でカタログ落ちしたのはホントに残念…

 カタログ落ちした2016年からは上級モデルのCRFやCRNに420サイズ、480サイズなどを用意してしのいだようだが、2017年からはCRAに450サイズを復活させているが700C…( ;∀;)
 写真が用意できなかったが、かなりスローピングがキツクなっている。

 特段ホリゾンタルにこだわらないのであれば別に良いともいえるかもしれないが、ジオメトリー的にムリをしているようには見える。
 そのせいか、だいたいメーカーは小さいサイズの写真はカタログやWEBには出さないことが多い。

【Wilier LUNA-Alumi】
Luna-Alumi

◆ ジオメトリについて     
 フレームの性能などを語るときに材質と同じくらい話題に上がるのがジオメトリだ。
 フレーム・ジオメトリはざっくり言うとフレームの各部の寸法や角度のことだ。

 ジオメトリは「ここをこうすればこうなる」といった理屈はあるんだが、その他の数値などが複雑に関係するので一概には言えないところもある。

 で、ここでは主に下記に着目しようと思う。
  • シートチューブ長シートチューブ角
  • ヘッドチューブ長ヘッドチューブ角
  • トップチューブ長
  • それらで決まるホイールベース
 これらの意味とザックリした特徴は以下の通り。
項目 意味 一般的な特徴
シートチューブ長 BBハンガー中心からシートパイプ頂上まで。 シートのフレーム内での最低高が決まる
シートチューブ角 シートチューブと水平の夾角 シートチューブのしなりに関係
一般に角度が増える(立つ)と乗り心地は固くなる
ヘッドチューブ長 フロントフォークコラムが収まる。 ハンドルのフレーム内での最低地上高が決まる
ヘッドチューブ角 ヘッドチューブと水平の夾角 フロントフォークの角度に関係
角度が増える(立つ)とハンドリングがクイックになる
トップチューブ長 前三角の上辺のチューブ長
スローピングフレームの場合は水平換算した数値の場合もある
サドルとハンドルの距離に関係
ホイールベースにも影響する
ホイールベース 前後輪の軸間距離 長くなると直進安定性が上がる

 各メーカーが自社フレームのジオメトリは公開しているのだが、これがけっこうまちまちの数値を出したりしていて比較を難しいものにしている(←なんでだろ?( ̄▽ ̄))
 で、いろいろ探した結果、GIANTが適当な数値を網羅していたので比較モデルすることにした。
 比較する車種はDEFY(男性モデル、GIANTのサイトはユニセックスと表現)とLiv AVAIL
 AVAILはDEFYの女性版として企画されたものだから比較対象にしやすい。
 GIANTではシートチューブをフレームサイズとしている。(これもトップチューブ長をサイズとしているメーカーもあるからややこしい…)

【DEFYジオメトリ】
A B C D E F G H 適応身長
430(XS) 515 430 125 74.5 71 70 982.7 420 155〜170
465(S) 530 465 145 74 72 70 989.6 420 165〜175
500(M) 545 500 165 73.5 72.5 70 995 420 170〜185
535(ML) 560 535 190 73 72.5 70 1005.8 420 180〜190

【AVAILジオメトリ】

A B C D E F G H 適応身長
395(XXS) 500 395 120 74.5 70 73 979.8 420 145〜160
430(XS) 510 430 135 74 70.5 73 986.5 420 155〜170
465(S) 525 465 150 74 72 73 983.3 420 165〜175

giant_giometry

◆ DEFYのXSとMLの比較    
 まずは男性用DEFYのXSとMLを比較してみよう。

A B C D E F G H 適応身長
430(XS) 515 430 125 74.5 71 70 982.7 420 155〜170
535(ML) 560 535 190 73 72.5 70 1005.8 420 180〜190
ML-XS 45 105 65 -1.5 1.5 0 23.1 0

 ここでまず問題になるのがシートチューブ(B)の差とヘッドチューブ(C)の差。
 単純計算でシートチューブでは105ある差がヘッドチューブでは65しかない。
 下でもうちょっと詳しく計算をしているのが、面倒な人は読み飛ばしてもらっていい

---< ちょっと詳しく計算 >---------------------------------
 もう少しつっこんで計算してみると、各チューブ長にはアングルがかかっているので、垂直に直すとシートチューブ差:97.26ヘッドチューブ差:63.02となる。 チューブ長×SIN(アングル)°で単純に垂線を算出

