久しぶりに刑事コロンボ『別れのワイン』をBSで観た。
今見ると物語の筋につっこみどころは多いけれど、ワインをめぐるやり取りや科白は半世紀を経て最早無形文化財である。
昔も一寸書いた覚えがあるが、シャブリをシャブリスと言い、カベルネをカベニー、ボルドーをクラレット、ブルゴーニュをバーガンディ……と、日本語読み、死語入り乱れ、まさに歴史教科書になっておる。
終盤、コロンボが奢るレストランシーンも面白く見た。何本も高額ワインを注文しながら「いったい幾らふんだくられるんですかね」と心配するコロンボに、醸造家エイドリアン・カッシーニ(ドナルド・プレザンス)曰く、「昔欧州の富豪がヨットを買うのに値段を聞くようでは買う資格はないと言ったものです」と。
へえ、そんなもんかね。秘書役のジュリー・ハリスも懐かしい。
「こんな腐った水は飲むに堪えない」(エイドリアン)
この数年世話になっている信州の店屋の主人から俺の地元のさる家を度々推薦された。じゃあと電話してみたのだが、何度かけても出ない。
OMAKASEに出ているらしいので見てみたら「予約ルール」という表記があり何だかだ書かれていた。要すれば何月の予約は何月何日何時から受け付けるから電話せよという訳である。運が良けりゃ電話に出るからさと。
アホくさいと思った。なんでそこまで苦労して十万なにがしをわざわざ払いに行く必要があるか。
次回予約できっちり埋まっており会員制化しているならかようなサイトなどに載せず廃業しているかのように知らん顔して営業していればいいと思う。見たこともない客などワシらは興味ないねと。どうせ一代でお仕舞だしねと。
更に言えば、予約ルールなどと公平を謳うなら次回予約はきっぱり中止すべきである。
雨月、吉いで喰ったイサキは俺にとって今季最高の刺身だった。肉の厚さから見て40センチに届こうという大型の魚体が想像できる。
物の本によれば6年物。皮を残した塩と酢による仕込みで、例によってまったく何も手をかけていないかの様に魚の風味のみが舌に伝わる。この場合、皮は通常炙る筈だがその形跡もない。皮は皮、肉は肉がそのままある。骨に接した身の部分のみがほんの僅か白濁していて締め具合を物語るが、熟成度合いもわからない。
そう、わからないのである。
最近思うのだがこの家は、空気のような味を目指しているような気がしてならない。つまり、味のない味。要すれば、頗る付きに手をかけてものの味を消していくのである。見事としか言いようがない。
ルキウス
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