2015年12月04日
前回のエントリ『人類は少子高齢化しました』において人類が少子・長寿化している事を示したが、これに大きく寄与しているのが乳幼児死亡率の劇的な改善だ。
次のVizは1800年から2015年までの200年間にわたる乳幼児死亡率の推移を示したものである。元データはGapminderのものだ。乳幼児死亡率は生まれた子供が5歳までに死亡する割合を表し、出生1,000人に対する死亡者数で表される。

次のVizは1800年から2015年までの200年間にわたる乳幼児死亡率の推移を示したものである。元データはGapminderのものだ。乳幼児死亡率は生まれた子供が5歳までに死亡する割合を表し、出生1,000人に対する死亡者数で表される。

1800年では乳幼児死亡率は世界のどこでも400程度だった。地図はすべて真っ赤である。10人に4人が死ぬ状況が絶対の自然の掟だった時代だ。
1900年になるとヨーロッパやオセアニアで減少が始まり、200を切る黄色く塗られた国が出現し始める。そして一気に死亡率は急落し、今や先進国では緑色の死亡率が10を切る状況だ。日本の乳幼児死亡率は2.7。1000人あたりわずか2.7人しか死なない。世界全体を見てもアフリカが71.9とまだ高い事を除いては概ね30以下まで改善している(国連はアフリカの乳幼児死亡率を1990年の水準から1/3まで減らすことを目標に活動している)。
乳幼児死亡率が改善した理由には公衆衛生の改善、生活水準の向上、化学療法、抗生物質の普及による医療技術の進展に伴う、呼吸器系、消化器系、中枢神経系の一般的な感染症疾患及び乳児固有の疾患の死亡率低下があげられる。
ただし、我が国においては、化学療法や抗生物質等の有効な医療技術は乳児死亡率がある程度低下してしまってから導入されており、医療技術による死亡率低下への貢献は小さいとの検証がなされている(わが国の乳児死亡率低下に医療技術が果たした役割について)。
我が国においてほんの100年前では生まれた子供の30%が5歳までに死亡していた。それが70年前には15%、50年前には2.5%、そして今では0.27%だ。これだけ乳幼児死亡率が低い時代はせいぜいこの2世代に過ぎず、人類は初めて赤ん坊が死ぬことのない幸せな時代を経験しているのだ。
今では誰もが当然と思っていることも、多くの先人たちのたゆまない努力の結果であり、数世代前の人から見ればどれだけ望んでも得られなかった奇跡のような日常であることを忘れないようにしたい。
1900年になるとヨーロッパやオセアニアで減少が始まり、200を切る黄色く塗られた国が出現し始める。そして一気に死亡率は急落し、今や先進国では緑色の死亡率が10を切る状況だ。日本の乳幼児死亡率は2.7。1000人あたりわずか2.7人しか死なない。世界全体を見てもアフリカが71.9とまだ高い事を除いては概ね30以下まで改善している(国連はアフリカの乳幼児死亡率を1990年の水準から1/3まで減らすことを目標に活動している)。
乳幼児死亡率が改善した理由には公衆衛生の改善、生活水準の向上、化学療法、抗生物質の普及による医療技術の進展に伴う、呼吸器系、消化器系、中枢神経系の一般的な感染症疾患及び乳児固有の疾患の死亡率低下があげられる。
ただし、我が国においては、化学療法や抗生物質等の有効な医療技術は乳児死亡率がある程度低下してしまってから導入されており、医療技術による死亡率低下への貢献は小さいとの検証がなされている(わが国の乳児死亡率低下に医療技術が果たした役割について)。
我が国においてほんの100年前では生まれた子供の30%が5歳までに死亡していた。それが70年前には15%、50年前には2.5%、そして今では0.27%だ。これだけ乳幼児死亡率が低い時代はせいぜいこの2世代に過ぎず、人類は初めて赤ん坊が死ぬことのない幸せな時代を経験しているのだ。
今では誰もが当然と思っていることも、多くの先人たちのたゆまない努力の結果であり、数世代前の人から見ればどれだけ望んでも得られなかった奇跡のような日常であることを忘れないようにしたい。
lunarmodule7 at 10:00│Comments(0)│TrackBack(0)│