 ということはシートチューブは97于爾るのにヘッドチューブは63しか下がらないということになる。
 この差は34
 これにフォークアングルが1.5°違うことから計算すると、地面からのヘッド位置はXSが3伉磴なることから算出される数値は差し引き31
 ※ XSの方がフォークが寝るため、ヘッド位置が地面に対し低くなる。フォークはブレード長374个伐渉蝓
---< ここまで >---------------------------------

 結論として各サイズで目いっぱいサドルを下げるとXSの方が31丱▲奪廛薀ぅな姿勢となる。

 シート高とハンドル高でこんなに差が出てしまうともはや同じ次元では走りを語れなくなる。
 ロードバイクとクロスバイクくらいポジションが違ってしまうよ。


◆ DEFYとAVEILの比較    
 基本的に同モデルのディメンションだけでも相対的に結構な差が出るのがわかった。
 フレームのサイズ違いは相似形ではないのだ。
 これが女性モデルとなると拍車がかかる傾向にある。

 統計学的に身長が同じなら女性より男性の方が手足が長いそうだ。【参考サイト:Yahoo!知恵袋】
 おそらく女性は男性より腸が長いため、どうしても胴が長くなるのだと思う(←これはオレの勝手な想像)
 そのせいなのかは知らないが、AVAILは同サイズでもトップチューブ長が若干DEFYより短い

430サイズ
A B C D E F G H 適応身長
430(XS):AVAIL 510 430 135 74 70.5 73 986.5 420 155〜170
430(XS):DEFY 515 430 125 74.5 71 70 982.7 420 155〜170
DEFY-AVAIL 5 0 -10 0.5 0.5 -3 -3.8 0

465サイズ

A B C D E F G H 適応身長
465(S):AVAIL 525 465 150 74 72 73 983.3 420 165〜175
465(S):DEFY 530 465 145 74 72 70 989.6 420 165〜175
DEFY-AVAIL 5 0 -5 0 0 -3 6.3 0

 とりあえず430サイズで考えてみる。
 面白いのはトップチューブ長(A)
 AVAILの方がトップチューブが短くなってるのにヘッドチューブ長(B)は逆に長くなってる。
 トップチューブが短くなってサドルとハンドルが近づいたのにヘッドチューブが10弍笋咾討い襪里さらにアップライト・ポジションになる。
 ヘッドアングル(E)はDEFYより寝ているので計算してみるとヘッドチューブはAVAILの方が8亶發アップライトポジション。
 しかもフォークが寝ているということは、同じ角度のステムを付けるとハンドルの位置はさらに上がる

 なのにホイールベース(G)はAVAILの方が長くなっている。
 ホイールベースが長くなり、ヘッドアングルがかなり寝てるということになると、ハンドリングは直進安定方向に振っていることになる。
 トップチューブ長を短くしたのにホイールベースが長くなるというのは、かなりシートチューブが立って、フロントフォークが寝ていることによるものと思う。
 この辺りにサイズの苦しさが出てきてると思う。
 AVAILのXSサイズはこれ以上ホイールベースが詰められないのだ。

◆ シートとハンドルの高低差     
 次にWilier MontegrappaLUNA-Alumiを比べてみたい。
 ここで着目したいのはトップチューブのスローピングではなく、シートとハンドルの高低差だ。

【Wilier MONTEGRAPPA】
Montegrappa_e01


【Wilier LUNA-Alumi】
Luna-Alumi_pink_e01
 シートの高さは調整できるのだが、LUNAのシートピラーはほぼ目いっぱい出してる方だと思う。
 これ以上高さを上げるのならシートピラーを長いものに交換する必要があるが、それが出来る人はもう1サイズ上のフレームを買うべきだ。

 で、こんだけ高低差が作れないとなると、いずれ体幹筋力がついてもっとロードバイク的な全身を使ったペダリングをしようとしてもできない、ということだ。

◆ アップライトと立ったシートチューブの弊害   
 一般に、シートチューブが立つと道路の凹凸をサドルに伝えやすくなる。
 角度があればしなるが、立ってれば突き上げてくる。
 当たり前の理屈。

