先日とある方とお話していたら、「アメリカではまだ任意適用さえ認められていないのだから、日本もそんなに急がなくてもよいのではないですよね?」とおっしゃっていたのでちょっと驚きました。
この点について、①IFRSで財務諸表を提出している企業数は米国市場のほうが多いという事と、②アメリカの後追いをしても安心できないという事の2点についてお話したいと思います。

IFRS適用企業数はアメリカ(米国市場)のほうが多い
ご存知ない方が意外と多いのですが、実は米国市場でIFRS版財務諸表を開示している企業は日本市場のそれよりもはるかに多いのです。その数450社。これに対し、日本は任意適用を表明した会社が20社前後ですから、おおよそ20倍。
確かに、アメリカではIFRSの強制適用はおろか、任意適用さえ認められておらず、米国市場に上場しているアメリカの企業はIFRSを適用することができません。しかしながら、米国市場に上場している外国の企業は、IFRSを適用することができるのです。ここでいうIFRSは、IASBが作成した本来のIFRSであって、“米国版国際会計基準”ではありません(そのような基準は存在しません)。

アメリカの後追いをしても安心できない
確かに、過去において日本はアメリカの後を追うようにIFRS導入準備を進めてきました。それは、両国のロードマップを比較してみれば明らかです。しかし忘れてはいけないことは、日本とアメリカの立場は違う。現時点でのIASBへの影響力は同じではないという事です。アメリカ(FASB)は何年も前からIASBとともにIFRS作成に関与してきた立場。基準作成に関与するメンバー(IASB理事)15名のうち4人を送り出しています。これに対して日本は1名。
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さらにいま、日本には課題があります。
先日の投稿で”数の確保”の話をしましたが、次のボードメンバーの見直しは2016年、それまでにIFRSを適用している企業の数を増やす事。「2016年までに300社」日本は世界に宣言しました。

もはやアメリカについていけば、いい思いができるという状況ではありません。(それがわかっているからこそ、今回の任意適用の要件緩和に踏み切ったのだと思いますが。)