2017年03月20日
過疎化などで人口の50%以上が65歳以上の高齢者になって社会的共同生活の維持が困難になっている集落を限界集落と呼ぶ。先日の将来推計人口マップ2010-2040で取り上げた日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)を用いれば将来の限界集落数の動向を知ることができる。本来限界集落は市町村よりも小さい単位で判断されるものだが、ここでは市町村単位の判断となっていることに注意。小さい単位の集計では限界集落数はより大きくなるだろう。注:福島県については震災直後という時期から県全体まとめて一つの推計となっている。
次のグラフは2040年までの限界集落およびその予備群の推移を示したものである。限界集落は人口の50%以上が65歳となる自治体だが、同45%以上となる自治体を予備群として合わせてプロットしてある(55歳以上が50%を超える準限界集落という定義があるのだが、55歳以上の人口構成比のデータがないので代替)。
これによれば2015年時点で限界集落は17存在し、2040年にはその10倍の169に増加すると予想される。限界集落予備群も合わせれば2040年にはおよそ400の自治体において社会的共同生活の維持が難しくなる。
次のグラフは2040年までの限界集落およびその予備群の推移を示したものである。限界集落は人口の50%以上が65歳となる自治体だが、同45%以上となる自治体を予備群として合わせてプロットしてある(55歳以上が50%を超える準限界集落という定義があるのだが、55歳以上の人口構成比のデータがないので代替)。
これによれば2015年時点で限界集落は17存在し、2040年にはその10倍の169に増加すると予想される。限界集落予備群も合わせれば2040年にはおよそ400の自治体において社会的共同生活の維持が難しくなる。
次は限界集落および限界集落予備群をマップ化したものだ。クリックするとTableau Public上のインタラクティブなVizに遷移する。右上のスライダーで年を2015年から2040年まで変化させられる。マップ上では限界集落を濃い赤、同予備群を薄い赤で示している。また右側には65歳以上の人口割合が大きい順に限界集落および同予備群を表示している。フルHD解像度となるのでPCなどで確認いただきたい。
北海道、東北、北陸、四国、九州の交通の便が悪い内陸部から限界集落化が進行することが分かる。実際には行政区域の再編が行われ、このままの形で限界集落となるわけではないが、本質的に共同生活の維持が困難になる地域が出ることは避けられない。
限界集落再生の試みが各地域で行われているが、日本全体の人口が大きく減少する以上、再生が限界集落化の勢いを止められるとは考えにくい。限られた人口で社会生活を維持するためには、都市部に人口を集約させるしか無い。将来的にロボットが不足する労働力を供給するとしても、時期的には間に合いそうもない。
そろそろ夢を見るのをを止めて、人口減の将来を見据えた都市設計を本気で検討すべき時期だろう。
北海道、東北、北陸、四国、九州の交通の便が悪い内陸部から限界集落化が進行することが分かる。実際には行政区域の再編が行われ、このままの形で限界集落となるわけではないが、本質的に共同生活の維持が困難になる地域が出ることは避けられない。
限界集落再生の試みが各地域で行われているが、日本全体の人口が大きく減少する以上、再生が限界集落化の勢いを止められるとは考えにくい。限られた人口で社会生活を維持するためには、都市部に人口を集約させるしか無い。将来的にロボットが不足する労働力を供給するとしても、時期的には間に合いそうもない。
そろそろ夢を見るのをを止めて、人口減の将来を見据えた都市設計を本気で検討すべき時期だろう。