2022年12月25日
カタールW杯は死闘を制したアルゼンチンが36年ぶりに優勝して幕を下ろした。1次リーグ敗退が濃厚と見られた日本も1次リーグをなんと首位で通過し、目標の8強進出はならなかったものの過去最高の9位という成績を収めた。日本、韓国、オーストラリアとアジアから3カ国も1次リーグを通過したのはW杯史上始めてであり、番狂わせが多いW杯だったと言える。
とにかく1次リーグは非常に盛り上がった。FIFAのインファンティーノ会長は、「1次リーグを4チームずつで戦った今大会の成功などを振り返って見て、最後の瞬間までどこが決勝トーナメントに進むかわからないこの方式はすばらしかった」と語り、次回大会における1次リーグの方式を再検討する考えを示した。次のVizは1次リーグの最終戦の試合時間内にリーグ内の4カ国の順位がどのように変動したかを示したものだ。上位2カ国が決勝トーナメントに進出し、下位2カ国が敗退するわけだが、進出する国と敗退する国が90分+αの時間の中で目まぐるしく変化するのはとてもスリリングだ。これを見ると、各グループの温度差が明らかになって興味深い。真の死の組がどこだったのかが一目瞭然だ。
とにかく1次リーグは非常に盛り上がった。FIFAのインファンティーノ会長は、「1次リーグを4チームずつで戦った今大会の成功などを振り返って見て、最後の瞬間までどこが決勝トーナメントに進むかわからないこの方式はすばらしかった」と語り、次回大会における1次リーグの方式を再検討する考えを示した。次のVizは1次リーグの最終戦の試合時間内にリーグ内の4カ国の順位がどのように変動したかを示したものだ。上位2カ国が決勝トーナメントに進出し、下位2カ国が敗退するわけだが、進出する国と敗退する国が90分+αの時間の中で目まぐるしく変化するのはとてもスリリングだ。これを見ると、各グループの温度差が明らかになって興味深い。真の死の組がどこだったのかが一目瞭然だ。
- Qatar World Cup: Ranking Changes in the Last Match of the 1st Round League: Tableau Public
- 試合時間内における順位の変化を示している。各時刻は点数が入ったタイミングであり、マウスをポイントするとその時刻におけるスコア(自分-相手)を確認できる。
- 右上で表示言語を日英に切り替え可能
- 左上でグループをA~Hまで切替可能
それでは、グループごとに見て行くことにしよう。
オランダの1位とカタールの4位が動かず、エクアドルとセネガルが直接対決で激しい2位争いを演じ、2-1で勝利したセネガルが決勝トーナメントへの切符を手に入れた。 結果を見れば順当といえるが、開催国にも関わらず勝点を1点も得られず1次リーグで敗退したカタールには厳しい結果となった。
無風。唯一試合の開始から終わりまで全く順位の変動が無かったグループである。上位2カ国がそれぞれ勝利し、そのまま決勝トーナメントへ進んだ。
こちらもほぼ無風。1位と2位、3位と4位の入れ替えがあっただけで、上位と下位が分断された形となった。残念ながらサウジアラビアは初戦のアルゼンチンに対する勝利を活かすことができなかった。後から振り返るとサウジアラビアは優勝国に対して勝利したのだ。そりゃ勝利の翌日が祝日にもなろうというもの。
フランスの1位は終始変わらず、2位~4位が入れ替わる展開となった。1位のフランスに勝利したチュニジアが一時は2位まで上がったものの、同じく格上のデンマーク相手に勝利したオーストラリアが2位で決勝トーナメント進出を決めた。最終節で番狂わせが同時に起こったグループDでは、16強入は固いと見られていたデンマークが大会を去る結果となった。
日本が属するグループEが今大会を象徴する激戦となった。4カ国すべてに進出と敗退のタイミングがあったのはこのグループのみである。日本がスペインに負けドイツがコスタリカに勝つ11分から48分の間はドイツが決勝トーナメント進出の切符を手にしていた。ところが日本が後半開始早々2点を獲得しスペインに勝ち越し、さらにコスタリカがドイツに逆転した70分から73分までの3分間にはなんとスペインとドイツが敗退するという世界線があった。最終的には日本が1位通過し、ドイツが敗退するという番狂わせが起こったのはご存知のとおり。もともと2強2弱の無風のグループと見られていたグループEは、4カ国が最期まで死闘を繰り広げる死の組だった。
最終戦はほぼ無風だが、決勝トーナメント進出国は大会前の予想とは大きく異なることとなった。今回のW杯で大きく株を上げたモロッコが最終戦で最下位のカナダ相手に開始4分に先制して1位に上がりそのまま勝ちきった。大会前は1位通過が期待されていたベルギーはクロアチア相手に無得点の引き分けで勝点3を得ることがができず、失意の1次リーグ敗退となった。
1位のブラジルが不動で、2位以下が激しい競り合いを繰り広げる展開となった。スイス対セルビアは激しい点の取り合いとなり一時はセルビアがリードし2位の切符を掴みかけたが逆転を許した。裏のブラジル対カメルーン戦でカメルーンが金星をあげたことで、結局セルビアは試合開始時と変わらない最下位に甘んじることとなった。決勝トーナメント進出はブラジルとスイスとなり、結果としては順当となった。
