今回、日程的に厳しかったのにサイクルモード・ライドに行った目的の一つにシングルスピードの試乗があった。
 去年からシングルスピード、それも固定ギアに興味があったのだが、なかなか試乗できる機会がない。
 展示しているところも近場では元町のワイズか梅田のウエパーぐらい。
 どちらもほぼほぼ試乗車は期待できない(ワイズは試乗車があるものは試乗できるが、ピストの試乗車はない)。

 で、一番の狙いは毎年出店しているFUJI
 今年も出店しているので行ってみたら試乗車として出していたのはFeather(フェザー)ではなくTrack ARCV(トラックアーカイヴ)。
 それはそれで良かったのだがフレームサイズが54サイズのみ。
 52だったらなんとか乗れたかもしれないがさすがに54はムリ。
 己の短い脚を呪う…(ノД`)・゜・。

 で、その他にどこかないかと探していたらありましたよ!
 チネリのブースに
 Cinelli TIPO PISTA(チネリ・ティーポ・ピスタ)が!

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◆ 初体験の固定コグ    
 バイクショップでロードの試乗はよくやってる。
 MTBもマスプロダクツでは良く試乗車を出しているので乗る機会を作るのは簡単。

 でも、シングルスピード・ピストを試乗できる機会ってホントに無い
 一時は自分のロードを固定ギア化しようかとも思ってたけど、けっこう費用がかかる割にはシングルスピードの美味しい部分はあまり味わえそうもなかったので断念した。

 なので通勤快速ラレー号で変速を制限してシングルスピードのシミュレートしてみたりしたが、リアハブがフリーなので固定ギアは体験できんまま。

 今回、やっとこのバイクを乗る機会を得て、固定ギアバイクの初体験となった。
 楽しみ〜(*´▽`*)
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◆ 固定ギア変更のリクエスト    
 Cinelli TIPO PISTAの実物はワイズで見てる。
 下の写真はワイズの展示車。
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 サイズで違いはあるが、自分はヘッドチューブが長いフレームはあまり好きでない。
 イマイチ間延びしてカッコよく見えないからだ。
 で、このTIPO PISTAは少しヘッドチューブが長く見えたのでさほど興味は持ってなかったのだが、この個体はそんなに長く見えない。
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 理由はこのフレームがXS(ワイズにあったのは銀がS、紫はM)だからだ。
 ハンドル幅が狭く、ステムが短いので多少窮屈だったがさほど違和感がなかったのでこれを試乗車にした。
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 BB上に「XS」サイズの表示。

 TIPO PISTAはデフォルトで固定/フリー両方使えるハブが付いている。
 で、乗る前にブースの人に現在はどっちなのかと聞いたら「フリー」とのことなので固定側にホイールをひっくり返してもらった。
 クイックリリースのようにスコッとは外れないので申し訳なかったが、ブースの人は手際よく2〜3分で固定側にしてくれた。
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 これは固定にしてもらった後。
 左側のスプロケがフリー側のもの。

◆ 外観レビュー     
・ドライブトレイン

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 シングルスピードらしいシンプルなドライブトレイン
 ロードやMTBのメカメカしいドライブトレインに慣れた目には逆に新鮮。
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・ステアリング周り
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 FUJIのFeatherなどとは違い、ロードっぽいステアリングバー。
 Cinelliロゴのバーテープが萌えポイント。

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 デフォではブレーキレバーは上ハン部分にしかない。
 初心者用の補助ブレーキみたいだ。
 たぶんこれはブレーキレバーを目立たせないようにしようとしているのかもしれない。
 ロード乗りならロード用ブレーキレバーを付けるのが良いと思う。

・シートチューブクランプ周り
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 ブレーキケーブルはフルアウター。
 わりとピストはフルアウターのものが多い。
 海外では必ずしも外部ブレーキの装着を求められないからかもしれない。

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 ブレーキはブランドはPROMAXの普通のキャリパーブレーキが付いていた。
 PROMAXにはあまり良いイメージがないが、固定ギアピストならまあとりあえずは大丈夫だろう。
 タイヤの銘柄は確認し忘れた。

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 サドルは完成車に付いているチープなものだが、Cinelliのロゴはやっぱり萌える(笑)

