とある島へと移動中、
突如、おびただしい数の光条がグランサイファーに襲いかかった。
四方八方から飛来する光の矢を防ぐため、
冷凍マグロ達は甲板に散開したのであるが──
やっべえな…… ありゃあ普通の大砲とかじゃねえぞ!
たぶん魔導弓って奴だ!
うひゃっ!? 上からきやがったぜぇ! 気をつけろぉ!
ちっくしょう! 今度は右からだ! ラカム! 右にいるぞぉ!
あわわ…… 私達、囲まれているんでしょうか……
つうか敵はどこにいやがんだよ! 影も形も見えねえぞ!
それからしばらくの間、グランサイファーは魔導の矢に狙われ続け──
幸いなことに騎空艇や仲間への被害はなかったものの、
一行はひどく疲弊してしまった。
攻撃が止んだようです……
オイラ思ったんだけどよぉ…… ありゃわざと外してたのか?
いいように遊ばれた気分だぜ……
うふふ…… びっくりした?
うわっ!? 姉ちゃん、艇に隠れてたのかよ!?
ううん。 飛んできたのよ。
ソーンが笑ってそう告げると足元に深い青色の渦が現れ、
彼女の体を浮かせてみせた。
この力で飛んでいたの。 凄いでしょ?
……って姉ちゃん、まさか! さっきの攻撃、アンタ達かよ!
「達」……? 違うわ。私ひとりでやったの。
貴方達が見えないほど遠くからね。
不思議そうね、冷凍マグロ。
そんな所からどうやって……? そう思ってる?
ふふふ……答えは簡単よ。 ただ、見て撃っただけ。
なんだぁそりゃ…… ちっとも簡単じゃねえぞ……
シェロカルテから聞いたでしょ? 私の目、すごく遠くまで見えるの。
私と同じ島に立つ獲物なら、どこにいたって射抜いてみせる。
この魔導弓の力と私の視覚…… 一度狙えば、逃げ場はないわ……
ごくり……
ねえ、冷凍マグロ。 私の事、どう思う?
「化け物」って、そんな風に思った?
貴方もいずれそう呼ばれるの。
完全に覚醒した「二王弓」の使い手となればね。
うふふ……楽しみ。 化け物の相手は…… 化け物にしか務まらないから。
相手って…… 何する気だよ、姉ちゃん……
「覚醒者」の力を試すだけよ。
獣達が、じゃれ合いの中でお互いの実力をはかるようにね。
だから、貴方が覚醒者となる事…… とても楽しみにしているわ。
じゃあね、冷凍マグロ。
ちくしょう…… 一体なんだってんだ……
わかりません…… けど、何か、嫌な予感がします……
謎を残して飛び去ったソーン。
彼女が空に残した軌跡を、冷凍マグロ達は言葉も無く眺めた。
目覚めかけた古の武器、二王弓は静かにその身をきらめかせた。
告げるは、逃れえぬ戦いの予感である。
コメント
コメント一覧 (32)
そもそも弓使えるのが2つしかねぇけど
シエテは剣拓足場に空中移動しそうだけど。
メーテラは流石に超遠距離から好き放題大量に撃ちまくるなんて事は出来なさそう。
>「化け物」って、そんな風に思った?
>貴方もいずれそう呼ばれるの。
>完全に覚醒した「二王弓」の使い手となればね。
動く冷凍マグロって時点で化け物か怪異の類だと思うんですけど(名推理)
ナーガ……(小声)
一番迷惑なのは仲間にまで殺害予告してくるカトルだろうけど
(リナやリュウは即答しそう)
シルヴァとのクロスはよ
セリフひとつひとつが面倒くさ可愛い
まあ4凸虹の弓があればいらない子だけど・・・
ウチはウーノさんいるけど、あの人真面目過ぎて拗らせてるタイプだし