2010年09月12日
エンジニアは普段から英語のテクニカルタームをそのまま利用しているから、結構英語でも意思の疎通がしやすいと言われている。しかし、カタカナで覚えてしまっていると、英語の発音とは大きく乖離してしまう。そこで、本エントリではエンジニアがちょっと気をつけるだけで、発音を改善できるコツを紹介したい。
まず気をつけておきたいのは存在しない母音を発音しないということだ。例は色々あるが、tをトと発音しないように心がけるだけでずいぶん違う。networkはネットワークと発音してはならない。あえてカタカナで書くとネッtワァkという感じだろうか。account, assistant, count, component, Ethernet, element, expert, format, input, insert, Internet, layout, output, select, subject, test, throughput, websiteなど最後のtの発音に気をつけることが第一歩だ。同様にdはドとは発音しない。podcastはdとtが両方含まれている。ポッdキャスtという感じだ。
存在しない母音に気をつけたら、次にはカタカナ表記と異なる母音の発音をする単語に気をつける必要がある。特にアクセントのある母音の発音が重要だ。
以下に、筆者が気にかかった、アクセントのある母音の発音が日本語と異なったり、日本語では別のところにアクセントがあったりするカタカナ語の英単語を抽出してみた。単語自体はエンジニアには馴染みのあるものばかりだと思う。しかし、カタカナ発音では通じない。発音記号をしっかり見て発音を確認して欲しい(横のカタカナ表記はあくまで参考だ)。なお、本エントリで記載している発音と発音記号の表記はアメリカ英語のものだ。イギリス英語等では異なるものもあるので注意されたい。
- agent (e'iʤənt) ×エージェント ○エイジェンt
- arrange (əre'indʒ) ×アレンジ ○アレインジ
- average (æ'vəriʤ) ×アベレージ ○アヴェリッジ
- community (kəmju'ːnəti) ×コミュニティ ○コミューニティ
- concept (kɑ'nsept) ×コンセプト ○カンセプt
- confidential (kɑ`nfide'nʃl) ×コンフィデンシャル ○カンフィデンシャゥ
- contents (kɑ'ntentz) ×コンテンツ ○カンテンツ
- cursor (kə'ːrsər) ×カーソル ○カーサー
- damage (dæ'miʤ) ×ダメージ ○ダミジ
- data (de'itə) ×データ ○デイタ
- debug (di`ːbʌ'g) ×デバッグ ○ディーバッグ
- default (difɔ'ːlt) ×デフォルト ○ディフォールt
- document (dɑ'kjəmənt) ×ドキュメント ○ダキュメンt ※名詞と動詞では発音が異なる。
- edition (idi'ʃn) ×エディション ○イディション
- effect (ife'kt) ×エフェクト ○イフェクt
- encyclopedia (ensa`ikləpi'ːdiə) ×エンサイクロペディア ○エンサイクロピーディア
- image (i'miʤ) ×イメージ ○イミジ
- manage (mæ'niʤ) ×マネージ ○マニッジ
- manager (mæ'niʤər) ×マネージャー ○マニジャー
- media (mi'ːdiə) ×メディア ○ミディア
- object (ɑ'bʤikt) ×オブジェクト ○アブジィクt ※名詞と動詞では発音が異なる。
- operand (ɑ'pəræ`nd) ×オペランド ○アペランd
- operate (ɑ'pəre`it) ×オペレート ○アペレイt
- package (pæ'kiʤ) ×パッケージ ○パッキジ
- positive (pɑ'zətiv) ×ポジティブ ○パジティブ
- prefix (pri'ːfiks) ×プレフィックス ○プリーフィックス
- process (prɑ'ːses) ×プロセス ○プラセス
- profile (pro'ufail) ×プロファイル ○プロウファイル
- program (pro'ugræm) ×プログラム ○プロウグラム
- prompt (prɑ'mpt) ×プロンプト ○プランプt
- property (prɑ'pərti) ×プロパティ ○プラパティ
- protocol (pro'utəkɑ`l) ×プロトコル ○プロウトコール
- proxy (prɑ'ksi) ×プロクシ ○プラクシ
- query (kwi'əri) ×クエリー ○クウィアリー
- range (re'indʒ) ×レンジ ○レインジ
- repository (ripɑ'zətɔ`ːri) ×リポジトリ ○リパジトリ
- resource (ri'ːsɔ`ːrs) ×リソース ○リーソォス
- robust (roubʌ'st) ×ロバスト ○ロウバスt
- security (sikju'ərəti) ×セキュリティ ○スィキュアリティー
- storage (stɔ'ːriʤ) ×ストレージ ○ストーリッジ
- table (te'ibl) ×テーブル ○テイブル
- topic (tɑ'pik) ×トピック ○タピック
- ubiquitous (juːbi'kwitəs) ×ユビキタス ○ユービクイタス
- update (ʌ`pde'it) ×アップデート ○アップデイt
- vaccine (væksi'ːn) ×ワクチン ○ヴァクスィーン
- virus (va'iərəs) ×ウィルス ○ヴァイァラス
おそらく、あれこれこんなふうに発音するの?と意外に思った単語が幾つかあったと思う(もし、全て知っているという人がいれば、その人は極めて優秀だ)。実際には、それほど神経質にならなくても通じる場合も多いが、一度は正しい発音を確認しておきたい。ちょっと気にかける──それだけの習慣が、発音を改善することに繋がるはずだ。
一方で、アクセントのない母音に関しては、おおよそシュワー(schwa)と呼ばれる曖昧母音となる場合が多い。シュワーは発音記号əで表され、a, u, oの中間みたいな音となる。
本エントリに記載した内容は英語を真面目に勉強している人から見れば中途半端で眉を顰めるような内容かもしれない。しかし、筆者のように、今まで発音に無頓着だった人が、発音を気にかけるきっかけになれば良いと思う。
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この記事へのコメント
ところで今日の記事のカタカナ英語については脳科学者の池谷裕二さんが面白い本を出していましたね。
http://gaya.jp/english/katakana.htm
日本語話している時ではなく、英語を話している時の発音についてのエントリです。分かりにくくて申し訳ありません。
>>通りすがり様
ありがとうございます。また、3Dマップ関係も面白い研究があれば取り上げていきます。これからもどうぞよろしくお願い致します。
カタカナ英語も原音に近づけた表記なら余程聞きとりややすいのでしょうね。本の紹介ありがとうございました。機会があれば読んでみたいと思います。