◆ 試乗レビュー        
・スタートの儀
 固定ギアはまず漕ぎ出しの時から儀式がある。
 タイヤを転がすか、持ち上げて後輪を空転させてペダルを3時付近に持ってくる儀式だ。
 フリーハブのようにペダルをクルッとは回せない。

・さっそく押される感覚
 漕ぎ始めて加速し始めたがここの試乗コースはすぐに左に直角に曲がるため前走者が溜まりやすい。
 その前走者とペースをあわそうとペダリングを緩めた途端に足がペダルに押し上げられる
 「おっと…」
 その時改めてこれが固定ギアだったことに気づかされる。

 直線の少し広い場所になったのでペダリングを強めると固定ギアの独特の感覚が強まる。
 当然っちゃあ当然なんだが、ペダリングの360度前部を左右かなりシビアにシンクロさせないと上手く漕げない。
 この時いかに自分のペダリングがフリーの遊びの部分に助けられていたかがわかる。

『固定ピストに乗るとペダリングがキレイになる』
 そういう話も聞いたことがあるが、なんとなくそういう気持ちもわかる(ただしホントにキレイなるかどうかは知らん)。

・意外と登れる
 ロード乗りがシングルスピードで一番気になる部分が
『はたして変速機無しで坂を登り切れるのか?』
ということだと思う。

 結論から言うと
『けっこう登れる』

 このTIPO PISTAのギアはF:48T、R:17Tなのでギア比は2.823
 これはロードのコンパクトクランク(50T)だと17〜18T相当。
 11-28Tのカセットだと6速でちょうどど真ん中のギアだ。

 これだけ聞くと坂道がしんどそうだが、TIPO PISTAは重量7.8と軽量。
 しかも変速機のプーリーテンションがないので駆動系のフリクションロスはかなり低い。

 さらに固定ギアはオレが最初に「押される」と感じたタイヤからのバックトルクがある。
 固定ギアの乗り味で一番大きいのはこのバックトルクだと思う。

 フリーハブのバイクの場合、ペダルのための力は自力のみ。
 でも固定ハブの場合はそれにプラスしてホイールの回転慣性がかかる。
 これを"巧く"利用すればわりと登れるんよ。

 逆にいえば"ヘタ"こくとその力が使えない、というよりネガにすらなる。

◆ バックトルクの使い方    
 例えばクルマの場合、クラッチを切らない限り車輪とエンジンはミッションを介して直結だ。
 その直結状態を利用して長い下り坂などではエンジンブレーキを利用する。
 エンジンブレーキという装置があるわけじゃない。
 エンジンブレーキとはエンジンのフリクション、すなわち摺動抵抗をブレーキ代わりとして使うことを言う。

 一方、通常のフリーハブ自転車の場合は駆動するときは駆動力が伝わり、エンジンである足を止めると空転するワンウェイ・ラチェット(車でいうとワンウェイクラッチ)だ。
 なので足を止めてもバイクはそのまま走り続ける

 しかし固定ギアの場合はクルマと同様、エンジンと車輪は直結状態
 バイクが走ってる限り足は止められないし、足を止めれば後輪はロックする。

 ということは平坦でも下り坂でも足は止められない
 足を止めるということはバイクを止めること。
 ということは登りでもペダリングが悪いと駆動力を阻害することも十分ある。

 なので、フリーハブのバイクから想像するよりは登れるけど、決して楽に登れるわけじゃない
 楽になるとすれば、変速機のフリクションロス分は楽になると思うが、それが体感できる程かどうかはわからない。

◆ 問題は下り坂      
 固定ギアの乗り方でよく言われるのが『登りより下りの方が問題』というもの。
 結局足と車輪が直結しているので、下りの場合足がペダルの回転に追いつかないと足が弾かれて危険だ。
 登り坂のことを考えるとギア比を軽くしたい気持ちもわかるが、むやみに軽くすると登りは良いが下りが怖い。

