2017年04月25日

日本学生支援機構が学校毎の貸与及び返還に関する情報を公開した。大学別の奨学金の貸与者数、延滞者数などを示したものだ。UIは1校ずつしか検索できないようになっており極めて一覧性に乏しいが、東洋経済が独自集計!全大学「奨学金延滞率」ランキングでそれを一覧化し話題になっている(画像のため検索性に乏しいが)。

気になるのは大学入試偏差値との相関だ。やはりレベルの低い大学は延滞率が高くなるのだろうか。そこで最新!大学偏差値情報 2017から各大学の平均偏差値を算出し、延滞率との関係を見たのが次のVizだ。クリックするとTableau Publicに遷移し、マウスポイントで詳細情報を取得でき大学名で検索可能なインタラクティブなVizにアクセスできる。青が国立、緑が公立、赤が私立でそれぞれON/OFF可能だ。円の大きさは学生数を表している。

入試偏差値-奨学金延滞率


Tableauが見られない人のために高解像度画像(3628x1981)も置いておくので参照してほしい。

Vizを見て明らかなように入試偏差値と延滞率とは有意な相関がありそうだ。相関係数は0.3(弱い相関)。p値は0.0001以下であり、平均偏差値=-3.27338*延滞率+53.4109と表される。特に私立大学はその傾向が強く(Vizで私立大学だけ表示してみてほしい)、偏差値50以下の私立大学は、偏差値50を延滞率0%として偏差値が2下がるごとに延滞率がおよそ1%ずつ上がる。偏差値が下がるほど延滞の確率が上がるのだ。

さらに偏差値を5ずつ区切り、箱ひげ図にしたのものが次のVizだ。各点は各大学各学部を表す。一番左のNULLは廃校などの理由により偏差値情報が得られなかったものだ。やはりきれいに順に並ぶが、偏差値50を超えたところから延滞率が急に上がっていることが目につく。この領域では赤で示される私立大学が支配的だ。

ついでに各数値を得やすいように検索可能なランキング表を貼っておく。例によって大学名でハイライトが可能だが、残念ながらスクロールは自動でしてくれないのでハイライトしたあとはスクロールして探してほしい(Tableauいけてない)。

大卒と高卒の生涯収入差は4000万円ほどになるらしいがあくまで平均値の話である。平均値を大きく下回る領域では、大学4年間の学費とその間の逸失利益を考えれば、大学進学がペイしない状況が珍しくないのでは無いだろうか。偏差値50以下の延滞率の明らかな上昇は、大学進学が割に合わないどころか奨学金の返済にさえ困る状況に追い込まれている人がこの領域では少なからなず存在することを示している。

奨学金制度が若者に無駄に4年間を浪費させた挙句、莫大な借金を負わせ、代わりにレベルの低い大学を肥え太らせているとすれば理不尽な話だ。受験生自身も彼ら彼女らを支える大人も、本当にその進学が本人にとって良い選択なのか、厳しい目で吟味すべきだ。このページがその一助になることを願う。

2017-04-30追記


偏差値の低い大学は学生数も少なく母数が小さくなるため、見かけの延滞率が大きく見えているだけではないのか、という指摘を頂いた。そこで、偏差値5ずつに分割し、当該ビン全体の延滞者数と受給者数から延滞率を算出したのが次の表である。偏差値が悪くなるほど延滞率が上がることが明確に見て取れる。あと、入試偏差値-奨学金延滞率の散布図のツールチップに表示していた数字に誤りがあったのでその修正も行った(ツールチップ表示だけの問題でグラフの軸や形は変わっていない)。ケアレスミスで申し訳ない。













偏差値延滞者数受給者数延滞率
75+214,1590.50%
70-7414117,0360.83%
65-6938752,9210.73%
60-641,535176,4610.87%
55-592,101244,8120.86%
50-543,404297,9631.14%
45-494,059247,6591.64%
40-445,337220,6992.42%
35-392,01073,7112.73%
NULL1143,7723.02%



lunarmodule7 at 23:00│Comments(0)TrackBack(0)││社会 | Tableau

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