 なので一般にロングライド向きのフレームはシートチューブを寝かせるのだが、サイズが小さいとそれが苦しい。
 トップチューブ長が短くなってくるのでフロントホイールとのクリアランスが取れなくなり、フロントセンター(BBからフロントアクスルの距離)のサイズが確保できなくなる。

 なので後方に逃がすのだが、単純に逃がすと今度はリアタイヤと干渉する。
 しょうがないのでシートチューブを立てることによりなんとか前後の折り合いを付けようとするのだ。

 しかも、ポジションがアップライトになってるので、体重のほとんどがお尻にかかるようになる。

 シートは突き上げる。
 体重はお尻にかかってる。

 これじゃあ、ちょっと距離を乗っただけでお尻が痛くなるのも道理だ。
 ホイールベース、フォーク角はロングライド向きなのに、シートチューブ角はそうでないというちぐはぐさ。

 そもそも、初心者のポジションはアップライト、というのが間違ってる。
 それをしてる限り、どんなにサドルを替えても絶対に合うようにはならない

 初心者が『お尻が痛い』というと『サドルが合ってないんだね』というがそんなことはない。

 乗り方が間違ってるのだ!

 ロードバイクはサドル・ハンドル・ペダルでの3点指示が基本
だ。
 なのに、女性用のフレームは極端なアップライト・ポジションでそのほとんどがお尻にかかるようになっている。

 ホントならそのお尻にかかる体重の一部を腕やペダルに逃がしたい。
 ところが小さいフレーム、女性用のフレームはハンドルを下げようと思っても下げることができないからハンドルには体重が乗らない
 脚力が弱いからペダルにも体重がかからない → なのですぐに足が売り切れる


 なぜか?
 フレームジオメトリーがそうなってるからだ。

 合ってないのはサドルじゃない。
 フレームの方だ。

 なぜフレームが合わないのか?
 カラダに合わない無茶なホイールを付けようとするからだ。

 これが『女子の最初のスポーツ自転車にミニベロが良いXつの理由』で小柄な女子に700Cフレームはサイズ的に厳しい、と書いた理由だ。

◆ 売ってるから、売れているからといって”良いもの”とは限らない 
 子どものころの自転車の選び方の真逆の手法でサイジングをしたってまともな自転車は組みあがらない。

 『でもメーカーは売ってるじゃないか』というが、現代のマーケティング重視の商売は『良いもの』を売るよりも『売れるものを売る』

 これを『お客様のニーズにこたえる』と言葉を換え、『お客様は神様です』とおだてあげ、売れそうなものを高値で売り飛ばして、後は知らん!ってのがきょうびの商売のように思える。
 客が欲しがるからってなんでも売ればいいってもんではない。

 今の自転車屋の商売は保険屋の商売と同じだね。
 不安ビジネスだ。

 客の自尊心不安を煽って、要りもしないモノをさも要るかのように謳いあげて売りつける。
 サドルが合わないと言えば、サドルを売りつけ、それでも合わなければどんどん高いモノを奨めてくる。
 「個人差」というイイワケを楯に。

 坂道がしんどいと言えば、高価な軽量バイクを奨め、
 平坦がしんどいと言えば、高価なホイールを奨めてくる。

 たしかに高い機材にも意味はある。
 それは速く走るためだ。

 でも、軽量バイクに乗っても坂は楽にはならない
 高価なカーボンホイールを履いてもロングライドは楽にはならないのだ。

 高級機材の目的はただ速く走るためにその価値が最大限になる。

 速さと楽さを混同してはいけない。

 その辺を勘違いしているロードバイク乗りがどれほど多いか…

 …………

 ………

 ……

 …



 そもそも、速く走らないロングライドにロードバイクは不向きだ。
 エンデュランス系ロードバイクをロングライド向けというのも間違いだ。
 エンデュランス系ロードは長距離を速く走るために最適化されている

 まあ、ロングライドにロードバイクを使うこと自体は否定しない。オレもやってるし。
 でも、世のマスコミや自転車屋が言ってることって、「速く走ること = 楽すること(もできるんじゃない?)」といったユーザーの誤謬を誘う言い方をしているような気がしてならない。

 ロングライドならスポルティフランドナー、今風ジャンルならグラベルロードなんじゃないだろうか?

 ひょっとして、あなたの乗り方にロードバイクは向いていないんじゃない?

 でゎでゎ

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