 例えば、TIPO PISTAのギア比は2.823
 GD値(ペダル1回転で進む距離)は5.9283m

 これから速度域によるケイデンスを計算してみた。
 ついでなのでTIPO PISTA以外の類似車種についても計算してみた。
 それらの自転車のデータは以下の通り。
F R G.RETIO GD
TIPO PISTA 48 17 2.823529 5.957647
VINTAGE PISTA 44 16 2.75 5.8025
TRACK ARCV 48 16 3 6.33
FEATHER 46 16 2.875 6.06625
 前後スプロケットの歯数からギアレシオ、GD値を算出し、700×25Cのタイヤ周長からケイデンスを計算した。
km/h TIPO VINTAGE TRACK FEATHER
15 41.96288 43.08488 39.49447 41.21162
20 55.9505 57.4465 52.65929 54.94883
25 69.93813 71.80813 65.82412 68.68604
30 83.92575 86.16975 78.98894 82.42324
35 97.91338 100.5314 92.15377 96.16045
40 111.901 114.893 105.3186 109.8977
45 125.8886 129.2546 118.4834 123.6349
50 139.8763 143.6163 131.6482 137.3721

 通常、ロードバイクで平坦路の巡航はだいたい時速30〜40劼阿蕕い世隼廚Δ、その時のケイデンスは83〜111回転/分
 ケイデンス110回転程度ならそんなにツラくないように思えるが、これをずっと巡航、しかも足を止められないとなるとけっこうキツいと思う。
 現にあまり足を止めないと思ってるオレでも交通状況によって足を止めたり緩めたりしているんだな、ってことが固定ギアに乗ると自覚できる。
 足を止めるのは自分が休むときだけではないのだ。

 で、時速45劼箸發覆襪125回転
 オレが三本ローラーで回す限界値が130〜40回転ぐらい。
 それも長時間は回せないので下りだと相当キツいと思う。

 固定ギアだと全く遊びがないので足が追い付かなくなれば即落車か、足がペダルに弾かれてペダルは勝手に高速回転、足は外したまま元に戻せない状態になる。
 ブレーキをかけて速度を落とすしかないが、ペダルにアシを乗せられない状況でブレーキをかけるのはちょっとしたスリルでは済まないくらい不安定になると思う。

 参考に併記したGIOS Vintage pistaだとギア比がもっと低いので、もっと大変な感じだ。
 この中で一番ギア比の高いTrack ARCVでも時速45劼世120回転も回す。

 これらの回転は”自分で回す”のではなく、”ペダルにムリヤリ回される”のだ、下りの場合。

◆ まとめ 
・勾配は5〜6%までなら快適
 初めて乗った固定ギアは楽しかった!
 坂が気になるとは思うが勾配5〜6%ぐらいまでならほとんど気にならない。
 4〜500mの短距離なら8%ぐらいでも大丈夫だと思う。
 でもそれ以上は登りはしんどい、下りはアブナイので降りて押した方が良いかもしれないが、固定ギアはペダルがぐるぐる回ってジャマなのが玉にキズ…

【良いところ】
  1. 高級パーツを使用せずに7.8Kgの軽量さ
  2. Featherなどのピストよりロードバイク的ジオメトリでとっつきが良い
  3. フレームやフォークのCINELLIロゴは萌える
  4. 厚歯スプロケにチェーンと固定ハブのダイレクト感
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【悪いところ】
  1. やっぱりブレーキレバーは普通のロードのものが良い
  2. フルアウターのブレーキケーブルはやっぱり握り心地がもっさり
【注意】
 試乗車は固定・フリーのコンパチブルハブだったが、以前見たワイズの展示車の写真を見返してみるとスプロケは片側だけだった。
 確認は取れてないが公式Webサイトの表記『17T 固定ギア』と表記されているので、商品は固定ギアのみで試乗用にコンパチハブを使っていたのかもしれない。
 もし購入する場合、販売店に確認してくださいね。
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 このバイクでヒルクライムはごめんだが、普段乗りでアーバンライドするならクロスバイクやロードよりむしろこっちの方が軽快で良いかもしれない。
 固定ギアがちょっと…と思うならフリーで運用しても軽快なシティバイクとして良いと思う。

 シングルスピードって試乗車をもっと出せばけっこう売れると思うんやけどなぁ…
 みんな、変速機がないことで二の足を踏んでると思うし、変速機がない軽快感も体験してないから買わないんだよ。

 一度丸一日乗り倒したいよなぁ…

 でゎでゎ

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