綺麗にカテゴライズされる日本のオタク市場刑法犯認知件数に基づく全国犯罪発生率マップ

2016年01月25日





頻繁に日本でもアメリカの凄惨な銃乱射事件が話題になるが、銃乱射事件のリストをまとめているMass Shootingsを見ればアメリカでは銃乱射事件は誇張なく日常茶飯事であることに気付かされる。

Mass ShootingsではFBIの定義を踏襲し、犯人を除いて4人以上の死傷者が出た事例を銃乱射事件と定義している。冒頭の地図は2014年6月29日から今日までの最近500件の銃乱射事件を可視化したものだ。赤が死者、青が怪我人を表している。575日の内、実に304日で銃乱射事件が発生しており、信じがたいことに2日に1日のペースで4人以上の死傷者が出る銃乱射事件が起きている。



次のVizは最近の500件をカレンダー形式にまとめたものだ。カレンダー部分にマウスオーバーすれば上部の地図に場所を表示するようにしている(場所が特定出来ないものは表示されない)。カレンダー部分の数字は死傷者数を表している。地図部分の都市名に続く数字は(死者数/傷者数)である。カレンダーのほぼ半分が埋まっていることに気づくだろう。




特に凄惨な銃乱射事件が発生すると銃規制の議論が繰り返されるが、事態は改善の兆しを見せない。よく知られているように、思い切った規制に踏み切れないのはアメリカ合衆国憲法修正第2条が原因だ。

規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有しまた携帯する権利は、これを侵してはならない。
アメリカ合衆国憲法修正第2条


2012年12月14日に発生したサンディフック小学校銃乱射事件では、小学校の児童20人を含む26人が死亡し、全米に銃規制の機運が高まった。当時、オバマ大統領が「今日、心が引き裂かれるような悲しい事件が起こった」とする声明を出し、大統領として事件の解明・再発防止を目指すと意向を発表したが、何ら実効性のある対策を打てていない。

当時、銃規制に反対の立場を貫く全米ライフル協会(NRA)は全米の全学校に武装した警官を配置すべきとの見解を発表し、銃所有者を悪者扱いしているとしてメディアや政治家を非難した。

 NRAのウェイン・ラピエール(Wayne LaPierre)副会長は事件後初となる記者会見で、「銃を手にした悪者を止められるのは、銃を手にした善人だけだ」と主張。「私は議会に対し、武装警官をこの国の全学校に配置するために必要な手段の承認に向け、迅速に行動するよう求める」と述べた。会見は長時間に渡ったが、記者からの質問は一切受け付けなかった。


事件後、「(銃規制をするために)事件すべてがでっちあげであり、被害者家族や目撃者もすべて俳優が演じていた」という陰謀論が展開され、ネット上に検証サイトが立ち、被害者家族への誹謗中傷まで起きたというから、銃規制の根は深い。

そんなわけで、アメリカでは相も変わらず銃乱射事件が発生し続ける。銃規制が機能している日本の治安の良さを考えれば、銃規制を断行するほうが長期的には安全性が高まるだろうし、銃の所持率が1%上がるごとに、殺人率が0.9%上がるという研究も存在する。ただし、こうした事に大半の米国人が同意するとしても、アメリカで実効性のある銃規制が実現する可能性は小さい。

遅ればせながら先述の小学校襲撃から3年経った今年1月、オバマ大統領は涙ながらに新たな銃規制の強化を発表した。果たしてどれだけ効果が出るだろうか。完璧な解は無くとも少しでも事態が改善されれば良いのだが。

lunarmodule7 at 10:00│Comments(1)TrackBack(0)││社会 | 視覚化

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この記事へのコメント

1. Posted by 狩魔   2016年02月26日 16:35
初めまして。

自分、大学を出るまでほとんどアメリカに住んでたんですがアメリカ人のこの銃に対する信仰…みたいなものに関しては最後まで良く理解できませんでしたね。例えば自分が読んだ場合、その憲法修正第2条がどう銃所持を認めてるか良く分からんわけですよ。「お前らどう見ても『規律ある民兵』じゃないよな」って事になるんですが、今のところ何故かこれで一般市民もカバーしてるようです(少なくとも2010年の最高裁での判決によれば)。

それぞれの学校に武装した警察官を常時派遣するより銃のない社会にした方が遥かに安全だと思うんですがどうもその発想は少なくない人数のアメリカ人には全く通じないらしい。今は日本に戻って生活していますが正直アメリカに戻ってそっちで生活したいとはあまり思っていません。

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