韓国が属するグループHは、グループEに次ぐ激戦グループとなった。グループDと同様、1位のポルトガルを除いて、2位~4位が大きく入れ替わる展開となった。ウルグアイはガーナに2-0で試合を優位に進め、ほぼ決勝トーナメント進出を手中に収めかけていたが、試合終了間際の91分、最下位の韓国がトップのポルトガル相手に勝ち越しゴールを決め、一気に2位に浮上。ウルグアイを降格圏内に叩き落とした。ウルグアイが勝ち残るためにはなんとしてもあと1点取る必要があったが、試合はそのまま終了し、韓国の進出とウルグアイの敗退が決まった。
以上、見てきたとおりだが、格下であるアジアやアフリカの国がアップセットを実現すると1次リーグが俄然気の抜けない面白い展開となる。今大会で言えば、日本、韓国、オーストラリア、モロッコといった国々だ。次回大会では出場国数が32→48に大幅に増加し、地力に劣るヨーロッパ以外の国に多く出場機会が与えられる。そこで今大会のような気迫を見せて、ぜひ大会を盛り上げてもらいたい。4年後を楽しみに待ちたいと思う。
グループA
オランダの1位とカタールの4位が動かず、エクアドルとセネガルが直接対決で激しい2位争いを演じ、2-1で勝利したセネガルが決勝トーナメントへの切符を手に入れた。 結果を見れば順当といえるが、開催国にも関わらず勝点を1点も得られず1次リーグで敗退したカタールには厳しい結果となった。
グループB
無風。唯一試合の開始から終わりまで全く順位の変動が無かったグループである。上位2カ国がそれぞれ勝利し、そのまま決勝トーナメントへ進んだ。
グループC
こちらもほぼ無風。1位と2位、3位と4位の入れ替えがあっただけで、上位と下位が分断された形となった。残念ながらサウジアラビアは初戦のアルゼンチンに対する勝利を活かすことができなかった。後から振り返るとサウジアラビアは優勝国に対して勝利したのだ。そりゃ勝利の翌日が祝日にもなろうというもの。
グループD
フランスの1位は終始変わらず、2位~4位が入れ替わる展開となった。1位のフランスに勝利したチュニジアが一時は2位まで上がったものの、同じく格上のデンマーク相手に勝利したオーストラリアが2位で決勝トーナメント進出を決めた。最終節で番狂わせが同時に起こったグループDでは、16強入は固いと見られていたデンマークが大会を去る結果となった。
グループE
日本が属するグループEが今大会を象徴する激戦となった。4カ国すべてに進出と敗退のタイミングがあったのはこのグループのみである。日本がスペインに負けドイツがコスタリカに勝つ11分から48分の間はドイツが決勝トーナメント進出の切符を手にしていた。ところが日本が後半開始早々2点を獲得しスペインに勝ち越し、さらにコスタリカがドイツに逆転した70分から73分までの3分間にはなんとスペインとドイツが敗退するという世界線があった。最終的には日本が1位通過し、ドイツが敗退するという番狂わせが起こったのはご存知のとおり。もともと2強2弱の無風のグループと見られていたグループEは、4カ国が最期まで死闘を繰り広げる死の組だった。
グループF
最終戦はほぼ無風だが、決勝トーナメント進出国は大会前の予想とは大きく異なることとなった。今回のW杯で大きく株を上げたモロッコが最終戦で最下位のカナダ相手に開始4分に先制して1位に上がりそのまま勝ちきった。大会前は1位通過が期待されていたベルギーはクロアチア相手に無得点の引き分けで勝点3を得ることがができず、失意の1次リーグ敗退となった。
グループG
1位のブラジルが不動で、2位以下が激しい競り合いを繰り広げる展開となった。スイス対セルビアは激しい点の取り合いとなり一時はセルビアがリードし2位の切符を掴みかけたが逆転を許した。裏のブラジル対カメルーン戦でカメルーンが金星をあげたことで、結局セルビアは試合開始時と変わらない最下位に甘んじることとなった。決勝トーナメント進出はブラジルとスイスとなり、結果としては順当となった。
グループH
韓国が属するグループHは、グループEに次ぐ激戦グループとなった。グループDと同様、1位のポルトガルを除いて、2位~4位が大きく入れ替わる展開となった。ウルグアイはガーナに2-0で試合を優位に進め、ほぼ決勝トーナメント進出を手中に収めかけていたが、試合終了間際の91分、最下位の韓国がトップのポルトガル相手に勝ち越しゴールを決め、一気に2位に浮上。ウルグアイを降格圏内に叩き落とした。ウルグアイが勝ち残るためにはなんとしてもあと1点取る必要があったが、試合はそのまま終了し、韓国の進出とウルグアイの敗退が決まった。
以上、見てきたとおりだが、格下であるアジアやアフリカの国がアップセットを実現すると1次リーグが俄然気の抜けない面白い展開となる。今大会で言えば、日本、韓国、オーストラリア、モロッコといった国々だ。次回大会では出場国数が32→48に大幅に増加し、地力に劣るヨーロッパ以外の国に多く出場機会が与えられる。そこで今大会のような気迫を見せて、ぜひ大会を盛り上げてもらいたい。4年後を楽しみに待ちたいと思う。
lunarmodule7 at 20:32│Comments(0)│