ケン・ラッセルのサロメ

 これは珍しいというので、DVDリリースと同時に買っていたソフトです。こんなのどうせすぐに絶版になって、追加リリースなんてされないだろうし(笑)
 「サロメ」は戯曲発表後にすぐ上演禁止になって、多分未だにイギリスでは上演禁止演目の筈です。イギリスでは「聖書を題材とした演劇」全般が上演禁止だと聞いたことがあります。
 この映画は、作者のオスカーワイルドのために、娼館の亭主が「サロメ」を私的に上演するという話です。
 ケン・ラッセルらしい悪趣味さやエロチシズムに溢れていて、それはそれなりに期待通りだったわけですが、やはり原作への愛故か、原作を単純になぞっているだけ、という印象はぬぐえませんでした。

 私にとって「サロメ」と言えばイギリスの演出家スティーブン・バーコフの舞台でして。10年ほど前に日本でも上演されているのですが、非常に怪しく、美しい芝居でした。外国語の演劇で、言葉の違いを超えて楽しめたのはこの作品だけです。DVDは英語版のみリリース。

 この舞台の、妖しくも上品な感じが好きだったので、ケン・ラッセルの悪趣味さについて行けなかったのかもしれません。サロメ役の女の子も魅力的だったのですが、これも賛否両論でしょう。

 ケン・ラッセル作品では、他に「ゴシック」「マーラー」を見ましたが、どちらもお薦め。ただ、買うほどではありません。